TOP更新情報カテゴリ路線別列車別鉄道サウンド切符リンク集岩手県の魅力当サイトについて撮影機材

アビエス・リサーチ制作雑記

アナログビデオテープ(VHS)のデジタル化

(2009年9月9日作成、2009年9月9日最終更新)

「アビエス・リサーチ制作雑記」へ戻る


VHSビデオデッキ(ビクタービデオカセッター) Victor HR-7300(下) 2004年11月撮影

 当webサイトの制作とは話がかなりずれるが,先日,作者の親からこれまでに録画・保存してきたVHSテープをDVD化して欲しいと頼まれた.

 当サイトに掲載した写真には,デジカメで撮影した画像もあるが,フィルムカメラで撮影したものをスキャンして「デジタル化」した画像もかなりある.1980年代にはVHSテープやフィルムといったアナログで映像を記録することが当たり前だったが,それらを再生したり保存したりすることが今後さらに難しいことが予測される.そういったことからも,親がこれぞという番組を録画したVHSテープのDVD化(ダビング)を頼んできた,というわけである.

 このページに掲載した写真の下に写っているビデオデッキは,作者の実家にはじめて導入されたVHSビデオデッキで,ビクターの「HR-7300」という機種である.購入年は1982年だった.当時,作者は小学生だったが,このデッキが来た日はかなり鮮明に覚えている.

 1981年頃に,父親がテレビを見ていた時,あとで繰り返し見たいという番組に対して,「ビデオが欲しいなあ」と言っていたことがあるのだが,実は当時,「ビデオデッキ」というものがあって,家庭のテレビ番組を「録画」してあとで繰り返し「再生」できる装置が世の中にあることすら知らなかったので,父親は一体何を言っているのかさっぱり理解できなかった.当時は千葉県船橋市に住んでいたが,小学校で「ビデオ」を使った授業というのは恐らくなかったと思うし,クラスメートの中でも家にビデオデッキがある人は恐らく居なかったのではないだろか.それくらい,当時はビデオデッキは珍しかった.

 父親はビデオデッキを秋葉原の某量販店で買ってきたらしいのだが,いわゆる「型落ち」品だったため,販売価格は10万円を切っていたらしい.スペックとしては音声はモノラルだが,「アフレコ」が可能で,そのための外部入力マイク端子を装備していたことなど,現在の「ビデオデッキ」とは対象用途が若干異なる感がある.3倍録画再生機能が付いており,当時の「紅白歌合戦」の録画などに使っていた記憶はあるが,画質,音声は大幅に劣化し,とても見られるものではなかった.

 当然のように「リモコン」はない.当時,テレビをはじめとして,家電で「リモコン」というのはないのが当たり前だった.テープカウンターは機械式,チャンネル設定も上部右側にアナログダイヤルが入っていて,それを回して調整するというもので,機械然としていた.

 このビデオデッキが我が家で活躍したのは1990年頃までだった気がする.親が先日DVD化を頼んできたビデオテープにはこのデッキで録画したものも数本含まれていたが,当時のビデオテープの価格というのも120分テープ1本が3000円程度していた.「この手」の話は年配の人からいろいろ聞かされるが(以前はビデオテープが1本8000円していたとか,5インチフロッピーが10枚6000円だった,等),いずれにしても録画してそれを「保存」することが,当時はいかに高価だったかということである.

 1980年代に録画したビデオテープをDVD化するに当たり,約25年ぶりに再生したものもあったが,予想に反して画質も音質もかなり良かった.音声はかなり潰れて聞こえるものもあったが,ボリュームを上げれば何を言っているのか明瞭に聞き取れる.テープにはカビが生えているものもあったが,とにかく再生可能であり,多少のキズを生じても再生できるアナログの長所を改めて感じた.

 作者がVHSをやめて4年ほどになるが,テープの長所は,途中まで見た番組でテープをイジェクトしても,そのままテープを保管してそのままデッキに入れればその「途中」から始まることである.ディスクの場合,途中まで見たところに区切りの情報を残さない限りはその「途中」から再生できないし,区切りの情報を付けたとしても,それが数箇所になると,どこが「途中」なのか分からなくなってしまう.その点,テープだと「途中」の状態を残すのは容易である.また,再生したことによってテープが左から右へと巻かれていくのが目で見えたり,巻き戻したりというのもテープに残した「記録」と自分自身が一体となって時間を過ごしたことが分かって,それはそれで楽しい.テープのカビや劣化の問題は抱えているが,VHSならではの良さを改めて感じながらのダビング作業であった.

 ちなみに我が家の初代ビデオデッキであるVictor HR-7300は,数々の思い出もあって捨てるのは惜しかったものの,2004年に廃棄処分した.処分する際にデッキを持ち上げた際には,かなり重くて驚いた.(2009年9月9日記述)



 ページの先頭へ戻る

アビエスリサーチ トップへ戻る

inserted by FC2 system