JR九州には「2枚きっぷ」や「4枚きっぷ」という回数券タイプの特別企画乗車券(以下,特企券と表記)が設定されています(2011年3月現在).「2枚きっぷ」であれば設定された区間の回数券が2枚綴りになっており,往路,復路に関係なくそれぞれの券片が使用できます.
筑肥線虹ノ松原駅は無人駅ですが,駅前商店では乗車券類の委託販売がされており,それらの中に画像の「2枚きっぷ(乗車券)」もありました.「(乗車券)」とあるのは,2枚きっぷ等には他に特急自由席に乗車できる「自由席」用(後述)や,特急(新幹線)の指定券も取れる「指定券」用もあるためです.
この特企券の区間は西唐津(最西端)〜東比恵(福岡地下鉄空港線最遠駅)・箱崎宮前(地下鉄箱崎線最遠駅)・六本松(地下鉄七隈線最遠駅)です.JR唐津線・筑肥線の西唐津〜姪浜間のほか,福岡地下鉄の姪浜から290円区間が有効です.
経由は券面にあるように,「唐津線・筑肥線・姪浜・地下鉄線」ですから,前掲の「快速みえ得ダネ4回数券」のように,通常であれば連絡乗車券が特企券になったきっぷです.券のレイアウトはJR東日本が発売している常備往復乗車券と酷似しており,サイズはまったく同じです.ただし,小児断線が券の中央部を跨いでV字形になっており,紙質はJR東日本のものより明らかに薄く,触った感じはかなり異なります.
表面には「発売額内訳」として,「運賃 \900」が印刷されていますが,JR九州と福岡地下鉄それぞれの内訳は不明です.発行箇所は虹ノ松原駅の管理駅である「唐津駅」が印刷済みです.なお,右の(1)券片には「東唐津駅」の入鋏印が入っていますが,これは作者が虹ノ松原駅で購入後に東唐津駅まで移動し,東唐津駅からこの(1)券片の使用を開始したためです.虹ノ松原駅は無人駅であり,乗車券類の「販売のみ」を行うだけのためか,「入鋏」はないようです.
発行年月日や有効期限等はゴム印による補充ではなく,虹ノ松原駅受託者によるボールペンの手書きでした.
表面には「裏面をご覧ください.」という文言が印刷済みです.JR東日本の常備往復乗車券の裏面は何も印刷されておらず,白地のままでしたが,この特企券裏面には乗り越し時の場合や下車前途無効であること,払戻し箇所等についての記述が印刷されています.ちなみに中央部付近の小児断線部分には文字が来ないよう,白地になっています.
なお,虹ノ松原駅には「西唐津〜福岡空港」間の常備2枚きっぷ(1,900円)の口座もありました.(2011年3月19日記述) |