吉田駅にはホームが3面ある.1番線は駅舎と1線,2-3番線は島式,4番線も島式だが,撮影当時の2001年は駅舎から遠い5番線に相当する部分は留置線となっており,旅客の乗降には使われていないため,「5番線」は名乗っていなかった.ところが,2005年12月から5番線からも列車の発着が出現し,「5番線」を新たに標記追加することになった.
特に列車本数が増加したわけでもないのに,発着番線を増加することは現在では極めて稀な事例であるが,恐らく留置車両を他の番線に転線してから客扱いするよりも,留置していた車両をその線から直接発着させる方が効率がいい,ということだと思われる.実際,5番線の旅客使用開始時期は弥彦線吉田〜弥彦間のスタフ閉塞を廃止した時期と重なることから,信号機の整備と共に5番線からの旅客発着も併せて工事したものと思われる.
ところで,写真のように跨線橋の床面にはしつこいほどに通行方向を整理する矢印が描かれ,天井からは道路標識のサインを流用した通行方向を整理する札が下がっているわけだが,これは特に朝7時40分頃一斉に展開する柏崎,東三条,新潟,弥彦の各方面からめいめいの方向へ乗換をする旅客の流動を整理するためのものであり,この時間帯の列車発着&乗換風景は,地方都市の朝の通勤・通学風景の縮図のような活気が展開する極めて興味深い鉄道風景である.
|