佐津 山陰本線

　佐津は島式ホームとなっており，ホームには屋根が一切ない．天空を遮るもののないこの開放的な駅に，上り臨時特急「かにカニはまかぜ」大阪行きが到着（写真左）．キハ181系の堂々7両編成だった．その脇を定期の特急「はまかぜ3号」のキハ181系6両が紫煙を上げながら入り（写真右），一旦運転停車の後通過．
　島式ホームでキハ181系の合計13両にサンドイッチされての轟音は今でも忘れられないシーンで，作者が今までに見たディーゼルカー同士の交換シーンでは屈指の名場面と思う．かにカニシーズンにのみ見られたシーンだった．

　臨時特急「かにカニはまかぜ」は7両編成だったが，佐津のホーム長はぎりぎり7両分しかないため，編成最前部は若干だがホームからはみだして停まっていた．佐津ホームの豊岡方は従来からの低いままとなっており，客用扉とホームとの段差が著しく開いていた．

　臨時特急「かにカニはまかぜ」の方向幕．播但線経由で運転されるため，姫路で進行方向が変わる．そのため，播但線〜山陰本線内では方向幕の駅表示方向と，実際の列車の進行方向は揃っていない（つまり，写真の右が大阪になる）．キハ181特有の屋上放熱板が写真に写っている．

　播但線用のキハ41も駆り出されて3両編成で運転されていた176D．当時は普通列車にも「かにカニ」ヘッドマークを掲出して気合が伝わってきたが，いつの頃からかヘッドマーク掲出はやめてしまった．

　普段は2両ワンマンで浜坂〜豊岡間を走る178Dも，かにカニシーズンには4両に増強され車掌も乗務している．やはり「かにカニ日帰りエクスプレス」のヘッドマークを掲げている．

　佐津16:08発の臨時特急「かにカニ香住」．香住を16時ちょうどに発ち，山陰本線上を京都まで行く列車だった．編成が最後部まで写りきっていないが，6両の堂々たる編成だった．

　撮影場所は佐津駅の柴山方からである．松葉蟹シーズンのみ運転される臨時特急「かにカニはまかぜ」キハ181の堂々7両編成が終点香住を目指す．ヘッドマークには「かにカニエクスプレス」が表示されていた．佐津駅のホーム長は7両分のため，この9051Dが佐津駅に到着する際には慎重に停止位置まで来て停まる様子を見ることができる．しかし，発車時にはその慎重さが嘘だったかのようにエンジンをブルンブルン唸らせて豪快に発車するのだ．

　撮影場所は佐津駅の竹野方からである．写真の4Dは定期の特急「はまかぜ4号」で佐津は通過する．撮影前のイメージではちょうど編成の総数6両が画面にキッチリ入るものと予想してカメラを構えていたが，実際にはご覧のように5両分しか写っていない．もうほんの僅かにカメラを左上に振ればひょっとしたら6両目が一部でも入っていたかもしれず，悔やまれる1枚となった．

　特急「はまかぜ4号」が通過した僅か数分後に，普通列車豊岡行きがやってくる．この時期の「はまかぜ」が観光客を主体として運ぶのに対し，この普通列車はだいぶ生活感が出た列車と言えるが，それでも佐津からカニ目的の観光客と思われる旅客も数人乗車する．実際，香住や竹野でも普通列車を使って移動するカニ目当ての観光客は多く，この174Dも通常2両編成のところ，3両編成に増強されているのだ．

　佐津のホームから竹野方を撮影した1枚．写真のキハ181・7両編成は豊岡で一休みした後，香住まで回送されて臨時特急「かにカニはまかぜ」9052Dとなって大阪を目指す．ここ佐津では普通列車176Dと列車交換で暫く運転停車する．