この列車交換シーンだが,実に渋い.福知山線全線電化の1986年11月に合わせて,国鉄が改造でまかなった113系800番台は,長らく福知山線と山陰本線福知山〜城崎間で活躍していたが,七尾線電化で一部が415系800番台として再改造を受けて福知山所を離れ,残党もワンマン2連の3800番台改造を受けたため,誕生(というか,改造)から18年経った2004年ともなると,113系800番台はかなり少数派になってしまった.
前段が長くなったが,石生駅で8:30に展開する113系800番台同士による列車交換シーンは,当時,もはや1日1回だけしか出現しなくなっていた世界で唯一の113系800番台同士の交換シーンとして,知る人ぞ知る渋い鉄道情景としてインターネットの片隅で語られていたものを作者が目撃し,これは見に行かねば...と決意して撮影した一コマ.
ところで,写真を良く見ると,左の下り列車のモハに雪切室が付いており,115系1000番台だということが分かってしまう.当時の福知山線は115系の4連が113系800番台と共通運用されており,残念ながら正確な意味での「113系800番台同士の交換シーン」ではないことをお断りしておく.
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