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アビエス・リサーチ制作雑記

原鉄道模型博物館に行ってきました

(2012年8月31日作成)

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横浜駅東口地下街 2012年8月25日

 2012年7月,横浜に「原鉄道模型博物館」が開館しました.1919年に東京で生まれた原信太郎(のぶたろう)氏が製作,収集した鉄道模型を中心に展示してあります.作者は8月下旬に横浜へ行く用があったついでに当博物館に寄ってきました.

 「日本の鉄道模型=NかHOで,日本国内の鉄道の車両」という固定観念が抜けない作者としては,展示車両のほとんどがO(1番)ゲージで,欧米の車両中心の展示にいろいろな意味で新鮮味を感じました.

 原氏は小学5年生時(昭和5年=1930年),当時は極めて珍しかったであろうカメラを携え,東京から単身,阪神方面への鉄道旅行へ行っていること等からも想像できますが,もの凄く裕福な家庭に育ったようです.当博物館は金持ちの道楽のコレクションが展示してあるだけと言ってしまえばそれまでですが,博物学というのは得てしてそういうものかもしれません.ただ,そういった観点だけでは片付けられない,原氏の鉄道に対する情熱と,とんでもないほどの探究心が感じられる展示品でした.

 当博物館の一番のみどころはやはり1番ゲージの巨大レイアウトかと思います.架線集電しながら鉄製レール上でジョイント音を刻みながら走行する鉄道模型は本当に斬新でした.通常の(1番ゲージ以下の)鉄道模型では機構に組み込まれない台車の揺動(本物と同様のサスペンション機構等による),惰力走行なども実際に見ることができます.

 模型以外では主に海外で撮影した16ミリフィルム等の映像は貴重と思われます.鉄道,それも模型好きならではの視点で撮影した各種機構や床下機器,稼動部をしつこいまでに撮影した構図はじっくりと見ておきたかったです.ヴィンテージコレクションルームに展示してあった「1番きっぷ」(新規開通区間等の券番1番のきっぷ)にしてもそうですが,記録を残すことに対する執念と,なによりも一般のサラリーマンには考えられない,資金面での「余裕」を感じます.

 1番ゲージ以外に,横浜駅や桜木町駅をテーマとしたHOゲージのレイアウトもありますが,原氏のコレクションとの関連性はあまりなさそうです.ただ,日本の風景,日本の車両が走る姿はなにかしらの「安心感」のようなものがありました.京浜東北色の209系も走行していましたが,「あ!京浜東北!」と声を上げる子供がいるかと思えば,「根岸線だわ.」というおばちゃんもおり,これを京浜東北と捉えるか,根岸線と捉えるかは居住沿線によるものと思います(因みに作者は「京浜東北」と捉えます).また,209系を見て,「古い京浜東北の電車」と言っていた子供がいたのには驚きました.作者の感覚からすれば,古い京浜東北は103系であって,209系は最近まで走っていた「新しい京浜東北」なのですが...

 日本でNやHOが普及している大きな理由として,住宅事情もあるかと思います.不思議なもので,NやHOより1番ゲージの方がより本物のスケールに近く,「精密度」が増しているはずなのに,作者にはむしろ「大味」に見えてしまいました.また,NやHOの鉄道模型には独特の「かわいらしさ」を含んでいるものの,1番ゲージではより本物に近いことで,この「かわいらしさ」が損なわれている気もしました.1番ゲージのレイアウトはリアルと言えばリアルですが,やはり模型ではなく本物,それも現役の鉄道を見るのがやはり一番だと再認識しました.

 写真は横浜駅東口の地下街入口に掲げられていた同博物館の広告(案内表示)です.博物館内は撮影禁止でしたので,この写真を掲載します.博物館は横浜駅から近く,交通の便は大変に良いです.(2012年8月31日記述)



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