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2009年1月 北陸本線 糸魚川駅発行
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「きたぐに問題」とは?
大阪〜新潟を走る急行「きたぐに」号は,山科〜近江塩津間において,実質上短絡線となる湖西線を経由せず,米原回りの遠回り(湖西線開業以前の本線)経由で運転をしています.しかし,「きたぐに」号の京都(以遠)〜敦賀(以遠)間を乗車する場合,運賃及び急行,グリーン料金は湖西線経由の営業キロから計算します.乗車券が京都「以遠」と,敦賀「以遠」のものであれば話は単純なのですが,湖西線の分岐駅である山科駅以遠の方向が「大津方面」の乗車券の場合,話がややこしくなります.
旅客営業規則69条(特定区間)では,「山科以遠(京都方面)の各駅と、近江塩津以遠(新疋田方面)の各駅との相互間」において,前述のように運賃及び料金は短い方の経路である「湖西線経由」で計算する,とありますから,このような乗車券では「きたぐに」にそのまま乗車できないと解釈されます.
しかし,「きたぐに」の運転経路が米原回りとなっていることは,「JR側の運行上の都合である」=「旅客の都合によるものではない」,と解釈できることから,実質このような山科以遠(大津方面)〜近江塩津以遠(新疋田方面)の乗車券であっても,米原〜山科間の復乗を認める扱いになっているようです.
作者が実際に米原〜山科間を「復乗」した乗車券類が右の画像です.一番上は豊橋から糸魚川ゆきの片道普通乗車券.経由はすべて在来線で,「東海道・湖西・北陸」ですから,東海道本線を山科まで西進して湖西線を北上するルートです.ちょうど琵琶湖をL字型に回り込むような経路です.
この券面の右下に「乗車記念/使用済」とかぶさるようにして,「山科」の途中下車印が見えているかと思います.豊橋から在来線(東海道本線)を西進し,一旦山科で下車しています.
中段は山科〜大阪の往復乗車券のうち,「ゆき券」です.前述のように山科で途中下車しましたが,再入場の際にこの「ゆき券」を山科駅自動改札機に投入したため,入鋏済のパンチ孔が左隅に開けられています.大阪駅では有人改札に回って,「乗車記念/使用済」のスタンプをもらって手元に残しました.
下段の「かえり券」は大阪駅の自動改札に投入したもの.そのまま急行「きたぐに号」に乗車して,車内改札の検札印を貰っています.
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