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常備特別企画乗車券(軟券)

(2009年1月5日作成,2011年3月19日最終更新)

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北陸本線 能生駅発行 2008年12月

常備青春18きっぷ

 地色が赤いため,「赤い18(きっぷ)」「赤はる」や,「(18きっぷの)ナマ券」等と言われています.2010年夏現在,JR北海道,西日本,四国の一部窓口で販売されています.マルス端末で発券される「青春18きっぷ」と価格等は変わらりませんが,常備券ならではの「良さ」から毎シーズン,この赤い18きっぷを買い求める人も多いようです.

 券の地色が赤い理由は,1回ごとの有効期間が1日(当日限り)のためらしいです.青春18きっぷのルーツである「青春18のびのびきっぷ」の発売開始(1982年)から1984年春季の「青春18きっぷ」までは2日間有効の券が1枚だけあり,1日間有効の券は赤地紋,2日間有効の券は青地紋というように区別されていたようです.

 裏面に印刷された「ご案内」や「お知らせ」の文言に変化があったりするため,毎シーズンの券をコンプリートに揃える猛者もいるようです.(2010年10月13日記述)
 




深名線 朱鞠内駅発行 1995年8月

1回分が1枚ずつ切り離せた時代の常備青春18きっぷ

 1996年春季から,それまで5回分が1枚ずつ切り離せるタイプだった「青春18きっぷ」が,5回分を1枚にまとめた様式に変わってしまいました.

 それまで「青春18きっぷ」は5枚分の「1冊」を買って知人と分け合ったり,バラ売りしている店で1枚ずつ購入して使うことが当たり前の状況でした.5回分を1枚にまとめられたことは,分け合ったり,バラ売りを買ったりすることが完全に不可能になるという大変ショックな出来事でした.

 右の画像は1日有効券が5枚セットになっていた時代の1995年夏季の青春18きっぷ常備券です.表紙が付いており,その表紙にも発行場所や日付を入れる欄がありました.各券面には券番とその枝番が振られていました.

 購入箇所はJR北海道深名線朱鞠内駅です.この年9月4日の深名線廃止日が迫っており,作者を含めた多くの「乗り鉄」が訪問していました.朱鞠内駅では長時間停車したので出札窓口へ回ってみたところ,多くの人がこの「常備青春18きっぷ」を買い求めていました.(2010年10月13日記述)
 




伊勢鉄道伊勢線 鈴鹿駅発行 2010年4月

常備快速みえ得ダネ4回数券

 JR東海と伊勢鉄道では名古屋〜鳥羽間でほぼ平行して走る近鉄線と競合するため,「快速みえ得ダネ4回数券」という特別企画乗車券を設定,発売しています.設定区間はいくつかありますが,区間内(近辺)のJR東海窓口(及び旅行会社)ではマルス端末で発券されたものが販売されていますが,伊勢鉄道鈴鹿駅には端末がないため,鈴鹿〜名古屋(市内)の区間については画像のような常備券が設備されています(他の区間の設備はありません).

 この特別企画乗車券は4枚綴りで有効期間が1ヶ月,回数券タイプで切り離し使用が可,別途特急券等を買えば特急「南紀」にも乗車可という,JR東海としては大盤振る舞いのきっぷです.4枚で2800円ですから,1枚あたり700円です.鈴鹿駅〜名古屋駅間の普通運賃は960円ですから,約3割もお得です.

 常備券は表紙ときっぷ4枚がホチキス留めされており,購入及び有効期限の年月日を補充(押印)して販売していました.きっぷはJR東海地紋で,「海」の囲み文字も入っています.券番は表紙にある4桁番号の後ろに「-1」から「-4」までの枝番ば振られています.大きさはいわゆる「周遊券サイズ」です.有効期間が1ヶ月(=2日間以上)あるためか,地色は赤ではなく,青です.(2010年10月13日記述)
 




JR九州「2枚きっぷ」(乗車券)常備券

筑肥線 唐津駅発行 2010年10月

 JR九州には「2枚きっぷ」や「4枚きっぷ」という回数券タイプの特別企画乗車券(以下,特企券と表記)が設定されています(2011年3月現在).「2枚きっぷ」であれば設定された区間の回数券が2枚綴りになっており,往路,復路に関係なくそれぞれの券片が使用できます.

 筑肥線虹ノ松原駅は無人駅ですが,駅前商店では乗車券類の委託販売がされており,それらの中に画像の「2枚きっぷ(乗車券)」もありました.「(乗車券)」とあるのは,2枚きっぷ等には他に特急自由席に乗車できる「自由席」用(後述)や,特急(新幹線)の指定券も取れる「指定券」用もあるためです.

 この特企券の区間は西唐津(最西端)〜東比恵(福岡地下鉄空港線最遠駅)・箱崎宮前(地下鉄箱崎線最遠駅)・六本松(地下鉄七隈線最遠駅)です.JR唐津線・筑肥線の西唐津〜姪浜間のほか,福岡地下鉄の姪浜から290円区間が有効です.

 経由は券面にあるように,「唐津線・筑肥線・姪浜・地下鉄線」ですから,前掲の「快速みえ得ダネ4回数券」のように,通常であれば連絡乗車券が特企券になったきっぷです.券のレイアウトはJR東日本が発売している常備往復乗車券と酷似しており,サイズはまったく同じです.ただし,小児断線が券の中央部を跨いでV字形になっており,紙質はJR東日本のものより明らかに薄く,触った感じはかなり異なります.

 表面には「発売額内訳」として,「運賃 \900」が印刷されていますが,JR九州と福岡地下鉄それぞれの内訳は不明です.発行箇所は虹ノ松原駅の管理駅である「唐津駅」が印刷済みです.なお,右の(1)券片には「東唐津駅」の入鋏印が入っていますが,これは作者が虹ノ松原駅で購入後に東唐津駅まで移動し,東唐津駅からこの(1)券片の使用を開始したためです.虹ノ松原駅は無人駅であり,乗車券類の「販売のみ」を行うだけのためか,「入鋏」はないようです.

 発行年月日や有効期限等はゴム印による補充ではなく,虹ノ松原駅受託者によるボールペンの手書きでした.

 表面には「裏面をご覧ください.」という文言が印刷済みです.JR東日本の常備往復乗車券の裏面は何も印刷されておらず,白地のままでしたが,この特企券裏面には乗り越し時の場合や下車前途無効であること,払戻し箇所等についての記述が印刷されています.ちなみに中央部付近の小児断線部分には文字が来ないよう,白地になっています.

 なお,虹ノ松原駅には「西唐津〜福岡空港」間の常備2枚きっぷ(1,900円)の口座もありました.(2011年3月19日記述)




JR九州「2枚きっぷ」(自由席)常備券

久大本線 田主丸駅発行 2010年10月

 JR九州の「2枚きっぷ」「4枚きっぷ」には特急の自由席や指定席にも乗れるタイプ(区間)のものがいくつか設定されています.

 久大本線田主丸駅は地元の観光協会が受託する簡易委託駅で,2011年3月現在,常備券や補充券による発券を行っています.常備券の口座には特別企画乗車券である「2枚きっぷ」もありました.画像の博多〜日田間(久大本線経由)のほか,2010年10月当時は博多〜久留米間の「2枚きっぷ」もあったようです(2011年3月12日の九州新幹線博多〜新八代間開業により,この区間は「有明2枚きっぷ」という別の特企券になりました,田主丸での常備券が発売されているかについては未確認です).

 前掲の「乗車券」2枚きっぷと異なり,「2枚きっぷ(自由席)」と印刷されています.発売額内訳には「運賃」と「特急料金」が併記され,券の表,裏面ともに丸囲みの「自」という記号が印刷されています.

 発行箇所は補充式で,「田主丸」のゴム印が押されていました.(2011年3月19日記述)




JR西日本管内駅発行 2010年12月

2010年度冬季用青春18きっぷの「ご案内」欄

 2010年度冬季用(2010年12月〜2011年1月)の青春18きっぷは少なくとも作者はまったく予想しなかった青い森鉄道の八戸駅〜青森駅間に関する特例(以下,単に「特例」と表記)が付加されました.

 ただし,きっぷの「ご案内」欄や,JR各社のweb siteを見ると,特例の表現方法にかなりの差異があり,作者が机上で考える限り,混乱があるように思います.

 右の画像はJR西日本管内の某駅で購入した青春18きっぷの常備券(いわゆる「赤い18きっぷ」)です.裏面「(ご案内)」欄の「5」の3行目から特例についての説明があります.右の画像では文字が小さく不鮮明ですので,ここに書き出しますと,

ただし青い森鉄道線の青森〜八戸間については,通過利用する場合に限り普通列車の普通車自由席に乗車できます.当該区間の青い森鉄道線で下車した場合,別に運賃が必要となります.」

とあります.web site等を見ると,この特例では野辺地駅でのみ途中下車が可能らしいのですが,券面にはそのことについては全く触れていません.

 一例として,JR西日本の「JRおでかけネット/青春18きっぷ 平成22年度冬季用」の項を見ると(URL及び文面は2010年12月10日現在),(URL:http://tickets.jr-odekake.net/shohindb/view/consumer/tokutoku/detail.html?shnId=110000925)
■青い森鉄道線の八戸〜青森間、青森〜野辺地間及び八戸〜野辺地間について、普通列車(快速含む) で通過利用する場合に限り運賃を収受することなく利用できます。当該区間の青い森鉄道線で下車する場合、別に乗車区間の運賃が必要となりますが、青森駅・八戸駅及び野辺地駅に限り途中下車することができます。
例:青森駅から野辺地駅を経由して大湊線大湊駅へ向かう場合
@青森駅から大湊駅まで下車せず利用する場合⇒青森〜野辺地間の青い森鉄道線の運賃は不要です。
A青森駅から浅虫温泉駅で途中下車して大湊駅まで利用する場合
  ⇒青森〜浅虫温泉間と浅虫温泉〜野辺地間の青い森鉄道線の運賃が必要です。


 とあります.野辺地駅途中下車可の特例が画像の常備券印刷後に発生したのか,それとも常備券の「ご案内」欄には「特例」のうちの一部のみが簡略して書かれているのかは謎です.野辺地駅での途中下車可否は野辺地駅や大湊線利用者にとっては大きな運賃差を伴う特例になりますので,常備券でこのことに触れていないのは不親切と言えそうです.

 もう一例,JR東日本(URL及び文面は2010年12月10日現在)の「えきねっと/青春18きっぷ(URL:http://www.jreast.co.jp/tabidoki/service/seishun18/index.html)」を挙げると,
※青い森鉄道線の「青森〜八戸間」は、通過利用する場合に限り普通列車(快速含む)について、運賃を収受することなく利用できます。当該区間の青い森鉄道線で下車した場合、別に乗車区間の運賃が必要となります。ただし、野辺地駅に限り途中下車することができます。
例:青森駅から野辺地駅を経由して大湊線大湊駅へ向かう場合
(1)青森駅から大湊駅まで下車せず利用する場合
⇒「青森〜野辺地間」の青い森鉄道線の運賃は不要です。
(2)青森駅から浅虫温泉駅で途中下車して大湊駅まで利用する場合
⇒「青森〜浅虫温泉間」と「浅虫温泉〜野辺地間」の青い森鉄道線の運賃が必要です。」

 とあります.JR西日本「おでかけネット」,JR東日本「えきねっと」ともにほぼ同じ内容ですが,常備券の「ご案内」の特例にある「普通列車の普通車自由席に乗車できます」の文言が見当たりません.この「普通車自由席」は重要な意味を持っています.今回の青春18きっぷ利用可能期間中,臨時快速「リゾートあすなろ下北1〜4号」が新青森駅〜大湊駅間で運転されるのですが,この列車は全席指定です.常備券の文言では,青い森鉄道線の八戸〜青森間の別途指定席が必要な普通列車(快速列車ももちろん含む)について乗車可能,とはどこにも書いてありませんが,「普通車自由席に限り乗車できます」という書き方でもありません.果たして,「リゾートあすなろ下北」号に青春18きっぷで乗り込んだ場合,青い森鉄道線部分の運賃は別払いになるのでしょうか.
 
 ちなみにJR西日本以外の常備券やマルス発券の「青春18きっぷ」のご案内券については作者はまったくの未確認です.どのような「ご案内」になっているのか気になるところです.(以上,2010年12月10日記述,12月14日加筆修正)

 2010年12月13日にJR東日本管内でマルスの「青春18きっぷ」を購入し,「ご案内」券を当サイトの「きっぷ>その他のきっぷ類(きっぷ以外を含む)>2010年度冬季用青春18きっぷ(マルス券)のご案内券」にアップしましたのでご参照ください.(2010年12月14日加筆,12月15日一部修正)
 




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