点線国道152号・程野〜地蔵峠（長野県）第2回目踏査

　いわゆる「車道」状になっておらず，自動車は通行不可能であり，登山道状態になっているものの国道指定されている道は点線国道と呼ばれたりする．長野県も点線国道の宝庫だが，そのうちの一つ，国道152号の程野（飯田市・旧上村）〜地蔵峠（下伊那郡大鹿村）間を再踏査してきたので紹介する．

　本区間は2014年12月30日に一度歩いており，この「制作雑記」で紹介したが，無雪期に再度歩いてきたので紹介する．前回踏査した際は積雪があり，国道（登山道）の状況が分かりにくかったが，今回は地表の状況など再確認できた．

　写真は程野IC付近の地蔵峠入口付近．頭上の橋りょうは大平高原・しらびそ峠へ向かう道路．

　前掲写真に写っている道路案内標識の拡大．撮影立ち位置の道路そのものが国道152号で，標識の「152号通行不能」方向が地蔵峠へ向かう国道，左へU字に曲がって「大鹿・しらびそ高原」と表記されている道路は国道ではなくなる．つまり，国道に対しては通行止め標識と通行不能という情報が表示されていることになる．

　前回の訪問（2014年12月30日）で通行止めのゲートがあった箇所．前掲写真の約2.5km北側，ロードマップ上の地名でいうと「日影岩」という地点になる．

　この先，自動車国道としては行き止まりになるのだが，路盤はコンクリートで補修され，きちんと手入れされていることが分かった．

　自動車道としての終点近くになると道路は未舗装であった．

　自動車道路の終点である治山ダムの堆砂敷．「山火事用心」の旗，「程野山国有林」「南信森林管理署」の立て看板が立つ．なお，治山ダムのため，管轄は林野庁である（砂防ダムは国土交通省管轄）．

　自動車道が終わり，登山道状になってしばらく行くと次の治山ダムが現れる．積雪時は道が分からず，右岸（写真左側）を詰めたが，道はここで左岸に渉っていた．矢印は登山道状の箇所に重ねてある．

　治山ダムは表面が一部削れ落ち，中の骨材が剥き出しになっていた．建設当時は生コン使用量を抑えるためか，玉石がいくつも込められているのが見える．

　崩壊により，もっとも登山道の形状が見つけにくい箇所．「国道」には目印としてピンク色のリボンが下がっているのだが，国道以外の箇所にもリボンがあり，極めて分かりにくい．この区間はもっとも大きな沢を左手に見ながら上がれば確実である．

　途中，沢が広くなった箇所を詰める．伏流水になっており，沢は涸れている．

　秋の落ち葉を踏みしめながら「国道」を辿る．

　沢から離れていく箇所．2万5千分の1地形図に記載されている道のトレースと実際の道の位置は異なっている．あくまで「現地優先」で辿ることが必要になる．

　上部に道路のガードレールが見える．この斜面を上がれば地蔵峠である．

　地蔵峠．矢印が国道152号の線形で，撮影立ち位置の道路は蛇洞林道ということになる．写真左が程野方面，右が大鹿村方面．

　地蔵峠から蛇洞林道を見る．写真奥へ行くと大平高原を経て当ページの冒頭写真の箇所に出ることになる．

　地蔵峠より大鹿村方面を見た構図．影になって見づらいが，国道152号の標識が立っている．程野〜地蔵峠間は自動車道としては不通だが，程野から蛇洞林道を経由すれば自動車で地蔵峠越えは可能である（但し冬季通行止め）．