磐越西線喜多方と熱塩を結んでいた国鉄日中線は,1984年に廃止となった.終点の熱塩には欧風建築の木造駅舎が建っており,廃止間際には駅舎がすさまじく荒廃していたというが,廃止後の1987年に大幅な整備を受け,2008年現在も駅舎は保存されている.屋根の断面がホーム側へ行くにしたがってなだらかな弧を描いており,ヨーロッパの古城のようである.
写真は旧線路敷から日中線の終点方向を見たところ.ホームは1面で,日中線の定期列車は廃止時まですべて客車列車で運転されていたため,この駅に到着した列車は機関車を切り離し,写真奥にあった突っ込み線へ入って,写真左側に敷設されていた転線用の機回し線を通って手前側まで来て,再び客車と連結をする,いわゆる釜回しが行われていた.レールこそなくなったが,現在もこの広い構内を見ると,日中線現役当時の情景を想像することができる.
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