旧中津川小学校（盛岡市）

　JR山田線浅岸駅周辺は，作者がはじめて訪れた1993年当時から廃屋しかなく，人が常に住んでいる家まで1kmほど離れていた．しかし，かつて浅岸駅周辺にも多くの人が暮らしており，駅のすぐ近くには小学校もあった．

　写真は旧中津川小学校の校舎で，1973年に閉校したらしい．開校が1957年，恐らく木材需要が高まり，林業に従事していた人が多く暮らしていた時代なのだと思うが，小学校は16年で閉校したことになる．

　訪問した際にはかつての校庭を使って木材の集積が行われていた．

　新たに岩手県盛岡地方振興局が設置した雨量計や積雪深計．無人でデータの採取と無線による送信が出来る施設のようである．

　校庭の隅にある朽ちたブランコとジャングルジム．

　校舎とは別棟になっている体育館．左はトイレ，そして右に給食室がある．

　小学校から見たJR山田線浅岸駅．右が待合室で，柵の付いたホームと白い駅名標，左の建物は盛岡第二信号通信支区配線室（無人施設）が見えている．小学校と駅の間には「中津川」が流れているが，川というより，「渓流」である．渓流のせせらぎを聴きながら，四季の移り変わりを感じて，そして教室からは勾配を登る急行列車のディーゼルエンジンの唸りを聞いたり，スイッチバックする普通列車，貨物列車を毎日見ることができた．．．と考えると，鉄道好き，山好きにとっては別天地というか，お伽の国のような小学校である．

　浅岸駅ホームから見た旧中津川小学校．左の建物は体育館である．