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硬券準常備式乗車券

(2009年6月1日作成,2012年4月6日最終更新)

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近江鉄道 日野駅発行 2009年5月

近江鉄道日野駅常備のJR連絡準常備式片道乗車券

 準常備式はいくつかの着駅(あるいは発駅)を券面に予め印刷しておき,着駅の場合であればその駅の直下部を切り落として発券するものです.切り落とした下部の券片は発行駅側で保存し,それを元にして集計に利用できるようになっています.2009年現在,JR各駅では準常備式乗車券は全滅したようですが,これと類似した短冊式料金券補充定期券は一部の駅で設備があるようです.

 右のきっぷは近江鉄道日野駅に設備されているJR連絡の準常備式片道乗車券の一つで,この券(「21」という番号が与えられています)の最下段(最遠駅)は東海道本線吹田です.準常備式は1枚の券面にさまざまな駅名が入っているため,趣味的な観点からも眺めていてなかなか壮観です.

 近江鉄道はJR連絡が赤地紋,社線内は緑地紋となっているようで,これはKTR(北近畿タンゴ鉄道)のJR連絡(短距離・赤地紋)と社線内完結(緑地紋)と同じ配色になっています.(2009年6月1日記述)




松本電鉄 新島々駅発行 2008年

松本電鉄新島々駅常備のJR連絡準常備式片道乗車券「い」

 かつてはあちこちの地方私鉄にJR(国鉄)連絡の準常備式乗車券の設備があったようですが,21世紀を迎えそれらの券も非常に少なくなったようです.松本電鉄新島々駅には3種類の準常備式連絡片道乗車券があり,それぞれ「い」「ろ」「は」の通し記号が振られています.

 右の券は「い」.最遠は中央本線(中央東線)の吉祥寺となっていますが,下段に行くに従って有効期間が伸びてゆくのが楽しい券になっています.(2009年6月1日記述)




松本電鉄 新島々駅発行 2008年

松本電鉄新島々駅常備のJR連絡準常備式片道乗車券「ろ」

 新島々駅にある準片「ろ」は最下段が多治見となっており,中央西線の駅,すなわちJR東海管内の駅が羅列されています.前掲の「い」の7駅に比べると4駅だけの少し寂しい状況となっています.他に「上松」や「恵那」なども入っていてもよさそうな気がしますが,非常にシンプルです.
 
 この「ろ」券はほとんど売れないらしく,券面のシミがかなり目立ちます.ちなみに新島々から南木曽までの有効期間は2日間になるはずで,「当(1日間)」はエラーと思われます.(2009年6月1日記述)




松本電鉄 新島々駅発行 2008年

松本電鉄新島々駅常備のJR連絡準常備式片道乗車券「は」

 新島々駅の準片「は」は大糸線の主要駅が印刷された券で,最下段は白馬です.全駅ともに当日限り有効の区間ですが,これも青地紋の券となっています.新島々駅には「い」「ろ」の準常備最遠駅を越えた「東京都区内」と「名古屋」ゆきの完全常備連絡乗車券が設備されていますが,この「は」券の最遠駅である白馬の先の駅(例えば南小谷等)までの常備券類はありません.

 ちなみに,大糸線終点の糸魚川はJR西日本管内となり,松本電鉄の連絡運輸範囲(大糸線はJR東日本管内のみ=最遠は南小谷)を超えてしまうため,補充券等でも発券することはできません.(2009年6月1日記述,6月28日一部加筆修正)




北近畿タンゴ鉄道 網野駅・峰山駅・野田川駅発行 2009年

北近畿タンゴ鉄道のJR連絡準常備式片道乗車券・最下段「小田原」3種

 京都府〜兵庫県にある第3セクターの北近畿タンゴ鉄道にはJR連絡でもかなり長距離のものが券種も豊富に揃えられた駅がいくつか残っている.

 右の画像は常備硬券口座数が比較的多い網野駅,峰山駅,野田川駅に設備されているJR連絡の硬券準常備乗車券.これらの駅にはやはりJR連絡の完全常備硬券として,「名古屋市内ゆき」や「横浜市内/川崎・鶴見線内ゆき」「東京都区内ゆき」等がある(駅によっては欠けている口座もある)ため,それらの都区市内制度から外れた東海道新幹線京都以東(なぜか米原は含まず)のおもな駅を網羅した準常備連絡乗車券が設備されている.

 この3枚を比較するといろいろと興味深い点が浮かび上がってくる.まず経由だが,3枚とも同じ路線を経由する券ではあるが,網野駅と峰山駅発行のものは「宮福,山陰,新幹 経由」となっており,野田川駅発行のものだけはそれに京都が加わり,「宮福,山陰,京都,新幹経由」となっている.

 さらに興味深いのは券面に印刷されている7つの駅で,峰山駅と野田川駅のものは東海道新幹線で国鉄時代にすでに開業駅していた「岐阜羽島・豊橋・浜松・静岡・三島・熱海・小田原」が印刷されているが,なぜか網野駅発行のものだけ岐阜羽島が欠落しており,代わりに「三河安城」駅が入っている.三河安城駅はJR化後の1988年3月13日に開業した比較的新しい駅だが,なぜか同日開業した「新富士」駅は券面に入っていない.網野〜三河安城間は利用者が特に多いのだろうか・・・?

 3券種とも三島と熱海は運賃が同額だが,きちんと両駅ともに一段ずつスペースを割いて印刷がされている.なお,網野駅発行の券にある「○前」という印影だが,これは「前売り」を行った意で,券の裏面に有効開始日が別途記入されている.

 余談だが,これらの乗車券を利用してJR東海の新幹線改札等で途中下車した際には駅員の反応がすこぶる良く,「いや〜こんな切符があるんですね.もう少し見させてもらっていいですか?」といった反応(名古屋駅)や,「これはすごい!」(名古屋駅),「す,すごい・・・」(豊橋駅)など,感嘆の声を何度か聞いている.また,「ちょっとお待ち下さい」と改札窓口奥の執務室へ持参して,他の駅員に利用可能な券か確認する駅員(豊橋駅)も居るなど,日常を超越した様式,区間になっている.実際,こうして3種の券を並べると壮観である.(2010年3月3日記述)




北近畿タンゴ鉄道 野田川駅(左)・網野駅発行 2009年

北近畿タンゴ鉄道のJR連絡準常備式片道乗車券・最下段「金沢」「立花」

 北近畿タンゴ鉄道には前掲の「最下段・小田原」以外に,最下段「金沢」や「立花」そしてここには画像はないが,「出雲市」とバラエティー豊かな行先を備えたJR連絡準常備硬券乗車券を設備した駅がある.

 右の画像の左側は野田川駅発行の最下段「金沢」の券で,西舞鶴から小浜線を経由するもの.一方,右側の券は網野駅から西進して豊岡から山陰,播但線経由で東海道本線の立花まで抜ける経由の乗車券で,豊岡以南は特急「はまかぜ」が通るルートと同一である.

 このように,北近畿タンゴ鉄道には長距離の連絡常備乗車券や常備特急券類の設備が多数あり,趣味的には大変におもしろい鉄道なのだが,いずれも高額なため,作者は極力「実使用」を兼ねて購入している.しかし,右の券のように途中下車印や車内検札印をべたべたと押されたものが手元に残ってしまう場合が多いのが残念ではある.(2010年3月3日記述)




大井川鐵道 家山駅発行 2009年5月

大井川鐵道のJR連絡準常備式片道乗車券・最下段「名古屋」

 大井川鐵道の途中駅である家山では,名古屋ゆきの連絡乗車券を完全常備とせず,東海道本線の主要駅を入れ込んだ準常備にして設備してあります.「浜松」が入っていませんが,恐らく浜松までは「浜松ゆき」の完全常備券になっているものと思われます(未確認).

 券面にはこのページで紹介した松本電鉄新島駅のものと同様,「いろは」の「ろ」とあります.「い」券は最下段が三島となっている東海道本線上り方面の準常備券のようです.いつか「い」券も購入して実使用したいとは思っているのですが,大井川鐵道は運賃が高額でなかなか購入する踏ん切りが付きません.なお,大井川鐵道の準常備式乗車券は,JR連絡が画像のような薄緑色,自社線内のものが薄黄色になっています.

 この券ですが,家山〜名古屋間の営業キロが165.5キロある関係で2日間有効の券になっています.もし,豊橋駅までの購入とした場合は家山〜豊橋間は(意外にも)93.1キロしかないため,この券面にあるように当日限り有効の券となってしまい,この券のように二川駅で途中下車することは不可となります.(2010年3月3日記述)




弘南鉄道 平賀駅発行 2012年2月

弘南鉄道のJR連絡準常備式片道乗車券・最下段「東能代」

 青森県の弘南鉄道弘南線平賀駅にはJR連絡の準常備式乗車券がありました.右画像の券は「い」券で,最下段は奥羽本線東能代駅です.「運賃変更」印が押してあります.2012年2月現在の東能代までの運賃は1,980円(弘南鉄道360円+JR東日本1,620円)です.片道運賃1,980円,というと,感覚的に「101キロ以上で2日間有効なのでは?」と思ってしまいます.平賀から東能代まで,営業キロは弘南線が7.5キロ,JR線が91.7キロで計99.2キロ,僅かに101キロに届きません.券面にあるように,有効「当」日で間違いありません.

 平賀駅には他に最下段が五能線の木造駅となっていた「は」券もあったのですが,作者が訪問した2012年にはすでに口座落ちしていました.「は」があった,ということは,恐らくかつては「ろ」もあったはずです.「ろ」は奥羽本線青森方面へのものだったと思われます.

 硬券で準常備様式の民鉄からJRへの連絡乗車券はその数を劇的に減らしています.2012年3月現在で鉄道会社別に羅列すると,画像の弘南鉄道の他,アルピコ交通(旧松本電鉄,長野県),岳南鉄道,大井川鐵道(以上,静岡県),近江鉄道(滋賀県),紀州鉄道(和歌山県),北近畿タンゴ鉄道(京都府・兵庫県)だけではないでしょうか.(2010年3月3日記述)




岳南鉄道 岳南原田駅発行
2010年9月

岳南鉄道岳南原田駅発のJR連絡準常備式片道乗車券・最下段「豊橋」

 岳南鉄道線の途中駅,岳南原田駅には最下段が豊橋ゆきとなっている準常備式硬券乗車券がありました.券面に印刷されている着駅は東海道本線の藤枝,島田,掛川,浜松,そして豊橋です.

 吉原〜岳南原田間の営業キロは4.4kmです.岳南原田〜掛川間は4.4+88.0=92.4kmで101キロに届かず,ここまでは当日限り有効,岳南原田から浜松及び豊橋までは101キロ以上となって2日間有効になっています.

 岳南原田駅は平日の朝7:00〜8:15まで(訪問当時)しか出札窓口が開いておらず,それ以外の時間帯は無人駅となり,乗車券類の販売も行っていません.平日のこの時間帯に訪駅するというのは地元住民以外,意外と困難です.(2010年4月6日記述)




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