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常備料金券(軟券)

(2008年10月7日作成,2013年10月27日最終更新)

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芸備線 甲立駅発行 2007年6月10日

JR線最後の常備急行券

 芸備線甲立駅には2007年当時からPOS端末が設置されていましたが,広島駅までの利用者が多かったためか,急行「みよし」の発車直前に来駅する旅客に対して,発券時間の短縮を図るために広島までの区間である「100kmまで」の急行券と,「950円区間」の乗車券については,常備券を設備していました.

 甲立からのこの急行券は「JR線最後の常備急行券」と言われていました.最安の「50kmまで」の常備券はなく,設備していたのはよく売れる広島までの「100kmまで」のみだったのも特徴で,「最後のJR線常備急行券発売駅で,かつ,料金区間は1種類」という極めつけの状態でしたが,この年(2007年)の6月いっぱいで急行「みよし」が廃止され,この「最後の常備急行券」も過去帳入りしてしまいました.(2008年10月7日記述,2013年10月27日加筆修正)




大糸線 有明駅発行 2008年1月,2月

大糸線有明駅常備の松本から名古屋ゆき自由席特急券

 2008年現在,有明駅は大糸線で唯一の常備券,補充券類を設備する簡易委託駅として営業を続けています.常備特急券は2008年に確認した限りでは「松本から新宿まで」,そして「松本から名古屋まで」のものが常備されており,名古屋までのものは「乗継」専用の自由席特急券も設備されていました.

 名古屋から先の新幹線特急券についてはさすがに常備券は設備されておらず,料補による対応となりますが,2008年現在のJR東日本の駅で在来線特急の「常備乗継自由席特急券」が設備されているのは有明駅だけと思われます.

 大糸線には臨時列車ですが特急「しなの号」が松本方面から白馬まで乗り入れています.ちなみに2008年1,2月に運転された臨時特急「しなの81号」「しなの84号」の大糸線内の停車駅は,豊科,穂高,信濃大町,神城,白馬で,残念ながら有明には停車ません.

 また,有明の最寄停車駅は穂高になりますが,有明駅に「穂高から名古屋まで」の常備自由席特急券等はさすがに設備されておらず,この区間については料補による発券になります.当サイトでは料補のページに,臨時特急「しなの84号」が運転された日に有明駅で発行していただいた「穂高から名古屋まで」の自由席特急券を掲載しましたので併せてご覧ください.(2008年10月7日記述,2013年10月27日加筆修正)




信越本線 冠着駅発行 2008年1月(上)・
大糸線 有明駅発行(下) 2009年2月

松本〜新宿・常備自由席特急券

 2009年現在,JR東日本長野支社管内には比較的多くの常備券取扱い簡易委託駅が残っています.具体的には信濃境小野(以上中央本線),冠着(篠ノ井線),古間(信越本線),有明(大糸線),信濃浅野上今井替佐信濃白鳥,平滝,横倉(以上飯山線)ですが,松本から新宿までの「常備自由席特急券」は冠着と有明にしか設備がないようです.

 かつては田沢や柏矢町など多くの「長野支社管内簡易委託駅」でこのような設備があったようですが,それらの駅にはPOS端末が設置されたことにより,このような「常備自由席特急券」も過去帳入りとなったようです.(2009年6月10日記述,2013年10月27日加筆修正)




飯山線 替佐駅発行 2008年7月

飯山線替佐駅常備の長野から名古屋ゆき自由席特急券

 長野から名古屋まで,営業キロ250.8km区間分の在来線特急をカバーする常備自由席特急券です.国鉄常備券の連綿と続いたレイアウトをそのまま踏襲し,2008年になってもなお燦然と販売が続いているのは,ちょっと奇跡的ですらあります.

 さすがに替佐には有明のような「乗継自由席特急券」の設備はないようです.(2008年10月7日記述,2013年10月27日加筆修正)




北近畿タンゴ鉄道宮福線 野田川駅発行(上)・網野駅発行(下) 2009年

北近畿タンゴ鉄道発行の常備新幹線自由席特急券

 北近畿タンゴ鉄道の一部の有人駅では東海道新幹線(一部区間)の新幹線自由席特急券の設備があります.右の画像は野田川駅(上)と網野駅(下)で購入した京都から名古屋までの新幹線自由席特急券です.

 いずれも発行箇所である「北近畿タンゴ鉄道/野田川駅発行」,「北近畿タンゴ鉄道/網野駅発行」というように,鉄道会社名,駅名ともに印刷済の券になっています.

 東海道新幹線(東京〜新大阪)は全線がJR東海の管轄となっていますが,JR西日本(JR-W)地紋で「□西」の表記も見られる券になっています.次の項にご紹介しますが,京都から名古屋までの常備新幹線自由席特急券は峰山駅にも設備がありました.(2010年3月15日記述,6月11日加筆修正) 




北近畿タンゴ鉄道宮福線 峰山駅発行(上)・久美浜駅発行(下) 2009年

北近畿タンゴ鉄道発行の京都〜名古屋・常備新幹線自由席特急券

 前掲には北近畿タンゴ鉄道野田川駅と網野駅発行の「京都から名古屋まで」の常備新幹線自由席特急券をご紹介しました.これと同じ区間,様式の常備券は峰山駅にも設備されており,作者も購入,実使用しましたので,右に画像をご紹介します.

 北近畿タンゴ鉄道の有人駅のうち,天橋立〜豊岡間の旧宮津線西部の有人駅は常備券類の口座数が比較的多く,趣味的にもおもしろい地域なのですが,駅によって設備されている常備券の種類がまちまちです.

 久美浜駅には新幹線の常備自由席特急券の口座はどの区間に関しても設備がなかったため,右の画像のような料金専用補充券(料補)での発券になります.但し,久美浜には名古屋市内までの連絡乗車券は硬券での設備があります.(2010年3月15日記述) 




北近畿タンゴ鉄道宮福線 野田川駅発行 2009年

北近畿タンゴ鉄道野田川駅発行の京都〜小田原・常備新幹線自由席特急券

 前掲の項に書いたように,北近畿タンゴ鉄道の常備券類を設備している有人駅でも,連絡乗車券や常備特急券等は駅によって常備されている口座はまちまちです.

 そんな中で,野田川駅には「京都から小田原まで」という特に変わった行先の常備新幹線自由席特急券がありました.小田原駅は一部の「ひかり」号が停車するものの,名古屋(市内)や東京(都区内)に比べれば明らかに地味というか,京都府とはあまり縁がない土地のような気がします.そのためかこの券はほとんど売れないようで,野田川駅の券箱ではひときわ日焼けして色抜けした券になっていました.

 なぜ小田原までの常備新幹線自由席特急券の設備があるのか考え見ると,この画像の右側に表示した最下段が小田原駅となっている準常備片道乗車券の存在かもしれません(北近畿タンゴ鉄道の最下段「小田原」の準常備乗車券については別ページに紹介しました).しかし,いくら「最下段」とは言え,需要が高いようには思えません.むしろ,「京都から新横浜まで」の新幹線自由席特急券の方が需要は望めるような気がしますが,新横浜までの常備料金券はありません(片道乗車券は横浜市内ゆきの硬券があります).(2010年3月15日記述) 




北近畿タンゴ鉄道宮福線 峰山駅発行 2009年

北近畿タンゴ鉄道峰山発行の京都〜新大阪・常備新幹線特定特急券

 前掲で野田川駅には北近畿タンゴ鉄道でも唯一と思われる京都から小田原までの常備新幹線自由席特急券をご紹介しましたが,峰山駅にはこれも唯一,それも全国で唯一になったと思われる新幹線の「常備特定特急券」が設備されていました.

 新幹線特定特急券は1972年の新幹線岡山開業時点での隣駅同士の自由席利用に限り,新幹線特急券を低額に抑えて設定されたものです.ですから,東海道・山陽新幹線の特定特急券区間は相当にあります(例:東京〜品川,東京〜新横浜,静岡〜浜松等).

 しかし,2009年時点で常備券として「新幹線特定特急券」の口座があるのはこの画像の峰山駅の「京都から新大阪」だけになったと思われます.但し,峰山駅から新大阪(大阪方面)へ向かう旅客はほとんどが福知山線経由で行くためか,この券はあまり売れないようで,料金も消費税3%時代の820円券のままの券で,「840円に変更」の印が押されています.

 券面ですが,前掲の「新幹線自由席特急券」では「途中出場できません」の文言が印刷されていましたが,その箇所には「自由席車にお乗りください」と印刷されています.小児断線部分(券の右上)ですが,新幹線自由席特急券では「幹 ○自 特」と縦書きで印刷されています.この新幹線特定特急券では「幹 ○特」と印刷されています.「幹 ○特 特」にはならないらしいことを作者はこの券ではじめて知りました.

 峰山駅ではこれからはこの「京都から新大阪」の特定特急券がどしどし(マニアに)売れて,料金「840円」が印刷された新常備券が導入されるのを祈るばかりです.(2010年3月15日記述) 




予讃線 鬼無駅発行 2010年

JR四国発行の岡山〜新大阪・常備新幹線自由席特急券

 JR四国・予讃線の鬼無駅には右の画像の「岡山から新大阪まで」の他に「岡山から東京まで」の常備新幹線自由席特急券が設備されています.作者の知る限り,JR四国管内で新幹線(自由席)特急券類の常備券がある駅はこの鬼無駅以外,知りません.

 前々掲の第3セクター北近畿タンゴ鉄道に設備されている新幹線自由席特急券と同じ「周遊券サイズ」の大型軟券で,券面に印刷されている事項も同じです.強いて異なる表記を探すと,北近畿タンゴ鉄道の券では料金の表示が「¥○○○円」となっていますが,JR四国の券は「¥○○○」です.作者の感覚としては,北近畿タンゴ鉄道の「¥○○○円」式表記は「頭痛が痛い」的な二重表記を感じます.

 鬼無駅は簡易委託駅ですが,次の項でご紹介するJR東日本管内の簡易委託駅とは異なり,「○ム」の表記はどこにもありません.

 なお,鬼無駅には自駅(鬼無)から大阪市内までの常備片道乗車券の設備もありました.(2010年3月15日記述) 




飯山線 替佐駅発行 2008年(上)・
篠ノ井線 冠着駅発行 2009年(下)

JR東日本長野支社管内発行の常備新幹線自由席特急券

 JR東日本では2009年現在,一部の簡易委託駅に常備新幹線自由席特急券の設備があります.最近まで新潟支社にも新幹線(上越新幹線)の常備(自由席)特急券があったようですが,すべて廃札となってしまったようです.ただし,2011年2月現在,盛岡支社管内の細浦駅(大船渡線)にも常備新幹線自由席特急券が残っています(次掲).

 JR東日本管内では北近畿タンゴ鉄道やJR四国のいわゆる周遊券サイズの常備新幹線自由席特急券類とは異なり,A型券の大きさの軟券です.券面には「途中出場できません.」や,「2日間有効」の文言はきちんと印刷されています.このうち,「2日間有効」の「2」の文字はかつてのワープロ用語で言うところの「縦倍角」で目立つように表記されているのが興味深いです.なお,券の通し番号は裏面になります.

 蛇足ですが,画像を見ると分かるように長野新幹線は長野〜大宮と長野〜東京で特急料金が1000円以上も異なります.東京近郊から長野まで新幹線で行く場合は極力大宮からの利用を考えた方が「お得なきっぷの買い方」に繋がります.(2010年3月15日記述,2011年3月4日加筆修正) 




大船渡線 細浦駅発行 2011年2月

JR東日本盛岡支社管内発行の常備新幹線自由席特急券

 大船渡線細浦駅では常備軟券の発売が続いています.乗車券類のほか,新幹線自由席特急券もあり,一ノ関〜東京と,一ノ関〜上野の口座がありました.券面のレイアウトは前掲の長野支社発行のものと変わりありません.

 当サイトの「常備乗車券(片道乗車券)」のページで紹介しましたが,乗車券では細浦から東京都区内ゆきがありました.(2011年3月4日記述) 

 細浦駅は2011年3月11日の東日本大震災により被災し,以降,乗車券類の委託販売は中止されています.(2013年10月27日記述)




北近畿タンゴ鉄道宮福線 久美浜駅発行(上)・野田川駅発行(下) 2008・2009年

北近畿タンゴ鉄道発行のB自由席常備特急券(発駅補充)

 北近畿タンゴ鉄道の一部の有人駅ではJR在来線内完結のB自由席特急券の設備がありました.画像は久美浜駅(上)と野田川駅(下)で購入したものです.

 この特急券の発駅については補充式となっており,着駅については有効キロ数の表記となっています.

 この2枚を比較した時に興味深いのは発行箇所の部分で,上の久美浜の券には「北近畿タンゴ鉄道」と「 駅発行」が印刷済となっており,発行駅名を押印で補充すれば良いだけですが,下の野田川駅発行のものは「北近畿タンゴ鉄道」の印刷がなく,それがゴム印の補充によって表示されています.(2009年5月31日記述,2013年10月27日加筆修正) 




北近畿タンゴ鉄道宮福線 網野駅発行2009年6月

北近畿タンゴ鉄道網野発行のB自由席常備特急券(発駅補充)

 前掲の北近畿タンゴ鉄道発行のJR線内完結B自特常備券ですが,発行箇所が印刷(常備)か,あるいはゴム印の押印(補充)かという違いがありますと書きました.しかし,これらのB自特は「200kmまで」と「100kmまで」で種類が異なっていました.そこで,このような発行箇所の表記方法が異なるのかもしれないと思い,網野駅で100kmまでのB自特を買い求めたのが右の画像です.

 前掲の野田川駅発行の「100kmまで」のB自特と異なり,この券は発行箇所の「北近畿タンゴ鉄道」は印刷済(常備)となっていました.

 となると,このような発行箇所表記方法の違いは恐らく印刷時期によるものと思われます.券の雰囲気からすると,野田川発行の「北近畿タンゴ鉄道」が印刷されていないものの方が新しいような印象は受けますが,詳細は不明です.(2009年6月10日記述,2013年10月27日加筆修正) 




篠ノ井線 松本駅発行 2008年3月

短冊式自由席特急券

 松本駅精算窓口には短冊式の自由席特急券(A自由席特急券)の常備券があります(少なくとも2009年3月まで存在を確認しています).乗車距離数に応じて切断する「準常備式」の一種のような様式になっています.

 最上段の570円は長野駅までの新幹線乗継にのみ使用できる自由席特急券です.長野までは特急「しなの号」ということになりますが,同じ「しなの号」でも塩尻以遠のJR東海管内へ跨ぐ場合には各社(JR東日本および東海)間の運賃(料金)配分の問題があるため,この常備券は使用していないようです.

 松本駅精算窓口には長野新幹線の短冊式新幹線自由席特急券の設備もあるようですが,作者は未確認です(松本駅精算窓口に常備されていた新幹線自由席特急券については設備廃止となったようです).

 かつて松本駅精算窓口には塩尻以遠への「しなの」号対応の停車駅名が入った短冊式自由席特急券の設備もあったようですが,2008年現在では廃札になったようです.(2009年6月1日記述,6月16日加筆修正) 




久大本線 田主丸駅発行 2010年7月

JR九州の常備乗継自由席特急券

 JR東日本大糸線有明駅には松本〜名古屋の常備乗継自由席特急券の口座があることを紹介しましたが,JR九州久大本線田主丸駅にも「常備乗継自由席特急券」がある,ということを聞き,実購入してきました.

 田主丸駅は鹿児島本線久留米駅から20.8km離れた場所にあり,地元の田主丸観光協会が出札業務を行う簡易委託駅です.2010年8月現在,POS端末は未設置で,補充券,常備券による乗車券類販売が行われています.

 久大本線には特急「ゆふ」と「ゆふいんの森」が走っており,このうち「ゆふ」には自由席が連結されています.上り「ゆふ」はすべて博多行きとなっており,博多で山陽新幹線に乗り継ぐ場合の特急料金は乗継割引が適用されることから,常備乗継特急券の需要が生まれています.

 JR東日本有明駅の常備自由席特急券はA型券でしたが,こちらはいわゆる周遊券サイズの大型券になっています.また,有明のものはA特急料金のため,単に「自由席特急券(乗継)」と印刷されていますが,こちらはB特急料金のため,「B自由席特急券(乗継)」と印刷されています.なお,乗継ではない通常の常備自由席特急券の口座もあります.(2010年8月5日記述) 




伊豆箱根鉄道駿豆線 三島田町駅発行
2009年10月(上)・2010年3月(中)・2010年9月(下)

伊豆箱根鉄道・三島田町駅発行の特急「踊り子」号常備特急券

 特急「踊り子」号には伊豆箱根鉄道駿豆線の終点・修善寺駅まで乗り入れる列車があります.そのため,駿豆線内の「踊り子」停車駅では(指定席)B特急券(以下,特急券と表記)と自由席特急券の発売を行っています.

 駿豆線内の「踊り子」号停車駅は,三島田町大場伊豆長岡,大仁,修善寺の各駅です.ただし,マルス端末は修善寺駅にしか設置されていないため,他の駅で特急券の請求があった際には修善寺駅へ電話して座席の確保をしてもらい,各駅に設備されている常備特急券に記入して発券する手順を取っています.

 右の画像は三島田町駅で購入した横浜駅までの特急券です.発駅部分は補充式ですが,着駅の「横浜」は常備です.特急「踊り子」号は駿豆線内は快速の扱いとなっており,特急料金は不要です.上り列車の場合,JR線区間の三島以遠から特急料金がかかりますが,常備特急券は50キロまでの最遠駅である「小田原」,100キロまでの「横浜」,150キロまでの(終点)「東京」が印刷済みとなった特急券が設備されています.例えば「大船までの特急券」を請求した場合も,「横浜」までの常備特急券で発券を行うようです.

 また,特急券は自由席特急券と異なり,シーズン(通常期・繁忙期・閑散期)によって料金が異なることから,同じ着駅の券でも3種類が設備されています.画像では上から通常期,繁忙期,閑散期の券です.画像は着駅がすべて「横浜」ですが,シーズンが異なるため,料金が異なります.このうち,繁忙期と閑散期は地色が同じ橙色系のようですが,日焼けの有無か,印刷時期の違いかで若干色調が異なって見えます.

 三島田町駅には着駅の異なる券が3種で,それぞれにシーズンの異なる3種の計9種類の常備特急券が設備されています.web上の情報を渉猟すると,大場と大仁は三島田町とまったく同じ券が設備され,発行駅(=発駅)を各駅で補充して使っているようですが,以下に紹介する伊豆長岡駅ではこれらの駅に比べて「踊り子」号特急券の請求頻度が高いためか,号数や発駅が常備となった券が何種類も設備されているようです.(2010年10月2日記述) 




伊豆箱根鉄道駿豆線 伊豆長岡駅発行 2010年8月

伊豆箱根鉄道・伊豆長岡駅発行の特急「踊り子」号常備特急券(1)

 伊豆長岡駅から横浜までの特急「踊り子108号」完全常備(指定席)通常期B特急券です.前掲の三島田町駅発行のものと異なり,発行駅(=発駅)の他,号数,発車時刻も印刷済みとなっています.また,席番の右側にはキャンセルコードを書き入れる「C」という文字も印刷済みとなっている違いが見られます.また,三島田町駅ではいわゆる「耳」を切り離して発売していましたが,伊豆長岡では(作者が購入した限りでは)「耳付き」でした.

 特急「踊り子108号」は2007年3月改正(と思われる)まで発車時刻は同じだったものの,「踊り子106号」を名乗っていました.そのため,ダイヤ改正時に106号絡みの常備券はすべて一旦廃札とし,新たに「108号」と印刷したものに入れ替えたものと思われます.三島田町駅のように,号数も補充式であればこのような手間は不要ですが,伊豆長岡駅では号数も常備式にするメリットの方が強いほど,指定券の請求が多いことの裏づけと思います.

 ただし,作者が2010年5月に購入した閑散期の東京までの「踊り子108号」特急券(次項に掲載)は号数は補充式でした.閑散期の指定券請求は少ないためか,シーズンによって券の常備様式を変えて設備しているようです.他に,小田原までの指定席券は請求が少ないため(恐らく収集マニアが買い求める程度と思われる),発駅も補充になったものがあるようです.(2010年10月2日記述) 




伊豆箱根鉄道駿豆線 伊豆長岡駅発行
2010年11月(上)・2010年3月(中)・2010年5月(下)

伊豆箱根鉄道・伊豆長岡駅発行の特急「踊り子」号常備特急券(2)

 伊豆長岡駅から東京までの特急「踊り子108号」(指定席)B特急券です.通常期,繁忙期,閑散期の3シーズンを画像上で並べました.

 東京ゆきは通常期,繁忙期は「踊り子108号」「(12時46分発車)」等が印刷済みの完全常備券ですが,閑散期だけ号数,発車時刻,キャンセルコードの「C」記号などは補充する必要があります.しかし,前々掲の三島田町駅発行の券と異なり,発駅と発行箇所はすべて常備でした.

 三島田町駅の券の地色は,閑散期より繁忙期の方がやや薄い色合いでしたが,右の画像の伊豆長岡から東京までの券は逆に閑散期の券の方が色合いが薄く,これら2シーズンの地色の色合いはムラがあるようです.

 伊豆箱根鉄道駿豆線に乗り入れる特急「踊り子」号は毎日運転の列車が1日2本,他に日曜運転,土休日運転の列車が1本ずつあります.しかし,毎日運転する「踊り子108・116号」ですら作者が閑散期に乗車することは稀で,まして日曜日のみ運転の「102号」,土休日のみ運転の「112号」に関しては乗車チャンスがほとんどありません.さらに,券面の行先にも「東京」「横浜」「小田原」のバリエーションがあることから,「実乗」で収集していくには限界がありそうです.(2010年11月17日記述) 




伊豆箱根鉄道駿豆線 三島田町駅発行
2009年11月(上)・2010年11月(中)・2009年10月(下)

伊豆箱根鉄道三島田町駅発行の特急「踊り子」号自由席特急券

 伊豆箱根鉄道駿豆線の「踊り子」停車駅(修善寺駅を除く)には三島発の常備自由席特急券が設備されています.右の画像は三島田町駅常備の東京,横浜,小田原までの自由席特急です.「B自由席特急券」になるかと思いますが,なぜか「自由席特急券」と表記されています.

 三島田町駅の「B(指定席)特急券」(常備券)は発駅補充で発行箇所も補充式でしたが,自由席特急券は「○社三島田町駅発行」が印刷済みです.東京と横浜までの券は耳付でしたが,作者が購入した限りではなぜか小田原までの券は耳を切り離しての発券でした.(2010年11月17日記述) 




伊豆急行線 伊東駅発行(上)・JR伊東線 伊東駅発行(下)
2010年11月

伊東駅発行の伊豆急行線内・特急「踊り子」号特急券

 伊東駅はJR東日本伊東線と,伊豆急行・伊豆急行線(他にJR貨物)の共同使用駅ですが,発券,集改札といった旅客営業はすべてJR東日本サイドが行っています.

 JR伊東線〜伊豆急行線内相互に乗り入れる特急「踊り子」号および「スーパービュー踊り子」号等の座席はマルスに収容されています.JR区間のみまたはJR〜伊豆急行線を跨る区間での指定券については,(特急・グリーン)料金券とともにマルスで発券できますが,伊豆急行線内のみを利用する場合,マルスからは座席指定のみのゼロ円券である「指ノミ券」を発券し,(特急・グリーン)料金券については別途,伊豆急行の料金券を発行して対応しています.

 JR東日本が旅客業務を行っている伊東駅の場合,伊豆急線内完結の特急料金券については常備券で対応しています.右の画像は特急「踊り子105号」の伊東から伊豆急下田までの(指定席)特急券です.画像下の「指定券」はマルスで発券したゼロ円券の「指ノミ券」で,これとは別に「伊豆急行 伊東駅発行」の伊豆急線内特急券を互いに裏面合わせにしてホチキス留めして渡されました.常備券の地紋は伊豆急行が東急グループであることをアピールするような「東急マーク」が並んだものです.

 伊豆急行線内の特急料金は乗車キロ数に関係なく一律500円です(自由席は400円).常備券には伊豆急行線の始終点「伊東<->伊豆急下田」が印刷済みで,号車や席番の記入欄もありますが,これらの情報は「指ノミ券」で代用させています.なお,伊東駅には伊豆急行線内の特急グリーン券も別に常備券があるようです.

 このような発券方法はJR東海御殿場線松田駅で発券する小田急新松田〜新宿間の特急「あさぎり号」特急券に似ています.しかし,「踊り子」の座席はマルスで,「あさぎり」のそれは小田急側の座席管理システムに収容されている点が異なるためか,指ノミ券のサイズや様式が異なる等,かなりの違いが見られるのも興味深いことと思われます.(2010年11月18日記述,11月19日加筆修正) 




東海道本線(御殿場線) 沼津駅発行
2010年2月

沼津駅ホーム上発売の「あさぎり」号(御殿場線)自由席特急券

 小田急電鉄線とJR御殿場線の直通運転を行っている特急「あさぎり」号の沼津から30キロまでの自由席特急券です.御殿場線の松田〜沼津間の30キロまでの区間についてはおトクな特急料金となっており,自由席特急料金は310円です.

 沼津駅の「あさぎり号」発車ホームでは,常備自由席特急券の立ち売りが出ることがあります.発売券種は30キロまでの区間(御殿場まで)のみで,小児用はないようです.発行年月日は入鋏印で代用させているようで,発行「年」は記入されませんでした.(2010年3月21日記述) 




山口線 山口駅発行 2011年5月

山口線三谷駅発売の自由席特急券

 山口線三谷駅は,新山口駅から営業キロで38.6キロの位置にあり,2011年3月現在,3往復運転されている特急「スーパーおき」号のすべてが停車します.

 三谷駅は無人駅ですが,駅近くの商店で近距離の常備片道普通乗車券を発売している他,右の50kmまでの常備自由席特急券も売っていました.JR西日本の簡易委託駅で自由席特急券の設備があるのは,恐らく三谷駅が最後と思われます.

 この券の興味深い点は,小児断線がなく,完全大人専用券ということです.現時点(2011年5月)において,このページで紹介した周遊券サイズ及びA型の常備自由席特急券にはすべて小児断線があり,小児券としても発売が可能です.

 三谷駅で扱っていた常備普通乗車券も,完全大人専用か,完全小児専用のいずれかで,小児断線入りのものはありませんでした.恐らく,断線で切り落とした副片の管理や集計の手間を省くため,大人・小児完全専用のものだけを扱っているものと思います.

 また,三谷から51km以遠の特急券や,新山口接続の「乗継特急券(継割)」はありませんでした.三谷駅の自由席特急券はシンプルに1種類,それも完全大人専用券という「いさぎよさ」でした.(2011年5月17日記述) 




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