田沢湖線赤渕駅(岩手県)〜田沢湖駅(秋田県)間(営業キロ18.1キロ)は単線であり,途中,2箇所の信号場がある.大地沢信号場は赤渕駅から6.6km地点の岩手県内にあり,列車の行き違い及び待避(追い抜き)が可能な構造になっている.
写真は秋田新幹線となる以前の「狭軌」時代のもので,下り列車(赤渕駅から田沢湖駅へ向かう普通列車)内から撮影した大地沢信号場.写真奥が盛岡方で,信号場には約1両分の長さのホームがあり,JR東日本デザインの「駅名標」が設置されていた.宮脇俊三・原田勝正編著「国鉄全線各駅停車(3)奥羽・羽越400駅」,小学館(1984)の田沢湖駅の記述を読むと,「岩手,秋田の県境にある仙岩トンネルは,延長3915メートル.その前後に信号場が2つある.トンネルの盛岡側が大地沢信号場,大曲川が志度内信号場.どちらの信号場もディーゼルカー1両分の相対式ホームがあり,ホームの上に信号場名を記した標識が立っている.赤渕-田沢湖間の駅間距離が長いため,列車の行違い用に設けられた信号場だが,この信号場で対向列車の通過待ちをする普通列車はドア扱いをする.といっても一般の旅行者がこのような山のなかでおりたとしても道に迷ってしまうであろう.大地沢信号場は深い山のなか,志度内信号場は絶壁に囲まれた渓谷の底にあるからだ」とある.注目は「ドア扱い」していた,ということだが,1992年に乗った普通列車は大地沢信号場に停車はしたものの,ドア扱いは行っていなかった(写真でも側灯は消灯している).(2012年3月24日記述)
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