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アビエス・リサーチ制作雑記

愛知県三河地方の文化

(2011年5月21日作成、2011年5月22日最終更新)

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2009年4月28日 愛知県豊橋市民球場

 作者は2009年3月まで新潟県内に10年間住んでいたが,4月からは愛知県豊橋市に転居してきた.それから現在まで約2年が経過したが,特に気候的な違いについては本制作雑記の4月17日に書いた.

 2009年に新潟から豊橋に引っ越してきて,特に最初に感じた違いはやはり言葉だった.それまで交流のあった数人の名古屋市出身者の言葉とも違う,「三河弁」なるものを周囲の人がしゃべっているのだ.

 筆者が小学生の時に千葉から茨城へ移住した際,当初はコテコテの茨城弁で話されても,何をしゃべっているのか聞き取れなかった.その後,岩手県に移住した際にも,方言というか,いわゆる「訛り」がある言葉にある種の共通性を感じた.三河に来ると方言は方言なのだが,訛りが入っている,という感じではなく,東京圏の言葉と特に「語尾」が違う方言という印象を持った.

 イントネーションの違いについては2009年10月5日の本雑記で少しだけ書いたが,三河弁の語尾の特徴でもある「じゃんだらりん」をはじめとして,おもに西日本の共通の語尾である「・・・している」が「しとる」に,「・・・していた」が「しとった」に変化する.また,「居る(いる)」は三河では「おる」になる.「いけない」は「いかん」になる(三河では「あかん」とはならない).これらは東京圏や東北では(私の経験した限りでは)日常的に使わない語尾である.

 三河弁は感じとしてかなりやわらかい語調である.自転車に乗った小さい子に,親が交叉点手前で「止まれ〜!」と(東京圏では)言うシーンで,「止まりん!」と言っていたのには当初,猛烈に違和感があった.

 「そんなわけで」とか「んなわけで」と言うようなシーンでは,三河の人はほぼ決まって「だもんで」と言って話題を繋げてしゃべる.

 言葉はやわらかいが,自動車の運転は荒い(と作者は思う).茨城県以降,岩手県,新潟県と雪国に暮らしていたため,冬の凍結,積雪路面では相当慎重に,ゆっくりと運転しないことには事故が怖い地方である.恐らくこういった地域では概して自動車の運転はおだやかになる傾向があると思う.

 ところが,愛知県の山間部はともかく,ほとんどの地域では冬でもノーマルタイヤ(という言い方がすでに雪国思考である)でまったく問題がない土地柄であり,交通量自体も岩手や新潟とは比較にならないほど多い.ゆっくりと譲り合っていたのではいつまで経っても交叉点を進めない部分もあろう.岩手・新潟の交通感覚からすると,荒くて譲り合いが少なくて,強引な印象がぬぐえない(もっとこれが顕著な都市,地域はあるかとは思うが).

 ところで中京圏出身者というのはほぼ例外なく,中日ドラゴンズのファン,それもかなり熱烈なファンではないだろうか.私が岩手や新潟で知り合った中京圏出身者は全員と言っていいほどドラゴンズの熱烈なファンだった.特にJリーグでは地域密着を謳って活動をしてきたが,プロ野球に関してはそれほど地域密着が進んでいたわけではない.2000年頃までは,テレビのプロ野球=ジャイアンツという,意味不明の状態がまかり通っていた.少なくとも2003年までの東北や北海道ではプロ野球ファン=ジャイアンツファンというのが当たり前で,それ以外のチームを応援する人は,何か「特殊な事情」を抱えているような目で見られていた(気がする).

  そんな中で,中京圏の人は(やはり一部の例外を除いて)猛烈なドラゴンズファンなのだ.名古屋球場(ナゴヤドーム)がある(近い)から,という理由だけではないことは中京圏に居住すれば分かってしまう.中京圏(愛知・岐阜・三重の三県)は人口規模,面積規模,商業規模として非常に適度な大きさにまとまっており,地域色を出しやすい圏域となっているからだろう.

 このページの写真は作者が豊橋へ引っ越した直後の2009年4月28日に近所の豊橋市民球場で行われたドラゴンズvs.スワローズの公式戦を観戦した時のもの.作者がはじめて観に行ったプロ野球公式戦が明治神宮球場(東京都新宿区)のスワローズ戦だったことや,はじめて球場で観戦した日本シリーズも神宮球場でのスワローズvs.ライオンズだったということもあって,スワローズは思い入れの深い球団ということもあり,当日はスワローズを応援しに行ったのだが,周囲のほぼ全ての観戦者はドラゴンズを応援,聞こえてくるしゃべり声はもちろん三河弁である.スワローズを応援しているのはレフト側外野席の,写真の応援旗を振るほんの一角くらいで,一塁側も三塁側も関係なく,「観客の98%はドラゴンズファン」という状態で,豊橋へ引っ越してきたばかりの作者に強烈な「中京文化圏」を思い知らされた球場風景だった.

 愛知県は野球熱そのものも盛んで,非常に多くのプロ野球選手を輩出している.岩手や新潟でも野球が好きな人は大勢いるが,野球が文化として定着しているかどうかという点では愛知県はそれが非常に高いと思う.それも多くのドラゴンズファンを生み出している大きな要因だろう.ちなみに作者は千葉県出身という「特殊な事情」を抱えていることもあり,千葉ロッテ・マリーンズの大ファンである.このサイトにもマリーンズの公式戦観戦と絡めて旅行した際の写真や,クライマックス・シリーズ(プレーオフ)や日本シリーズでの「遠征」で撮影した写真等がいくつか入っている.(2011年5月21日記述,5月22日加筆修正)



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