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アビエス・リサーチ制作雑記

愛知県豊田市の旧国道153号線伊世賀美隧道

(2014年10月6日作成,2014年10月6日最終更新)

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 愛知県名古屋市と長野県塩尻市との間は鉄道では中央本線(いわゆる中央西線)で木曽谷を通過することになるが,道路では木曽谷を通る国道19号線以外に,愛知県豊田市,旧稲武町,長野県飯田市,伊那市などを通過する国道153号のルートもある.鉄道で言うと,名鉄三河線(猿投以北の廃止,未成線含む),国鉄中津川線(未成線)の一部,JR飯田線の一部区間ということになる.

 名古屋市側から見て,足助町(名鉄三河線未成線の終点)から約12km北東の位置に,伊勢神峠という峠越えをする区間があり,2014年現在は伊勢神トンネル(1,245m)で貫いているが,このトンネルが1960年に完成する以前は旧道の線伊世賀美(いせがみ)隧道(308m)で峠越えを行っていた.

 この旧道の伊世賀美隧道の探索を行ってきたので紹介したい.

伊世賀美隧道(名古屋方坑口) 2014年8月29日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 上の写真はその伊世賀美隧道の名古屋方坑口.この隧道は心霊スポットとしても有名らしいが,まず重厚な石積のポータルに目を奪われる.竣工は1897年(明治30年)と古く,この道路が当時はいかに重要な交易等のルートだったかが分かる.

伊世賀美隧道(名古屋方坑口) 2014年8月29日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 名古屋方坑口をほぼ正面から撮影.ほぼ直線の隧道であり,反対側の坑口も見える.ポータルの重厚な石積に比べ,高さ制限は道路標識によると2.2m,幅員は3m強しかないらしい.

伊世賀美隧道(トンネル内部) 2014年8月29日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 トンネル内部も石積.砂利敷のように見えるが,舗装はされていた.この写真は奥が名古屋方になる.トンネル内照明はなかった.

伊世賀美隧道 2014年8月29日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 トンネル内より飯田方出口を撮影.森林軌道のトンネルなどに比べて断面は大きいのだが,幅に比してとにかく高さがない.

伊世賀美隧道 2014年8月29日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 飯田方坑口.スギ林に囲まれており,昼でも薄暗く,水銀灯が点いていた.

伊世賀美隧道 2014年8月29日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 飯田方坑口.トンネル入り口までの切通し部両側も石積で,そこに生えた草やコケが歴史的建造物の重厚さを増している.

伊世賀美隧道 2014年8月29日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 飯田方坑口上部の扁額.右から「伊世賀美」と刻んである.

旧国道153号 2014年8月29日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 現在の伊勢神トンネル飯田方坑口付近から旧道(伊世賀美隧道)への入口付近を撮影.大型・大特通行止め標識があるが,これもかなり苔むしている.

伊勢神トンネル 2014年8月29日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 現在の伊勢神トンネル飯田方坑口.このトンネルの開通は1960年(昭和35年)とこれも比較的古く,高さ制限は3.5mしかない.幅員も6.5mとのことで,伊勢神トンネル内を自動車で走行していてもかなり圧迫感がある.現在の目線からするとこの狭い伊勢神トンネルも,開通当初は有料道路として供用されたという(1971年から無料開放).2014年現在,このトンネルの断面の小ささや前後の線形が悪いことから,新たなバイパスが計画されている.つまり,伊勢神峠を越えるトンネルとしては3つ目が計画されている.(2014年10月6日記述)



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