中里の両隣駅である岩手刈屋と岩手和井内が昭和17年の小本線(=現在の岩泉線)開通時に開業しているのに対し,中里は昭和41年開業と比較的新しい駅である.そのためか,開業時から完全無人駅だったらしく,片面ホームに待合室があるだけの簡素な駅である. 写真の687Dは中里6:42発で,この列車を逃すと宮古方面へは2時間ほど列車がないため,通学生は完全に遅刻してしまう.その割りにはみんなのんびりと駅にやって来るのが印象的だった.もう5月だと言うのにさすがに岩手では新緑シーズンにも差し掛かっていなかった.中里駅は集落の外れにポツンと存在する静かな駅だったが,この後,国道340号が拡幅のために駅前を通るルートへ変更になってしまい,駅ののどかな雰囲気がすっかり失われてしまった.
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