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アビエス・リサーチ制作雑記

鉄道模型内の時間

(2012年9月21日作成)

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鉄道博物館(大宮市) 2009年4月22日

 先月,原鉄道模型博物館(横浜市)で0番ゲージのリアルなレイアウト(ジオラマ)を眺めました.昨年(2011年)にはリニア・鉄道館(名古屋市)で巨大なHOゲージのレイアウトを,2009年には鉄道博物館(大宮市)の広大なNゲージレイアウトを見たことを思い出しながら,原鉄道模型博物館の0番ゲージレイアウトを見ていた時,ふとレイアウト内における列車速度について考えてしまいました.

 例えば0番ゲージ(Oゲージ)で縮尺1/45とした場合,実際の世界(1/1スケール)において(時速)90km/hで走行する列車を模型化してレイアウト内で走行させる場合,90/45=2km/hで走行すれば,模型のスケールと合致します(分速約33.3m,秒速約0.55m).

 つまり,模型では実物の速度より,スケールの分だけスピードが遅くてかまわないことになります.以下,Nゲージ(1/150スケール)の場合について考えてみます.

 Nゲージの場合,(時速)90km/hで走行する列車は0.6km/h,つまり時速600m(秒速約16.7cm)で走行すればスケールと合致します.模型の実速度というのはすごく「遅い」ことになります.

 もし,模型の中に同スケールの人間が乗っていた場合,車内の人間が感じる「時間」も列車速度同様,遅くなるのでしょうか?例えば,スケール1/150の場合,時間は150倍ゆっくり流れるのか?というと,そうではありません.模型も実世界も,流れている時間はまったく同じです.模型の中の人間が前述の「時速600m」の列車の車窓から見る風景(厳密に1/150で製作したレイアウト内の建物など)は,実世界の時速90kmとまったく同一に流れ,過ぎ去って行きます.

 模型の車両の移動速度は現実世界よりも遅くていいのですが,車輪の回転数や蒸気機関車のシリンダ往復運動のストローク数は,忠実なスケールモデルという概念からすると,現実世界と「まったく同一」でなければなりません.

 ところで,鉛直方向の自然落下運動については,模型と現実世界では異なるものでなければなりません.現実世界では,空気抵抗等を考慮しなければ,自然落下(自由落下運動)での落下地点からの時間(s:秒)と距離(m)の関係は,1/2×9.8×s2(自由落下させた1秒後に4.9m鉛直方向に落ち,2秒後に落下地点から19.6m落ち,3秒後に落下地点から44.1m落ち,・・・)となります.この公式は物の形や重量に左右されません.

 1/150の模型の世界であっても,地球上に模型が設置されていて,前述のように空気抵抗等を考慮しないのであれば,自然落下の時間と距離の関係は現実世界と同一になってしまいます.例えば「現実世界」の東京スカイツリー第2展望台(450m)から物を自由落下させた場合,地面に到達するまでの時間は約9.58秒後です(作者の計算が正しければ).もし,1/150のレイアウト内に東京スカイツリーの模型があって,その第2展望台(高さ450/150=3m)から物を落とした場合,模型の地面に到達するまでの時間は約0.78秒後です(作者の計算が正しければ).

 模型の世界では重力加速度を「調整」しない限り,スケールモデル内での理想の自由落下運動をしてくれません(作者の計算では1/150スケールの場合の重力加速度は約0.065と出ました).

 自由落下運動と同様の運動として,例えば模型の中に本物の水を流したような場合,本物の川と同じ傾斜で「レイアウトの川」を作っても,模型の世界では水の流れが速すぎることになります.

 「音速の物体」も現実世界とは異なります.例えば,Nゲージのレイアウト内でマッハ1で飛行する飛行機を表現する場合,音速(約340m/s)の1/150の速度,つまり約2.27m/sで飛行する模型飛行機を飛ばせば良いのですが,実際には「音速」になっていないため,衝撃波は発生してくれません.

 他に,光の強さ(例えばヘッドライトの明るさ)などはどうなるのでしょうか.Nゲージの場合,現実世界のヘッドライト(つまり,本物の車両のヘッドライト)の明るさの1/150の明るさが忠実なスケールなのでしょうか?(あるいはヘッドライトの光は「面」から出ている光なので,スケールの2乗分の1(1/150スケールであれば1/22,500の光の強さ)という考えになるのでしょうか?).

 また,例えば快晴時の模型に当たる太陽光の強さは,1/150スケールの場合は現実世界の1/150の強さの太陽光が当たればいいのでしょうか?これは恐らく1/150スケールも,太陽からの距離などは現実世界と同じなので,忠実なスケールという概念からすると,現実世界と同じ強さの太陽光を当てねばならないと思われます.

 光の概念が出て来たので,光の速度について考えてみます.Nゲージでの列車の速度は忠実なNゲージスケールモデルの場合,実世界の速度の1/150です.となると,Nゲージの世界の光の速度も1/150になるのかと言うと,「光速度不変の法則」より,光の速度に関しては現実世界と同一になるかと思います.(2012年9月21日記述)



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