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お得なきっぷの買い方ガイド 〜番外編・お得とは思えないきっぷの買い方

(2012年1月8日作成,2012年3月24日最終更新)

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びゅうプラザつくば発行 1993年2月

100キロ以下の往復乗車券

 JR線の往復普通乗車券のおおまかなルールは,有効期間が片道普通乗車券の2倍になること,片道の営業キロが601キロ以上の場合,ゆき・かえりそれぞれが1割引になること(往復割引),片道101キロ以上の場合,学割(2割引,片道601キロ以上の場合は3割引)が効き,往復乗車券の場合は学割証が1枚で済むことなどが挙げられます.

 当サイトの「お得なきっぷの買い方ガイド」では「往復乗車券」のページを設けて,往復乗車券のうち,往復割引の効く601キロ以上や学割利用はお得です,と紹介しましたが,片道101キロ未満の往復乗車券はお得な要素がほとんどないと考えます.

 右の画像は羽越本線新発田〜新津間(営業キロ26.0km)の往復乗車券です.1993年の古い券で,価格は\940とありますが,2012年現在の往復運賃は960円です.券面に改札印(入鋏)等が一切ありませんが,この時の旅行では秋田から当時の普通客車列車では最長距離を走破していた840レ(秋田14:07発〜20:49新津着)等に乗車しました.このうち,新発田〜新津の往復分を旅行本体の乗車券経路に含ませていなかったため,右画像の券も予め別購入していたもので,往復共に実際の乗車に使用しています.

 往復乗車券の有効期間は片道の2倍ですから,「2日間有効」ですが,券面に「下車前途無効」とあるように,片道101キロ未満(あるいはキロ数に関わらず,大都市近郊区間内完結等)の場合は途中下車も不可です.

 往復乗車券で有効期間が2倍の2日間に延びたため,例えば旅程が狂って1日後にズレこんだ,といった場合にもそのまま対処できますが,そんなことは稀です.この旅行のそのものが当初から,あるいは途中で中止(自己都合による中止)となった場合,払戻しするにも手数料210円は必要です.片道ずつであれば1枚につき210円が必要ですから,往復乗車券は払戻し手数料がお得なのでは?という考えもありますが,そもそも旅行開始前に購入しておく必要性は極めて薄い往復乗車券です.

 今になって思えば,この往復乗車券を事前に買わず,840レに乗車した時点で車掌から求めればよかったはずです.840レの新発田発車前に車内で購入すれば,「事前購入」になると考えますし,もしそのようにすれば画像のようなマルス券ではなく,「列車番号840レ」等の入った貴重な車内補充券が手元に残ったはずです.当時はそんなところまで頭が回りませんでした.

 以上のことをまとめますと,往復乗車券の有効期間は片道の2倍になるものの,101キロ未満や大都市近郊区間内完結では途中下車ができず,割引も適用されず,払戻しのメリットも特にない等,お得な要素は見当たりません.

 

2008年10月10日 JR東日本大糸線 有明駅

 強いてこのような往復乗車券でのお得な要素を探すと,例えば発駅は有人駅でオレンジカードクレジットカードが使用可能だが,着駅は無人駅等という場合,「かえり券」に相当する乗車券をオレンジカードやクレジットカードで購入することは現実的に不可能です.往復乗車券を予め発駅で購入すれば,僅かとは言え,オレンジカードやクレジットカード利用によるメリットが受けられます.

 また,少し強引と言うか,「お得なきっぷの買い方」とは全く言えないような要素ですが,会社の経費等で旅行(出張)する際に,予定の旅程すべての乗車券類を予め指定された旅行会社等で購入しておかなければいけない,といった事情が絡むのであれば,事前に往復乗車券を購入する場合も発生するかと思います.

 もう一つはこれも強引な要素ですが,地元の市町村等に出札が委託されている簡易委託駅等では,乗車券類の販売によって数%の手数料が地元市町村の収入に回る場合があるようです.

 右画像はJR東日本大糸線有明駅待合室にあった掲示です.(掲示にある「穂高町」は現在,「安曇野市」になっており,その上貼りもあったようですが,剥がされてしまったようです.)

 掲示に「ご購入は,是非,地元の有明駅をご利用戴きます様にお願い致します」とあるのは,乗車券類発売に伴い,手数料収入があるためです.このような場合,地域貢献という意味からも,また,簡易委託駅が少しでも長く続いて完全無人駅化を避けたい思いからも,片道ではなく,往復乗車券を買ってあげたいところです.単純な話,片道よりも往復の方が販売手数料収入は倍額になります.(2012年1月8日記述)

2012年2月25日 JR東日本奥羽本線 羽後境駅

 前掲の大糸線有明駅よりさらに具体的な表示例を挙げます.右画像は奥羽本線羽後境駅(秋田県)にあったものですが,掲示の冒頭はズバリ「おねがい」となっており,協和町役場が委託を受けた駅であることから,「キップ(往復キップ)及び定期券等は当駅からお買い求めくださるようご協力願います」とあります.

 POS端末が設置されている簡易委託駅の端末自体はJRから地元市町村へのレンタルになっているようで,その年間レンタル料金もかなりの額になるようです.往復キップ等を積極的に購入し,地元に貢献したいところです.(2012年3月24日記述)




2010年発行

ゆうちょICキャッシュカードSuica

 2009年に,ゆうちょ銀行のキャッシュカードとJR東日本のSuicaがコラボして「ゆうちょICキャッシュカードSuica」(以下,ゆうちょSuicaカードと記述)の取り扱いを始めました.

 ゆうちょ銀行のキャッシュカードは磁気ストライプから,より偽造が困難なICチップ登載のものへと切り替えを進めています.作者のゆうちょ銀行キャッシュカードは磁気ストライプタイプだったため,無手数料でゆうちょSuicaカードへの切り替えができることが分かり,さっそく切り替えました.

 このカードの長所は1枚でキャッシュカードとSuicaの2機能を持っていること,通常のSuicaでは必要なデポジット500円が不要なことです.手数料等無料で発行してもらえた上,2010年4月1日から5月31日までは「オリジナルペンギンミニケースセット」がもれなくもらえるキャンペーン(参考URL:http://www.jp-bank.japanpost.jp/campaign/yuchosuica2010/cpn_yuchosuica2010.html;2012年1月現在)中で,ケース(いわゆる弁当箱)ももらえました.

 但し,2010年当時にこのカードを発行する郵便局(ゆうちょ銀行)は,JR東日本の乗車券としてのSuica使用可能エリアにほぼ一致しており,Suicaエリア外(JR東海管内)に居住する作者はわざわざエリア内の局まで出向いて発行してもらいました.

 このカードの短所はSuicaとして使用のためには持ち歩き,使用のたびに端末にかざさなければいけないことです.Suicaなんだから当たり前のことですが,キャッシュカードでもあります.これは前述のように「長所」でもありますが,Suicaとして使うためには,「キャッシュカード」を頻繁にポケットやかばんから取り出すわけです.そんなこともあって,作者はこのカードを一度もSuicaとして使っていません(現在のところ,チャージもしていません).

 今のところ,ゆうちょSuicaカードをSuicaとして使うつもりはありませんが,Suicaは6ヶ月間使用しないとロックがかかり,それを解除してもらわないと使用できないようですので,実使用前にはチャージの前にこの「ロックの解除」が必要と思われます.また,10年間1度も使用しないとSuica機能自体が失効するようです.ゆうちょSuicaカードにはデポジットもないため,失効しても金銭的な損害はありませんが,せっかくのSuica機能ですので,10年以内に一度はチャージしようかとも思っていますが,しなくてもカードコレクションっぽくなっていいのかな,とは思っています.

 Suica機能について,チャージではなく,ゆうちょの普通口座と直結していて,口座残高からSuica使用分が引かれる,というシステムであれば,ある意味「チャージ金額(=この場合,普通預金)にほんの僅かとは言え,利子が付く」ということになったのですが,ゆうちょSuicaカードのSuica機能は預金口座とはまったく切り離されています.

 ゆうちょSuicaカードから話は逸れますが,Suicaはチャージや乗車,買い物に使わないと10年で失効します.記念Suica等をコレクションとして持っている人は,発行日から10年経過する前に何かしらのアクションをしないと「実使用できないコレクションカード」状態になってしまいます.

 ほとんどの記念Suicaはデポジット500円とチャージ金額1,500円の計2,000円で発売されてきています.コンビニで100円程度のものを買う,というアクションでもいいので,10年に一度は使用した方がいいかと思います(購入前に前述の「ロックを解除」してもらうアクションも必要かと思われます).

 また,チャージする際には券売機のスリットにカードを挿入するタイプだと,カード券面に擦り傷が生じる可能性が高いです.コレクション・アイテム要素の強い記念カードを美品状態で残すためには,平面的な端末上にカードを載せるタイプのものでチャージや買い物をすることを強くお勧めします.(2012年1月8日記述,1月26日加筆修正)




(下)2012年1月 NRE東京発行

ICOCAによる首都圏普通グリーン車利用

 本項は「お得とは思えない」というより,実際に「お得ではない」買い方の一例です.

 首都圏のSuicaグリーン券システムを備えたホーム券売機では,Suicaのほか,TOICA・PASMO・Kitacaは利用可ですが,Suicaと乗車券等の機能では相互利用が可能なICOCA・nimoca・SUGOCA・はやかけん(以下,ICOCA等と略記)は利用不可です(2011年12月現在).

 ICOCA等は乗車券としては相互利用が可能なのに,Suicaグリーン券システムは不可,というのは非常に分かりにくく,実際にICOCA等をホーム上のSuicaグリーン券売機に挿入して,事前にグリーン券情報を書き込めなかった(=グリーン券が買えなかった),という旅客が発生することは容易に想像されます.

 これを逆手に取って,ICOCA等を所持している旅客が普通車に座れるかどうか微妙だが,恐らくグリーン車であれば座れるだろう,といった列車に乗るような場合,実際に乗車する編成が入ってきた際に普通車とグリーン車の混雑度合を見極めて,「普通車は混んでいるからグリーン車にしよう」と乗り込み,車内を巡回してきたグリーンアテンダントにICOCA等を提示し,「ホームではこのカードでは買えなかった,ホームの券売機で購入はトライしたのだから,事前料金で売ってくれ」といった旅客がいそうなことも想像されます.

 もし,このようなICOCA等の所持客に対して,車内で「事前料金」のグリーン券を発売するとしたら,「お得な」乗車方法と言えますが,このような場合の実際の発売は,事前料金よりも250円高い「車内料金」による発券になります.

 右画像は東京駅7-8番ホーム上のSuicaグリーン券売機に挿入したもののグリーン券情報が書き込めなかったSmart ICOCAと,実乗車した東海道本線グリーン車内で購入した「車内料金」の普通グリーン券です.当日は東海道線蒲田駅付近の架線にブルーシートが引っかかった関係で一部運転を見合わせており,東京駅に東海道本線の列車がまったく現れなかったため,京浜東北線快速で品川まで出たところで「品川始発」に変更された793M(品川駅7番ホームから発車)に乗車した関係で,発駅が「品川」になっています.

 グリーンアテンダントが巡回してきたところで画像のSmart ICOCAを提示して,「ホームで買えませんでした」と言ったところ,「車内で現金になります」という回答で下車駅を訊かれ,ホリデー(当日は土曜日)の車内料金(1,000円)の普通グリーン券を購入することになりました.

 以上のように,ICOCA等をグリーンアテンダントに提示しても,事前料金にはなりません.ICOCA等の所持客に対して事前料金を認めていたのでは,前述のような「普通車は座れるか微妙」な場合の「混雑度合見極め」に利用され,実際に「事前に」事前料金で購入していた旅客に対する不利益が発生することも一因と思われます.

 ICOCA等のみ所持している場合には,出札窓口等で事前に普通グリーン券を購入しないとお得になりません.(2012年2月10日記述)




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