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アビエス・リサーチ制作雑記

地名のイントネーションについて

(2009年10月5日作成、2009年10月5日最終更新)

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 作者は千葉,茨城,岩手,新潟,そして現在の愛知と5つの県で生活してきたが,言葉のイントネーションの混乱が少なからずある.イントネーションに「正解」はないとは思うが(英語のような明瞭なアクセントを持つ言葉には正解があるとも言えそうだが,)その地域ごとにイントネーションの傾向があることは身をもって感じた.

 特に地名の場合,その地域によって独特のイントネーションを持っていたりするので,時々はっとすることがあるが,新しく居住した場所で聞きなれないそこの地域のイントネーションを聞いても,しばらくするとそれに慣れてしまって,果たしてそこに住むまでの自分だったら,その地名をどのようなイントネーションで言っていたかどうかと考えてしまうことが時々ある.

 新潟県在住中の例を挙げると,新潟市の繁華街として有名な「古町(ふるまち)」の場合,作者の感覚(以下,「作者の感」と表記)からすると,「ふまち」(太字にアクセント,以下同様)だったが,新潟県の人は聞いた限り全員と言っていいほど,「るまち」のように,最初の音(「」)に明瞭なアクセントがあった.

 他には飯豊(連峰)の「いいで」を言う場合,作者の感覚では「いいで」と平板アクセントか,「いい」のようなイントネーションとなるが,新潟県では「いで」というイントネーションを頻繁に聞いた.越後湯沢の「ゆざわ」も新潟では「ゆざ」ではなく,「ざわ」と言っていたような気がするが,ちょっと自信がない.

 信越本線の「黒井」駅は新潟では「ろい」だが,作者の感では「くろ」である.しかし,周囲の人が皆「ろい」というので,それに慣れてしまった.ちなみに,色が黒い場合の「くろい」は作者の感では「くい」となる.

 このように,新潟では単語の先頭にアクセントが来ることが多い.地名以外では,圧力(作者の感:ありょく)が「つりょく」に,うしろ(作者の感:うし)が「しろ」,柱(作者の感:はし)が「しら」,以下,「役場」「田んぼ」「握力」「畑」「いちご」「四月」などは新潟では明瞭に先頭にアクセントが来る.佐渡に在住していた時,佐渡の人がクジラ(鯨)のことを「じら」(作者の感:くじ)と言っており,最初聞き取れなかったことがあったが,本土側ではこのアクセントは耳にしていない.

 愛知県在住前は,愛知県全体が名古屋弁を話しているような先入観があったが,豊橋市に在住してみると,名古屋の言葉とはかなり異なる「三河弁(正確には東三河弁であって,岡崎等の西三河弁とはかなり異なるらしい)」を耳にする.とにかく,名古屋と三河では文化や人間性はかなり異なるようである(尾張藩と三河藩だから,と地元の人は言っているが,名古屋に在住したことがなく,作者には正直よく分からない).

 地名のイントネーションにはなかなか慣れないというか,恐らく作者が地元のイントネーションを真似して話す地名は違和感のあるイントネーションなんだろうと思う.何も考えずに話せばいいのだが,時としてイントネーションのせいで通じないことがあるので,極力真似するようには心がけている.

 恐らく「東京圏の人であればこう言うだろう」という愛知県の地名のアクセント(イントネーション)を挙げると,岡崎(作者の感:おざき)は三河(豊橋)では「おかざ」(あるいはどこにもアクセントがないようにも聞こえる),刈谷(作者の感:りや)は三河では「かり」(これも平板に近い),知立(作者の感:りゅう)は三河では「ちりゅう」,新城(作者としては「しんし」なのか「んしろ」なのか,もはや過去の記憶が曖昧になっている)は三河では「んしろ」,御油(作者の感:ご)は三河では「ゆ」(これの先頭へのアクセントは非常に明瞭である).ただ,これらも豊橋や蒲郡や知立や岡崎の人ではそれぞれイントネーションが微妙に異なるらしのだが(地元の人は,どこどこの人の言葉だ,と分かるらしい),作者にはその違いは分からない.

 それにしても,岩泉線の「岩手刈屋」駅は作者は「いわてりや」と発音するが(東京圏,東北圏の人は恐らくそう言うものと思うが)を三河圏の人が言うと,「わてかり」になるのだろうか.それともやはり「いわてりや」になるのだろうか.謎である.

 愛知の地名のアクセントで作者自身が混乱してよく分からないのが「春日井」で,作者の感では「かがい」だったような気がするのだが,こちら(三河)ではほぼ平板アクセントで,強いて言えば一番うしろの「かすが」にアクセントが来る.ちなみに,作者は埼玉県の「春日部」は「かすか」(ほぼ平板だが,強いて言えば最後にアクセントが来る感じか)と発音していた気がする.なぜ作者の感が「かすが」ではなく「かがい」なのか考えてみると,「かすが」のイントネーションは梁などを固定する「鎹」になってしまうからだと思う.

 電車の肉声車内放送は,その地域のイントネーションを地域住民と同様に発音している場合が多いように感じる.前述の「岡崎」「刈谷」「新城」「御油」などは注意深く聞くと,作者の感とは異なるアクセントで放送している.銀座線の「京橋」は「きょうば」と言っているが,大阪環状線・京阪の「京橋」は「きょうばし」である.山陰本線や因美線で鳥取(駅)を「っとり」(作者の感:とっと)と言っていた車内放送を聞いたときには驚いてしまったものである.

 とにかく,作者の頭の中は混乱している.実は東京圏の地名のアクセントについても先日自信を失う出来事があった.横浜在住の高齢の方に電話で,「今,杉田に居ます」と言ったら,「え?どこ?聞こえないよ」と言われた.雑踏の中で電話をかけたこともあるのだが,杉田(京急線)のイントネーションは,少なくとも横浜では「すぎ」となるらしい.それを作者が「ぎた」と言ったため,通じなかったようである.前述の「くじら」と同じような例である.

 そこで,根岸線の「しんすぎた(新杉田)」は何て言うのか,その横浜の人に尋ねたところ,作者の感と同じ「しんぎた」であった.今度京急線に乗る機会があったら,肉声の車内放送に耳を傾けてみたい.(2009年10月5日記述)



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