(2015年10月27日作成,2015年10月27日最終更新)
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いわゆる「車道」状になっておらず,自動車は通行不可能であり,登山道状態になっているものの国道指定されている道は点線国道と呼ばれたりする.長野県も点線国道の宝庫だが,そのうちの一つ,国道152号の小嵐(長野県飯田市・旧南信濃村)〜青崩峠(静岡県浜松市・旧水窪町)間を踏査してきたので紹介する.
青崩峠の北側(長野県側)にある小嵐集落側から順に写真を紹介する.国土地理院地図では小嵐川沿いに標高を上げた国道152号は登山道化するところで国道の赤色は途切れる.このため,地図上からは青崩峠を越える登山道が「国道152号」なのか判然としない.
小嵐集落の北側,ヒョー越への道路との分岐点.2015年現在,旧南信濃村と旧水窪町とを結ぶ自動車道は青崩峠北東側のヒョー越(地形図では兵越峠と記載されている)が唯一の道路である.写真右が和田集落(いわゆる遠山郷)方面,写真左へヒョー越への道路となり,写真奥は青崩峠への国道である.なお,小嵐川沿いに三遠南信道路の青崩峠のほぼ下を通る青崩峠道路が建設中であり,その工事車両などが通行できるように仮設の橋が渡してあった.写真上の緑色矢印は国道152号の線形を表している.
前掲写真とほぼ同じ撮影位置から小嵐川を見下ろした写真.青崩峠道路が建設中であり,将来的にはこの区間の点線国道は解消されることになる.
前掲写真付近の斜面に設置された地すべりによる地表のずれを観測する装置.
地すべり防止のための集水井.鉛直に掘った井戸からさらに横方向へボーリング(横孔)を通して水抜きをする.
集水井は国土交通省管轄で設置されたものらしい.奥のガードレールはヒョー越への道路のもの.
国道152号からヒョー越への道路の分岐点を青崩峠側から撮影したもの.確かに国道標識が立っている.写真左が和田集落方面,奥がヒョー越,手前側が青崩峠方面になる.
小嵐川沿いの地盤は相当に脆いようで,山腹の崩壊地を縫うように国道(左下の細い道)が付けられている.
前掲の崩壊山腹.
国道とは言うものの一般車両は通行禁止であり,路面にはスギ等の落ち葉が厚く積もっていた.
電話線?に倒木が懸っていた.このラインは現在は使われていないようである.
路肩の崩壊も発生.
沢を横切る箇所では巨岩が流れ着いていた.これでも国道である.
国道であるはずだが,道路脇の看板には「この道路は,治山工事の資材運搬専用路です.関係者以外の,使用は御遠慮下さい 長野営林局 飯田営林署」と書いてあった.
国道脇にあった飯田営林署の他の地図を見ると,この道路は「国道一五二号」とあり,やはり国道のようである.
道路の「終点」近くにある青崩峠への登山道.
前掲写真の地点から50mほど行くと道路は「終点」になる.広い回転場のようなスペースと治山事業PRを兼ねた看板が立っている.また,小嵐川に多くの渓間工(治山ダム)が建設されていた.
青崩峠への山道を行く.小沢に架かった木橋も崩れていたが,迂回すればいいだけで特に問題はない.
手すりや階段も整備された青崩峠への山道.
ここからの2枚の写真は2011年5月に青崩峠を訪れた際のものになる.標高1,082mの青崩峠.長野・静岡県境である.
青崩峠の南側(静岡県側)の歩道.いわゆる「塩の道」の一部でもあり,古くから街道として人,牛,馬などの往来があったものと思われる.石畳で整備された箇所もあった.
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