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アビエス・リサーチ制作雑記

新宿駅とWINS新宿の混雑の違い

(2009年10月27日作成、2009年10月27日最終更新)

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1998年10月11日 東京第11レース勝馬投票券(枠番連勝式)

 10月22日に書いた当欄(「図書館のスポーツ新聞」)で,競馬のことを少し書いたが,先日,書棚の本から1998年の「第49回毎日王冠」(1998年10月11日・東京競馬第11レース)の外れ馬券が出てきた.作者は「もう競馬の趣味はやめる」と宣言し,保存していたレース結果の切り抜き新聞記事や購入馬券情報,レースのビデオテープなどはばっさりと処分したのだが,このレースの外れ馬券はたまたま本の「しおり」として使っていたらしく,11年ぶりに姿を現した.

 右の画像がその外れ馬券だが,webでこのレースの3枠と8枠の馬を確認すると,3枠3番テイエムオオアラシ(福永祐一),8枠8番ワイルドバッハ(M. ロバーツ)・8枠9番ビッグサンデー(宝来城多郎)絡みの馬券を買っていたことになる.どう考えても穴狙いの1枚である.恐らくWINSのオッズ画面を眺めて,高額配当を期待して買ったのであろう.他にも数種類の馬券を買ったと思うが,まったく覚えていない.

 1998年の毎日王冠は,サイレンススズカ(1着),エルコンドルパサー(2着),グラスワンダー(5着)といった精鋭が出走した伝説的な名競争だった.馬券は画像のようにWINS後楽園で購入したが,実際のレース中継はWINS新宿で観ている.ちなみに「WINS」とはJRA(日本中央競馬会)の場外馬券売場のことである.水道橋駅で赤ペンとスポーツ新聞や競馬新聞を片手に下車する客はほぼ間違いなく,「WINS後楽園」に行く客と思って間違いない.

 当日は中学校時代からの友人と上京して神保町や新宿で中古レコードの買いあさりをする日だったが,友人が今日のレースを買いたいというので,午前中の比較的空いている時間帯に水道橋駅からWINS後楽園へ行き,この馬券を購入.考えてみれば,この友人が作者に競馬のおもしろさを紹介した人物で,この友人なくしてこの「毎日王冠」の感動もなかったことを考えると,さらに感慨深いものがある.

 当日だが,午後2時過ぎとなり,そろそろメインレースだとなった頃,当初は友人が持参していたラジオでレースの実況を聞けばいいや,という話だったが,その時,新宿にいたこともあり,WINS新宿で観ようということになった.実はこの時期,作者は左足の頚骨上部を陥没骨折しており,脚の付け根からかかとまでを覆っていたギブスこそ取れたものの,膝に強い負担をかけてはいけない時期ということで,歩行時は左手に松葉杖を持って左足に体重をかけないようにしなければならなかった.

 ギブスの期間を含め,約3ヶ月間,入院と自宅療養が続いており,外出したくて仕方なかったため,東京の雑踏もいとわずに出かけたのだが,さすがに日曜日の新宿の混雑は激しく,JR新宿駅構内の階段を昇り降りする際には松葉杖併用でゆっくりと,他の人よりも通路の幅も,時間も取って移動することになったのだが,他の客はぶつかってきたり,松葉杖すれすれの空間を追い越していったりと,体が不自由な身としてはやはり東京の雑踏を移動することは大変なんだと痛感させられた.

 そんなこともあり,混雑の激しいメインレース前後のWINS新宿に行くことにためらいもあったが,友人も行くし,せっかくなので行くことにした.WINS新宿に行ったことがある方なら分かるかと思うが,WINS後楽園などに比して建物自体は小さい.しかし,立地条件のよさからか,非常に混雑するのである.階段通路も狭いのだが,行って驚いたのは作者がゆっくりと階段を歩いていても,誰も無理に追い越さないし,私の姿が目に留まると,広い踊り場で私の通過を待ってくれていたりするのだった.馬券を買いに来る人たちはなんて親切なんだと痛く感激したものである.

 やはり駅というのは,鉄道で「移動」する場所という性格が強いんだと思う.駅構内の階段も,ぶっちゃけどこかへ移動する通路でしかない.東京圏での移動は混雑も激しく,着席できないことも多く,乗換に2〜3分遅れることによって,目的の私鉄特急や快速に乗り遅れて目的地に数十分遅れてしまう,ということはたびたびある.駅構内の移動も効率良く行いたい.これは骨折から癒えて松葉杖なしで歩ける現在の作者にとっても同じ心境である.

 ところでメインレースの「毎日王冠」だが,スタート直後からサイレンススズカがぶっちぎりの逃げでレースが展開.WINS新宿の盛り上がりはすごかった.とにかく,サイレンススズカの逃走劇だった.第3コーナーの大ケヤキを回ったあたりでも当然トップギアに入ったままであった.WINSの場内はウォーーーっと異様なほどの盛り上がりになる.東京の長い直線に向かってもサイレンススズカの脚色は衰えない.ここからのサイレンススズカの驚異的なスピードとWINSの空気はすごかった.ものすごい一体感だった.あんな空気はそれまでも,そしてそれからももうないだろうという膨張感というか,沸騰感だった.結局,2着のエルコンドルパサーに2・1/2馬身差をつけて完勝.東京の長い長い直線を逃げる姿がビジョンに映されていたこともあって,着差以上に圧勝した感があった.

 それを観ていた友人が,「東京の1800m(=毎日王冠)と2000m(=天皇賞・秋)の200m差は全然違う.天皇賞は逃げ切れないぞ〜」と言っていた.3週間後の天皇賞(秋)でサイレンススズカは圧倒的な一番人気を集めてレースに挑んだが,レース中に骨折,予後不良となり,東京の2000mを,別の意味で本当に逃げ切れなかったのだった.(2009年10月27日記述)



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