 |
2003年2月2日 越後線八色駅
|
作者は2009年4月に新潟県糸魚川市から愛知県豊橋市に転居してきた．それから約丸2年が経過した．2009年から生まれて初めて東海地区（中部地区）に居住したわけだが，愛知県に居住してのざっくばらんな感想を書き連ねたいと思う．
作者のこれまで居住地は，大雑把に書くと，1970年代が千葉県，1980年代が茨城県，1990年代が岩手県，2000年代が新潟県，ということになる（かなり大雑把です）．気候的なことを書けば，千葉，茨城はほとんど変わらない．岩手県に移住した際は，「そのまま北へ移動した」という感じだった．当然冬は寒く，12-3月は降れば雨ではなく，9割以上は雪．春の訪れが1ヶ月以上は遅く感じられ，夏の夜は涼しく，過ごしやすい．秋はあっという間に過ぎて，夏からいきなり冬に突入していく感じだった．
ところが，その後新潟県に移り住むと，気候に関しては想像以上にそれまでとは異なっていた．岩手県は関東地方がそのまま「緯度が上昇」しただけという感じだが，新潟の冬はとにかく天気が悪い．温暖化のせいかもしれないが，冬は雪ではなく，雨の日がかなり多く，落雷は真冬に多い．俳句の季語「雷」は夏，と言うが，それは東京基準なだけである（※．そして天気の悪い日が何日も続く．台風並みの強風の日が何日もあり，佐渡島に住んでいた時には船が欠航し，新聞は過去3日分とかがまとめて配達されたりした．
そして2009年から愛知県に移住してきた．関東に比べても明らかに温暖である．3月から蚊が飛んでいるのには驚いた．サクラも3月中に咲き始める（今年（2011年）は開花が遅かったが）．夏の朝5時過ぎからクマゼミが大音量で鳴き始めるのには驚きを通り越して，あきれている．日常会話ができないほどの大音量なのだが，地元の人はそれが当たり前なのだ．
冬はとにかく晴れる．ほとんどの日が快晴である．天気予報で「典型的な西高東低」という日は風こそ強いが，快晴である．こういう天気図の日は新潟は猛吹雪だったりする．そんなことを考えながら，洗濯したり，ふとんを干したり，窓を開けて掃除機がけをしてしまう．新潟では部屋干しが当たり前だったこともあり，除湿機を使い，送風のために冬も扇風機を部屋で回していた（洗濯物に風を当てた方が乾きやすいため）．
しかし，愛知に来て扇風機は（当然）夏だけしか使わず，除湿機はまったく出番がない．愛知に来て冬に電車に乗ったとき，窓際の日なた側の客がピシャっとブラインドを下ろした．新潟から越してきたばかりの作者としては，せっかく冬に日差しがあるのにもったいない！等と思っていたのだが，冬の日差しは眩しく，乾燥し，日焼けもするのだ．しばらく愛知で暮らすと，冬の日差しも感謝ばかりしていられない．日中は日が部屋の奥まで差し込むため，生き物の水槽や保存食などに日が当たらないように気をつけねばならない．こんなことは新潟在住時は考えもしなかった．そういえば，小学校で冬といえば窓際の生徒はカーテンを頻繁に閉めたりしていたということを久々に思い出したのであった．
豊橋で台所に瞬間湯沸かし器を設置してもらった時，凍結予防対策を聞いた．岩手では水道管や風呂釜の凍結予防は当たり前（これを忘れて管の破裂，風呂釜を壊したという話を何度聞いたか分からない），新潟でも数年に一度，被害に遭うことがあるのだが，「ここ（豊橋）で凍結したっていう話は聞いたことないです」とのことだった（実際，氷点下まで下がる日はほとんどない）．
・・・他に文化的な違い等も書くつもりでしたが，長々になったので，今日は気候の話で切り上げます．このページの写真は上越線八色駅での写真で，2月の新潟県魚沼地方としては非常に天気の良い日で，越後三山のうち，越後駒ケ岳（電柱のすぐ右の山，標高2,003m）と三山で最も高い中ノ岳（写真右端，標高2,085m）が冬山の姿を見せた一枚．冬の新潟は普段は天気が悪いだけに，晴れた日の景色は本当にすばらしいものとなる．（2011年4月17日記述）
（※：日本海側では冬季に雷が多いことについて，「関東地方など太平洋側や内陸部では"カミナリ"といえば夏ですね．ところが，北陸地方など日本海側では"カミナリ"といえば冬ではないでしょうか．真っ黒な雷雲が日本海から低く押し寄せてきて，激しい雷鳴と降雪をもたらします」という記述も見られます．（尾崎功・藤森礼一郎，2006．「身近な電気のクエスチョン−電気が家庭に届くまで」．（社）日本電気協会新聞部）（2012年7月5日加筆修正） |