露出不足で写真が非常に暗いが,男鹿線の脇本〜羽立間には標高こそ海抜40m程度とは言え,峠越えが存在しており,サミットには男鹿線唯一のトンネル「男鹿トンネル」がある.写真は7両編成の1122D(秋田行き)がちょうどトンネルに入ったところ.
作者の母が小学生の頃,秋田市に2年間ほど在住する機会があり,小学校の遠足で男鹿に行ったという.当時は蒸気機関車だったが,乗り物酔いをする母は窓を全開にして乗っていた.秋田からは奥羽本線も男鹿線もずっとトンネルがないため,窓を開けていても問題はなかったが,そろそろ終点だと言う頃にトンネルに入るぞという長い汽笛が鳴ったという.母は急いで窓を閉めようとするが,ガタが来ていたのか,なかなか閉まらず,そのままトンネルに入ってしまい,煤煙が客車内に入ってきてしまったと言う話を聞いたことがある.
作者がはじめて男鹿線に乗った1994年,男鹿線にトンネルなんか一つもないぞ,と思っていたところ,終点が近くなった脇本〜羽立間に確かにトンネルがあり,母のこの話は本当だったんだと改めて実感したことがある.以来,このトンネルを通るたびに母の煤煙話を思い出している.
|