点線国道152号・程野〜地蔵峠（長野県）

　いわゆる「車道」状になっておらず，自動車は通行不可能であり，登山道状態になっているものの国道指定されている道は点線国道と呼ばれたりする．長野県も点線国道の宝庫だが，そのうちの一つ，国道152号の程野（飯田市・旧上村）〜地蔵峠（下伊那郡大鹿村）間を踏査してきたので紹介する．

　冬期通行止めのゲートは地形図に「日影岩」と書いてある付近に設置されていた．標高は約1,050m．なお，この付近まで自家用車で入ったが，スタッドレスタイヤを装着した作者のFF車では登坂が厳しかったことから途中でタイヤチェーンを巻いて上がってきている．

　ゲートからも1kmほどは自動車道然とした道が続く．

　上村川本流にある堰堤の天端へ急勾配で道路が乗り越すと堆砂敷に出るが，ここで突如「自動車道」は終了，完全な山道へと移行する．標高約1,140m地点．

　当日は新雪がかなりあり，登山道となった「国道」が判然としない．ところどころに赤布の目印があり，それも参考に上部へ上がる．

　朽ちかけた桟橋状のものもあるが，通過にはまったく問題ない．それよりもいくつか横切る小沢が氾濫で荒れていたりしており，その通過やルートファインディングに難儀する．

　登山道というより沢登りのような感じである．ここも「国道」である．

　国道のルートから外れた山腹には地すべり調査の計測器と思われるものがいくつかあった．写真のものは水位計と思われる（地すべりのすべり面にある地下水位を計測するためのもの）．

　地蔵峠へ至る蛇洞林道脇にあった地質についてのボード．「現在地」が中央構造線の真上であることが分かる．

　地蔵峠（標高約1,290m）．写真奥が大鹿村方になる．撮影立ち位置は国道152号ではなく，蛇洞林道であり，国道は写真の矢印である．峠より写真右の大鹿村側は自動車道だが，この峠を境に飯田市（旧上村）側はいきなり山道（いわゆる点線国道）になる．

　飯田市（旧上村）側の点線国道の状況．峠付近は特に傾斜がきつい．

　地蔵峠から大鹿村側を見た写真．冬季通行止めだが，積雪にうっすらと轍はあったが，ここ数日は自動車は通っていないようである．

　なお，踏査を行った冬期は地蔵峠付近の道路は通行止めであり，積雪状況によっては完全な冬山装備が必要となってくる．また，2015年11月の無雪期に再度，程野〜地蔵峠間を踏査した写真も当サイトで紹介したので併せて閲覧いただきたい．