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アビエス・リサーチ制作雑記

国鉄の民営化,郵便局の民営化

(2014年3月27日作成)

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郵便局(愛知県内) 2014年3月27日

 国営だった郵政三事業が日本郵政公社に公社化されたのが2003年,その公社が日本郵政株式会社として民営化されたのが2007年でした.但し,民営化とは言っても関連株は100%政府保有であり,実態は民間企業ではありません.

 一方,日本国有鉄道(国鉄)が民営化したのが1987年,本州3社の完全民営化(全株式の売却)が2006年でした.郵政と国鉄との簡単な比較はできませんが,違いを挙げると,時期(時代背景),負債総額,民営化の必要性の内容,民営化に当たっての営業地域「分割」の有無など,相当多くあります.

 JRが駅窓口等の営業部門の無人化,外部委託化を強力に推し進めているのに対し,郵便局では営業担当(窓口担当)職員の非正規社員化はあるようですが,無人化などが強力に進んでいるという印象は現在のところありません.

 JRの窓口(出札窓口)は,その数そのものを極力減らし,営業時間(出札が開いている時間)も極力短くしようとしていること,旅客1人あたりに対応する時間(接客時間)を極力減らそうという意図を強く感じます.

 窓口数や営業時間を少なくすれば,職員の人件費を抑えられますし,機械や照明を稼働させる電気代,出札ブースの空調電気代などコストに直結する要素はどんどん減ります.

 郵便局へ行くと,少なくとも窓口での客1人あたりの対応時間を減らそうという意図はあまり感じません.例えば,ゆうパックには「同一あて先割引」というのがあります.これはゆうパックの差出日から1年以内に差し出された同一あて先のゆうパックラベル控えがある場合,ゆうパック1個につき50円割引するというものです.

 この割引を利用したことがある人は分かると思いますが,窓口の職員は差し出すゆうパックラベル右上の「同一あて先割引用お問合せ番号」欄に12ケタに及ぶ「1年以内に差し出された同一あて先のゆうパックラベルお問合せ番号」を手書きで記入し,「1年以内に差し出された同一あて先のゆうパックラベル」左側にある「同一あて先割引使用済」箇所に局のスタンプを押さねばなりません.

 1年以内に差し出した同一あて先のゆうパックラベルのみを職員が確認し,割引とすればいいだけのことと思いますが,職員の不正防止のため?なのか,このような面倒なことになっています.

 郵便窓口での割引等の認定手続きが煩雑なのは,第三種郵便の低廉料金を悪用した障害者郵便制度悪用事件といった不正防止からも必要な措置かもしれません.

 第三種郵便は定期刊行物のうち,認可を受けたものについては郵送料が低料金となるものです.前述の障害者郵便制度悪用事件では第三種のなかでも特に低料金となっている心身障がい者向け郵便物料金を虚偽に,大規模に悪用したものでした.

 この事件を受けてか,「月刊むし」という第三種郵便の認可を受けた月刊誌の編集宛に,郵便局側から監査の書類が来たそうです.「月刊むし」誌は定期購読会員への月刊誌送付がほとんどのようで,書店への陳列はあまりないようです(作者の近隣では豊川市中央図書館が定期購読しており,閲覧等可能).

 その2010年3月号(469号)の編集後記には,当誌が40年近く第三種郵便物の制度を利用して割安に送っており,かつては定期的に第三種の基準を満たしているかどうかの書類が来ていたとあります.しかし,そのうち形骸化したためか監査書類はほとんど来なくなったものの,「障害者郵便制度悪用事件」を受けてか,突然監査の書類が来たそうです.

 そのため,郵便局側に関係書類を提出したところ,これではダメと言われ,第三種を継続するにはとても出来そうにない無理難題を言われたことから,結局は第三種郵便をやめ,宅配便(クロネコメール便)に切り替えたとのことです.

 さらに郵便局からは「第三種をやめるなら届け出て欲しい」と言われ,それに関して届いた書類が「廃刊届」だったそうです.郵便局サイドは「自分たちに落ち度はない,お客の都合でこうなった」という建前のために書類が必要だったようですが,本を作っている相手に対してあまりにも無神経なやり方,と編集後記で記述されています.さすがに作者も同情というか,こんな態度を取る郵便局側に対して腹が立ちます.

 日本郵政株式会社は2015年春に株式上場を目指しているそうです.しかし,本当に上場企業になりたいのか,本気度というか,姿勢が少なくとも作者にはよく分かりません.

 2014年3月27日の毎日新聞(名古屋本部版1面)には「郵政3社顧問24人 −年間報酬2億3000万円」の見出しがありました.平均年収900万円クラスの顧問が24人もいる会社がどんな上場企業になるのか,ある意味注目しています.(2014年3月27日記述)



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