TOP更新情報カテゴリ路線別列車別鉄道サウンド切符リンク集岩手県の魅力当サイトについて撮影機材

アビエス・リサーチ制作雑記

最近読んだ鉄道関係書籍ベスト3(その1)

(2012年7月7日作成、2012年7月7日最終更新)

「アビエス・リサーチ制作雑記」へ戻る


 近所の図書館で鉄道関係書籍をかなりの冊数借りて読んできた.そもそも鉄道関係の書籍は他のホビー関係の書籍と比べてもさまざまな種類の本が出版されている気がする.恐らく,鉄道好きの人というのは,細々とした情報を収集することも好きで,活字というか,文章を読んだり写真を眺めたりするのも好きな人が多いのであろう.

 作者がここ1年間ほどに読んだ中で特におもしろかった書籍を3冊挙げたい.まず1冊目は(すでに発行から5年ほど経っていますが),山下貴久雄著「新・鉄道模型考古学N」,株式会社ネコ・パブリッシング,2007.

 これは月刊「RM MODELS」に連載された「新・鉄道模型考古学N」の再録(一部改訂,追記)本です.1995年に「RM MODELS」誌が発刊されるまでは「Rail Magazine」誌に鉄道模型のページを挿入しており,「Rail Magazine」誌には「鉄道模型考古学N」も連載されていましたが,当時の作者としては車両の細かいディテールや箱,パッケージのちょっとした違いを取り上げ,あーだこーだ言っているこの連載がまったく気に入らず,「Rail Magazine」誌を購入するにも作者にとっては「余計」感が拭えなかった模型記事を「抱き合わせ」的に買わされていた感情もあり,「鉄道模型考古学N」の連載にはまったくと言っていいほど目を通しませんでした.

 「Rail Magazine」の鉄道模型関連記事は,後に「RM MODELS」誌として分離・独立したことから,「Rail Magazine」に鉄道模型の記事はほぼ皆無となりました.このことは,作者にとっては非常にありがたい措置でした.「RM MODELS」誌は全くと言っていいほど読まず,購入したことは一度もありませんでした.そのため,「鉄道模型考古学N」の連載が終了し,執筆者も新たに変わって「新・鉄道模型考古学N」がスタートしたことなど知りもしませんでした.そのような状態でたまたま図書館にあった「新・鉄道模型考古学N」を借りて熟読したところ,これがとんでもなく面白く,食い入るように読んでしまいました.

 まず,巻頭グラフ「写真で見る考古学」と題された103系,583系や24系客車模型の羅列写真は圧巻です.これは「RM MODELS」誌にはなかった企画(ページ)のようですが,時代,メーカーによるディテールの追及,こだわりは激しく違います.模型写真を見ているだけでも違いは分かるのに,文章ではさらに深い追求がなされており,部品の構造や色合いの違いなどがこと細かく,丹念に記述されています.

 メーカーが模型化するにあたり,何系のいつ製造されたグループをプロトタイプとしたかという考察や,プロトタイプとの矛盾点の指摘などは,本物の車両の遍歴を知る上でも見逃せない知見が豊富に記述されています.模型の撮影やページレイアウトなども非常に丁寧,緻密です.編集段階での雑な感じがまったくなく,気持ちよく読み進められます.

 なお,「鉄道考古学N」「新・鉄道考古学N 2」は近所の図書館にないこともあり,作者はまったく読んでいません.機会があれば是非読んでみたいのですが,Rail Magazine誌でいくつか連載を見ていた「鉄道考古学N」(松本吉之著)に関してはあまり期待はしていません.

 「新・鉄道模型考古学N」がおもしろいと感じたのは,Nゲージ模型の歴史が比較的浅く,本書副題に「1960年代〜2000年代 日本型Nゲージ電車・気動車・客車の製品史」とあるように,紹介されている車両のほとんどが実際に見たり乗ったりしたものばかりです.

 作者が千葉県に住んでいた小学1年生の時,同級生の家で見たNゲージの24系客車編成が走る情景が現在まで続く鉄道趣味の原点の一つだった気もします.そのようなことも,本書のインパクトが大きい一因かもしれません.

2008年9月12日 北陸本線・直江津駅

 本書を読んでいて実車はどうだったか,と考え直したことは,「国鉄電車編15・581,583系part2」の記事の中にある「トミックスの旧製品(中略),初期製品特有の青味が強い窓ガラスを装備」という箇所(p80)で,そういえば583系実車の側面を見ると,窓ガラスが深い青色をしていたような気がする,ということでした.

 右の写真は583系特急型電車改造の419系(モハ418-14)です.側窓の一部は開閉可能なものに改造された他,オリジナルの側窓もベネシアンブラインドをやめ,二重だった固定窓を一重としてカーテンを取り付けてあります.これら「一重窓化」によって,ガラスの青味が失われたのかもしれませんし,そもそも側窓のガラスが青色がかっていた,という記憶自体が間違っているのかもしれません.

 あるいは,オリジナルのシートモケットが青色系で,撮影時の419系のシートは茶色系になっていたことも関係するのかもしれません.同様に一重窓化され,シートも青色モケットではなくなった急行「きたぐに」の2000年代頃の583系も側窓が「青色」と感じたことは一度もありませんでした.

 ここまで,「新・鉄道模型考古学N」の記述が長々になってしまったので,ベスト3の残り2冊は改めて掲載します.(2012年7月7日記述)



 ページの先頭へ戻る

アビエスリサーチ トップへ戻る

inserted by FC2 system