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アビエス・リサーチ制作雑記

北陸本線旧線の探索

(2010年4月27日作成、2010年5月7日最終更新)

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2010年4月23日 北陸本線・木ノ本〜敦賀間旧線・小刀根トンネル

 2010年1月20日の本欄「マイカーのマフラー落下」で,北陸本線敦賀周辺へ485系の特急「雷鳥」の撮影等に向かっていたところ,東名〜名神高速道走行中に作者の車のマフラーが経年の腐食もあって落下してしまい,旅行が中止となったことを書いた.車の修理が上がったらばすぐにでもリベンジしたいと思っていたが,結局「リベンジ」は4月23日になってしまった.

 特急「雷鳥」は2010年3月13日のダイヤ改正以前は定期運行で5往復あったのうち,ダイヤ改正を期に4往復が「サンダーバード」化されたことにより,「雷鳥」は1日1往復だけになってしまった.また,ダイヤ改正以前は土日運転と日曜運転の「雷鳥」が1往復ずつ運転されていたことから,日曜日に限定すれば7往復あった「雷鳥」が1往復に減った勘定になってしまった.

 そのようなこともあり,ダイヤ改正前の訪問を「日曜日」にした方が撮影効率が良いといった欲を出したこともあり,結局敦賀方面へ行くチャンスを逃し,未訪問のままダイヤ改正日を迎えてしまった.

 ダイヤ改正後の「雷鳥」は前述のように1日1往復だけの運転に縮小されてしまった.そこで敦賀訪問の主眼を列車撮影に置かず,木ノ本〜敦賀間の柳ヶ瀬線と,敦賀〜今庄間の山中峠越え旧線の探索に切り替え,川崎市在住の先輩を誘って4月23日に訪問した.

 1日1往復に激減してしまった特急「雷鳥」の撮影は朝に鳩原(はつはら)ループで済ませてしまい,ほぼ丸一日みっちりと廃線跡探索をしたのだが,予想以上のスケール感に痛く感動してしまった.このページの写真は北陸本線の木ノ本〜敦賀間の旧線(後の柳ヶ瀬線)跡に残る小刀根トンネルの敦賀方ポータルだが,「明治十四年」の石板が入っていた.この石板が建設当時からのオリジナルのものかは不明だが,明治14年は西暦1881年,つまり今から130年ほども前に完成したトンネルなのだ.トンネル延長はたった56mで,トンネル上部の地山も小さく,現在の技術であればトンネルを掘らずに重機でオープンカットしてしまいそうなほどだが,当時の日本人技術者らはここにトンネルを掘削し,100年以上たった今もほぼ当時のまま残っていた.トンネル内部は石積とレンガ積になっており,改修もほとんどされていないことから,このトンネルは当時の技術を今に伝える重要な構造物ということで,敦賀市指定文化財にもなっていた.

 北陸本線の旧線はそのほとんどが道路敷になっており,一部は線形そのままに道路で辿ることが出来る.やはりすごかったのは柳ヶ瀬トンネルで,ここも延長こそ1352mと,鉄道トンネルとしてはそれほどの延長ではないが,完成当時は日本最長を誇っていたほどで,当時の北陸本線開通に対する社会的必然性がいかに高かったかが分かる.トンネル内部を車で通ることができるのだが,その狭さと急勾配には驚かされた.こういった感覚はやはり現地に実際に行ってみないと分からない部分で,来てよかったと強く思った.

 柳ヶ瀬線もすごいが,敦賀以北の山中峠越えの旧線も圧巻で,山中信号場のスイッチバック突っ込み線の長大さは想像をはるかに凌駕しており,地図や書籍上での感覚とはまったく異なり,これも現地を踏査してはじめて知ったスケール感で,痛く感激した.ここの廃線跡訪問は車かバイクがないと難しい部分もあるが,日本の鉄道の厳しい路線条件や規模を知る上でも是非訪問をオススメしたい区間である.帰宅後,今回の訪問での「見落とし」も多数あることがさらに分かり,廃線区間へは早くも「再訪問」をしたいと考えている.(2010年4月27日記述,5月7日加筆修正)



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