お得なきっぷの買い方ガイド 〜乗車券の分割購入
(2009年1月19日作成,2017年10月6日最終更新)
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秋葉原駅(上)・新宿駅(下) 2009年1月18日
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出発地から目的地まで通しで購入するよりも「分割購入」した方が安いパターン
JRの運賃(旅客運賃)算出方法についての説明は省くが,出発地から目的地までの片道乗車券を買うよりも,途中の駅で区切って買った方が安い場合がある.そこで,作者が切符を実際に購入して使用した例を紹介したい.
右の画像の上部はJR秋葉原駅自動券売機上部の運賃表.下部はJR新宿駅の同.当日は出発駅が秋葉原,目的地は吉祥寺だった.秋葉原から吉祥寺までは上部の運賃表のとおり380円である.しかし,一旦新宿で区切ると,10円安い370円で行くことが可能である.
画像下部の新宿駅運賃表(非常に不鮮明だが)を見れば分かるが,新宿から秋葉原が160円,新宿から吉祥寺まで(実際は三鷹も同額)が210円となっており,合計370円である.
営業キロ数で整理すると,秋葉原〜吉祥寺20.8km(電車特定区間普通運賃380円),秋葉原〜新宿8.6km(山手線内普通運賃160円),新宿〜吉祥寺12.2km(電車特定区間210円)となる.
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2009年1月18日 NikonCoolpixS600
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右の画像は前述の分割購入した乗車券.秋葉原から乗車し,一旦新宿で降りて改札を通り,また自動券売機で切符を購入して10円節約した例.Suica等のICカード乗車券を使えばもう少し楽に「分割購入」できるが,このサイトに登載することを意識してわざわざ券売機で購入した.
なお,秋葉原で160円の乗車券を購入してそのまま吉祥寺(あるいは三鷹)まで乗車して精算すると,精算額は秋葉原〜吉祥寺(あるいは三鷹)までの片道運賃である380円-原券160円=220円,となるため,10円節約するには新宿で下車する必要がある.混雑した新宿を改札まで行って一旦改札外に出る行為をしてまで10円節約するメリットがあるかどうかは甚だ疑わしい.
以上の例では10円しか節約できていないが,他に500円程度も節約できる例(新宿から上諏訪(=東京都区内から上諏訪・3,570円)を,高尾で区切る(新宿〜高尾540円+高尾〜上諏訪2,520円=3,060円)も知られている.(2009年1月19日記述)
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2007年9月7日 NikonCoolpix2500
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新宿〜高尾間の「特定区間運賃」を有効利用した例
前掲の本文中に,新宿〜上諏訪まで行く場合に「高尾」で区切って購入する例について少し触れたが,新宿〜高尾間はJR中央(本)線と京王電鉄の競合区間ということもあり,「特定区間運賃」と称して露骨に安い特別に安価な運賃設定となっている.
新宿〜高尾間は営業キロが42.8kmのため,「電車特定区間」普通運賃は690円となるが,京王電鉄の新宿〜高尾間が350円と破格の安さのため,価格面ではまったく競争にならないためか,約22%プライスダウンして540円という設定になっている.
「特定区間運賃」はその区間を一駅でも乗り越すと通常の電車特定区間等の運賃で計算される.このため,例えば代々木から高尾までは営業キロ43.5kmであり,電車特定区間普通運賃の690円になるため,新宿からたった一駅,それも距離わずか0.7km違うだけで690-540=150円も運賃が跳ね上がる.
右の画像は高尾駅から東京駅まで乗車した際に購入した区間を分割した乗車券.上下の切符でかなり地色が異なるが,これは上の「高尾から540円区間」はカメラ内蔵ストロボで,下は電車内の蛍光灯下で撮影したために色合いが異なるだけで,元はほぼ同じ色合いの切符である.
話がそれたが,高尾〜東京間は営業キロ53.1kmで電車特定区間普通運賃の890円.しかし,新宿で一旦改札を出て区切って購入すると,高尾〜新宿間が特定区間運賃で540円,新宿〜東京10.3kmが山手線内普通運賃190円の計730円となり,160円の「お得な購入」となっている.但し,せっかく高尾で始発の「快速・東京行き」に乗ったのに,途中の新宿で席を立って,混雑の激しい改札口まで行って,再度入場して中央線に乗って東京まで,,,というのは荷物も多くて正直楽ではなく,160円余計に払っても,そのまま東京まで乗車した方がはるかに負担は少なかったことを付記しておく.(2009年1月19日記述,2009年2月7日誤記を修正)
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2009年12月
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「特定区間運賃」「分割購入」を生かした回数券バラ売り例
前述の「特定区間運賃」を生かして区間を区切り,区間ごとの回数券をバラ売りすることで名古屋〜大阪間を通常の乗車券類購入よりも安く上げた例.
右の画像は名古屋市内の金券ショップで購入,実使用した例で,左上から名古屋〜岐阜間の回数券,左下が岐阜〜京都間の回数券,右上が京都〜大阪間の回数券,そして右下が名古屋->新大阪の新幹線自由席特急券.
名古屋〜岐阜間だが,名鉄との競合区間のためか「特定区間」運賃が設定されており,通常運賃の営業キロ計算では30.3キロ=570円が特定区間運賃のため450円に,京都〜大阪間は通常運賃だと42.8キロ=740円が特定区間運賃で540円にそれぞれ下がる.岐阜〜京都間は特定区間ではないので,通常の運賃で1890円の区間ということになり,名古屋〜大阪間を区切って買うと合計は450+540+1890=2880円になる.ちなみに区切らずに名古屋〜大阪まで通しで乗車券を購入すると3260円になることから,差額分の380円お得になる.
金券ショップでは名古屋から大阪まで使えるこれら「3枚セット」の回数券が2800円で売られていた.通常のバラ買い合計よりさらに80円お得になっている.回数券は11枚綴りが10枚分の値段で買えることから,その割引分で金券ショップは儲けを出しているのだろう.右下の新幹線自由席特急券は10円安い2400円で売られていた.券面の下部に印影は薄いが「商制」の印がある.恐らく金券ショップはギフト券でこのきっぷを購入しており,その仕入れ値との関係から10円安く販売しても儲けは確保できているのだろうが,新幹線自由席特急券の有効期間は2日間のみで,変更(乗変)は1回しか効かないなど,有効期間が3ヶ月間ある回数券と比較するといろいろと制約はあるが,金券ショップ側は「必ず売れる」自信があるからこその在庫なのだろう.
正直,この「回数券セット」を見たときには,「ここまでして節約術を駆使するか?」とかなり驚いた.画像の回数券と新幹線自由席特急券の合計販売価格は2800+2400=5200円である.普通に名古屋〜大阪間を新幹線自由席で移動すると5670円.差額は470円で,往復を同じ額で利用したと考えて差額940円.確かに小さい額ではない.しかも,名古屋〜大阪(新大阪)間の新幹線回数券は普通車自由席用の設定がないため割高感があり,金券ショップでのバラ売り価格は5580円程度になる.
しかし,新幹線回数券バラ売り相場と画像の「セット」との価格差は5580-5200=380円でしかない.380円を上乗せすれば(空席があれば)指定席を確保できると考えれば,それほど強いお得感もないが,名古屋〜大阪間を頻繁に往復するビジネス目的の利用者等にはありがたい「回数券」セットなのだろう.
また,青春18きっぷの使用期間から外れる時期に名古屋〜大阪間を移動する際,この回数券セットのみを購入し,在来線で移動すれば2800円で移動できる.18きっぷ1回分(2300円)より500円高いが,ダイヤによっては名古屋〜米原間を「新快速」,米原〜大阪間も「新快速」の転換クロスシートで移動できることを考えれば,決して高くないと思う.(2010年3月5日記述)
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2009年6月撮影 愛知県豊橋市内
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「分割購入」を生かした回数券バラ売り例
特定区間運賃は含まないものの,区間によっては乗車券を分割して購入した方が安い場合があります.
右の画像は愛知県豊橋市内にある金券ショップの自動券売機ですが,左上の豊橋〜浜松間は弁天島で区切った回数券のバラ売り,その右の豊橋〜岡崎間は三河三谷で区切ったバラ売り回数券の販売ボタンです.
豊橋〜浜松間ですが,通常運賃は650円.これを弁天島で区切ると,豊橋〜弁天島が営業キロ23.8キロで400円,弁天島〜浜松が12.7キロで230円,合計630円で20円安くなりますが,回数券は11枚綴りで10枚分の価格のため,その割引分を金券ショップ側で上乗せして600円の販売価格が実現しています.利用者サイドにとってはありがたい「バラ売り」です.
同様に豊橋〜岡崎間は,通常運賃が570円.これを三河三谷で区切ると,豊橋〜三河三谷が14.7キロで230円,三河三谷〜岡崎が17.6キロで320円,合計550円でやはり20円安くなります.そこからさらに30円を値引いてこのショップでは520円で販売されていました.(2010年3月5日記述)
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2010年7月 東京提携販売センター発行
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右の画像は豊橋駅近くの金券ショップで実購入,実使用した豊橋〜浜松の分割回数券です.弁天島駅で区切った2枚の回数券を600円で発売していました.回数券の発行箇所は「東京提セ」となっています.これは東京提携販売センターのことです.大口顧客を特に対象とした窓口のようですが,詳細は不明です.金券ショップでJR乗車券類を購入すると,ごくたまに遭遇する発行所です.(2010年8月5日追加修正)
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2012年4月 東海道本線新橋駅発行(上)・豊橋駅発行(下)
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東京山手線内〜三島間の「分割」例
事前に「分割購入」せず,乗り越し精算により分割購入と同じ効果が発揮される例を紹介します.
東京(山手線内)〜三島間の営業キロは120.7キロです.運賃101〜120キロ圏と1〜3キロ圏で分割して購入した方が通しで購入するよりも安いであろうことが容易に連想される距離です.
そこで,東京山手線内〜函南(114.5キロ)と函南〜三島(6.2キロ)で分割してみました.理想は前述のように「1〜3キロ圏」を含めた分割ですが,駅間距離の関係でそれがかないませんが,通し(2,210円)で買うより,分割(1,890円+190円=2,080円)する方が130円安くなります.
右画像上部は新橋駅みどりの窓口で購入した東京山手線内〜函南の乗車券のクレジットカードご利用票,下は三島駅改札で函南までの乗車券を提示して乗り越し精算に使ったSmart
ICOCAの利用履歴です.履歴の最下段「0204 窓引 三島」が乗り越し精算時の印字で,残額の差額から190円分引かれていることが分かります.函南までの乗車券ではなく,クレジットカードご利用票を載せたのは,三島駅改札で乗車券を回収されてしまったためです.
東京山手線内〜函南の乗車券は片道営業キロが100キロを超えているため,乗り越し精算は着駅起点になります.そのため,三島での精算額は函南〜三島の片道運賃ということになります.新橋〜三島間を2分割で購入する場合,新橋〜戸塚(620円)・戸塚〜三島(1,280円)の計1,900円とした方が安くなりますが,新橋〜戸塚(新橋から620円区間)の券を三島駅改札で提示して乗り越し精算した場合は「新橋(東京山手線内)から三島までの運賃との差額」計算となるため,まったく安くなりません.戸塚で分割する場合には新橋〜戸塚と,戸塚〜三島の2つの乗車券を予め購入しておく必要があります.
本項の冒頭の方に営業キロ1〜3キロ圏を含めた分割が効果的,ということを書きました.新橋〜田町(2.7キロ・山手線内特定区間運賃130円)の乗車券を購入して三島で精算しても,これも分割による精算にはなりませんし,増してや新橋駅で「新橋から田町」と,「田町から三島(つまり,東京山手線内から三島ゆき)」を予め「分割購入」してもお得どころか,通しで乗車するのであればまったくの損です.乗り越し精算や特定都区市内ルールを予め知っておくことが必要となってきます.(2012年3月18日記述)
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2012年4月 東海道本線新橋駅発行(上)・豊橋駅発行(下)
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東京山手線内〜三島間の分割購入例
右画像の上部2枚は三島〜東京山手線内を函南で分割購入した乗車券です.節約額については前項に記述したので省略します.
東京山手線内から三島への移動では,函南までの乗車券のみを購入し,着駅(三島)精算で分割購入のメリットを受けられましたが,三島から東京山手線内へ向かう逆方向の移動(函南分割の場合)では着駅精算によるメリットは発生しません.
当日の旅行では「分割購入」による節約の他,当サイトで紹介した「料金券の優遇区間」「特急列車の『部分的』な利用」も併用しています.
画像の上から3枚目は三島から東京・品川までの新幹線自由席特急券です.この区間は営業キロが120.7キロあるものの,新幹線特急料金が51〜100キロまでの料金に抑えられている優遇区間となっており,新幹線利用がお得です.
当日は土浦駅に午後12時20分頃までに着かねばならない移動でした.乗車スタート駅は豊橋駅でしたが,画像一番下の「青春18きっぷ」による在来線のみの移動では(快速「ムーンライトながら」号を使わない限り)12:20頃まで土浦駅には到達できないダイヤでした.
そこで,途中区間に特急列車や新幹線を利用する何かしらの「ワープ」が必要でしたが,時刻表を読んでいくと,三島9:55発の「ひかり508号」で東京まで「ワープ」することがが費用面でも効果的と考えられました.(上野から常磐線の特急「フレッシュひたち21号」が使えれば最強ですが,豊橋の市電(東田本線)時刻の関係から間に合いません.)
なお,「部分的」な新幹線の利用とは言え,青春18きっぷとは別に乗車券2,080円,新幹線自由席特急券1,680円の計3,760円を別途支払っているわけです.青春18きっぷ1回分が2,300円ですから,合計6,060円の出費です.豊橋〜東京間の新幹線回数券バラ売り価格が7,700-7,800円程度ですから,新幹線で速く,快適に行く方法も考えられますが,当日は目的地が土浦駅であり,東京駅到着後も常磐線等で69.6キロ分の移動が控えていました.そういった観点からも,青春18きっぷと特急列車(新幹線)の「部分的」な利用によるお得度はあったものと考えます.(2012年3月18日記述)
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豊橋駅・横浜駅・新城駅発行 2012年8月
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横浜(市内)〜豊橋までの営業キロは264.8キロで,普通運賃は261〜280キロ帯の4,620円になります.260キロまでの運賃帯を4.8キロだけオーバーしていることから,豊橋より一つ手前(東京寄り)の二川で区切って分割購入するとお得になりそうだ,ということが容易に想像されます.
実際に計算してみると,
乗車券・横浜市内⇒二川(257.9キロ):4,310円
乗車券・二川⇒豊橋(6.9キロ):190円
計4,500円となり,通しで購入した場合(4,620円)より120円安くなることが分かります.
このような思考で乗車券の分割購入を行う方法もありますが,もっともお得になる分割駅を機械的に検索するには,web上に公開されている「乗車券分割プログラム」が便利です.このプログラムの詳細については同サイト内の「乗車券分割プログラムの概要」を参照してください,本項では省略します.
「乗車券分割プログラム」で横浜〜豊橋間を「2分割」するプログラムを実行すると,
乗車券・横浜市内⇒豊田町(220.0キロ):3,570円
乗車券・豊田町⇒豊橋(44.8キロ)740円
計4,310円という計算結果が得られ,二川で分割して購入するより,さらに190円も安く買えるという結果が得られました.画像の乗車券は「2分割」で最もお得な豊田町で分割した例です.「無限分割」で計算を行い,3枚以上の分割乗車券を購入しても良かったのですが,駅の出札窓口で3分割以上の乗車券を購入することは,出札担当の発券作業の煩雑さから極力避けています.
分割乗車券のデメリットはいわゆる事故返(災害や事故等により不通区間が発生したことにより,出発駅まで無賃送還等が受けられる措置)の扱いで不利になる可能性です.画像の乗車券(右列)でも横浜市内から豊橋へ向かっている際に,豊田町以西まで到達済で不通区間が発生した場合,出発地の横浜市内までの無賃送還とはならず,豊田町までのそれになる可能性が大いにあります.これを承知の上で分割乗車券の購入,使用を考慮すべきです.
「乗車券分割プログラム」では分割枚数を無限として計算させることも可能です.同区間を最大分割数「無限」としてプログラムを実行すると,
乗車券・横浜⇒戸塚(12.1キロ):210円
乗車券・戸塚⇒辻堂(13.9キロ):230円
乗車券・辻堂⇒草薙(119.4キロ):1,890円
乗車券・草薙⇒豊橋(119.4キロ):1,890円
計4,220円という結果となり,通しで買うよりも400円も安くなることが分かりました.辻堂や草薙等で分割するという芸当は,時刻表の営業キロ欄や運賃表を眺めているだけでは到底思いつかないことで,電子プログラムならではの回答を得ることが可能です.
なお,2分割では横浜駅が特定都区市内制度(横浜市内)の駅として計算結果が出たものの,無限分割では「横浜」の単駅で計算されたため,横浜以外の特定市内駅から乗降する場合は注意が必要です.画像の旅行では関内駅で乗降したため,「関内⇒豊橋」で計算する必要があります.この場合は,
関内⇒辻堂(29.0 キロ):480円
辻堂⇒草薙(119.4 キロ):1,890円
草薙⇒豊橋(119.4 キロ):1,890円
計4,260 円という3分割乗車券がもっとも安いという結果となり,豊田町で区切る2分割に比べてさらに50円安くはなります.(2012年12月18日記述) |
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2012年11月 KNTツーリストアピタ向山営業所発行
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4分割購入の一例
名古屋から宝塚(福知山線)までの乗車券は,岐阜,京都,大阪で分割して4枚にするのが最安です.これは4枚中,岐阜〜京都間以外の3枚(3区間)に特定運賃が設定されていることも一因と思われます.
通しの乗車券と運賃比較をすると,
通しの運賃:名古屋(市内)〜宝塚・営業距離215.9キロ=3,570円.
4分割の運賃:名古屋〜岐阜450円+岐阜〜京都1,890円+京都〜大阪540円+大阪〜宝塚320円=3,200円.
差額は370円です.この旅行では大人2人が往復しましたので,370円×2(往復分)×2(人)=1,480円もお得ということになります.
大人2人分を4分割する乗車券であり,煩雑なことから旅行開始日以前に旅行会社へ出向いて事前に購入しました.乗車券は万一の旅行中止発生を考慮して往復乗車券を買うことにしました.片道の乗車券の場合,払戻し手数料は1枚ごとに必要ですが,往復乗車券は往復分を1枚として払戻し手数料が引かれる計算になるためです.なお,実乗車では大阪〜宝塚間のみ,「ゆき」だけが必要だったため,この区間のみ片道乗車券を購入しました.
実使用ですが,勤労感謝の日を含む3連休で駅構内は混雑する中,有人改札に回って複数枚に亘る乗車券や新幹線自由席特急券を提示して改札を受ける,というのは面倒であり,券片を手に持って移動する際に一部を紛失する可能性も高く,この点は分割購入のデメリットを感じる部分でした.
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2012年11月 豊橋市内(アピタ向山店配布)
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超蛇足ですが,KNTツーリストアピタ向山店でこれらの乗車券を購入したところ,アピタ向山店では「第21回商業フェスタ『ええじゃないか豊橋』」に参加していました.
これは買い物2,000円ごとに1,000円または100円のキャッシュバック(買い物券などではなく,現金)が抽選で当たるスクラッチカードのキャンペーンでした.
この時は前述のJR乗車券を計12,160円買ったため,6枚のスクラッチカードをもらえましたが,うち4枚で100円の当たりが出たことから,計400円のキャッシュバックを受けることができました.右画像は100円玉が入っていた封筒です.
駅の窓口で乗車券類を購入してもこういったキャンペーンには遭遇できませんが,旅行会社でこのようなキャンペーン期間中に購入すると,「お得」なきっぷ購入が可能になる場合もあることが分かりました.(2012年12月10日記述)
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2013年7月 豊橋駅発行(上)・ 2013年7月 名古屋駅発行(下)
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名古屋〜岐阜と名古屋〜岐阜羽島の運賃
右画像のうち,上部は名古屋⇒岐阜の片道乗車券で運賃は450円(特定区間運賃・営業キロは30.3キロ)です.
下部は名古屋⇒岐阜羽島の片道乗車券と新幹線特定特急券の一葉券で,内訳欄に「乗 570・特 840」とあります.乗車券分の運賃は名古屋〜岐阜羽島間の570円(営業キロ30.3キロ)です.
新幹線の運賃を計算する営業キロは,平行在来線の営業キロに基づいており,岐阜羽島駅は新幹線単独の駅ですが,在来線の岐阜駅に対応させて運賃計算がされます.
このことから,岐阜羽島駅を跨ぐ営業キロ101キロ以上の乗車券で岐阜羽島駅で途中下車し,そのまま岐阜駅で乗車して旅行を続けることが可能です(逆に岐阜駅で途中下車し,岐阜羽島駅から旅行継続することも可).
このように,岐阜羽島駅は乗車券の効力において,在来線の岐阜駅と同じ効力を持っていますが,名古屋〜岐阜羽島間の運賃は名古屋〜岐阜(在来線経由・特定運賃450円)と同額とはならず,営業キロ30.3キロの幹線運賃(570円)になります(旅客営業規則第157条30号).
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2012年11月 豊橋市内(アピタ向山店配布)
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右画像は名古屋⇒岐阜と岐阜⇒京都の片道乗車券です.運賃はそれぞれ450円と1,890円で計2,340円です.当ページの別項でも既に紹介した「岐阜分割」による節約です.なお,名古屋〜京都間の普通運賃は2,520円ですから,180円の節約になっています.
実乗ではすべて在来線経由で京都まで行きましたが,これら2枚の乗車券を予め所持している状態であれば,新幹線特急券等を別途購入して東海道新幹線に乗車することも可能です(選択乗車・旅規第157条及び同条30号,31号).
ちなみに,岐阜で分割せず,岐阜羽島で分割(名古屋⇒岐阜羽島と岐阜羽島⇒京都)した乗車券を使って在来線(東海道本線)で旅行することも可能ですが,この場合の運賃は570円+1,890円で2,460円となり,名古屋⇒京都を1枚の通しで買うより60円お得にはなりますが,画像のような岐阜分割の方がさらに120円お得になります.
蛇足ですが,名古屋⇒岐阜と岐阜羽島⇒京都という2枚の乗車券を予め所持していた場合も東海道在来線,新幹線どちらでも通しで乗車可能と思われます.同様に名古屋⇒岐阜羽島と岐阜⇒京都の乗車券でも幹在の選択乗車は可能と思われます.
なお,名古屋⇒岐阜の乗車券のみを所持ていた場合で名古屋から京都まで新幹線で行く場合,京都での精算額(乗車券分のみ)は,発駅計算(この場合,名古屋)となり,2,520円−450円=2,070円の精算額になります(名古屋駅新幹線改札で450円区間の乗車券では入場させてもらえない可能性は排除).
逆方向の場合で,京都⇒岐阜羽島の乗車券のみを所持していた場合,京都から新幹線で名古屋まで通しで乗った場合の名古屋での精算額(乗車券分のみ)は,所持している乗車券が100キロ超えのため,券面の着駅打ち切り精算となり,岐阜羽島〜名古屋間の570円になります.
ところで,京都⇒岐阜羽島の乗車券を所持していた場合で京都から(少なくとも米原以東を)在来線で名古屋まで乗車した場合の精算額はどうなるのでしょうか.所持している乗車券が100キロ超えで,岐阜羽島は岐阜と同じ効力と考えれば,岐阜〜名古屋(在来線経由)の450円が精算額とも考えられますが,京都⇒岐阜羽島の乗車券経路のうち,米原〜岐阜羽島間は在来線とは別線と考えれば(旅規第16条の2第2項3号),米原〜名古屋間の運賃(1,280円)と米原〜岐阜羽島間の運賃(820円)との差額460円の精算額になるかと思います.どちらの精算方法を採ったとしても,それらの差額は10円しかないのは興味深い点です.(2013年11月19日記述)
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2014年9月発行
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新幹線回数券による分割(名古屋〜京都間の米原分割)
名古屋〜京都間の場合,前掲のように乗車券を岐阜駅で分割してお得に購入する方法もありますが,新幹線の自由席(ひかりまたはこだま)を利用する場合は,新幹線回数券(のバラ売り)を利用することでお得になります.
名古屋〜京都間は通しで買うと,乗車券が2,590円,新幹線自由席(特定)特急券が2,480円,計5,070円です.
画像は名古屋市内の金券ショップでバラ売りされていた名古屋〜米原間及び米原〜京都間の新幹線回数券(普通車自由席用)です.回数券1枚あたりの定価は,それぞれ2,560円,1,940円で,計4,500円になり,前述の通しで普通に購入するより570円もお得です.
この大きな差額を利用して名古屋市内の金券ショップでは2枚を組み合わせて名古屋〜京都間という,比較的利用者が多く,かつ,単独では指定席用(のぞみ利用可)しかないこの区間に対し,普通車自由席用の新幹線回数券として販売していました.
新幹線特急券を絡む「分割」というと,当サイトでも紹介したように,山陽新幹線岡山開業時当時の隣接駅同士の自由席で安価となる特定特急券区間のみの組み合わせ(例えば三島〜浜松間)で安くなるパターンがほとんどですが,名古屋〜京都間における米原分割でも割引額が大きいことが分かります.(2017年9月26日記述)
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2014年9月発行
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変則的な分割
名古屋から新大阪まで,京都分割購入した例です.京都ではJR西日本の「京都鉄道博物館」へ行きたかったことから,京都駅ではなく,丹波口駅の利用を考えました.
京都鉄道博物館まで,丹波口駅から約0.9km(公称徒歩15分),京都駅から約1.5km(公称徒歩20分)となっており,道は狭いものの,丹波口駅まで出た方が歩く距離や時間は短くなります.
博物館までの行きか帰りどちらかは丹波口駅を利用したいと考え,乗車券の購入方法も模索した結果,京都〜大阪間は特定運賃でお得になっていることからこの区間を生かすことにしました.
検討した結果,博物館からの帰りに丹波口駅を利用するとなると,
(1)丹波口から新大阪まで(幹線41.5キロ)の運賃=760円
(2)丹波口から新大阪まで,京都分割(幹線2.5キロ+特定運賃)=160円+560円=720円
京都で分割すれば40円安くなりますが,せっかくの特定運賃のメリットをあまり享受できません.
詳細な検討・計算結果は省きますが,名古屋〜京都間の営業キロが147.6キロであり,幹線運賃141〜160キロ帯に属することから,あと12.4キロを足しても(幹線の場合)同じ運賃帯ということが分かります.
そこで,丹波口までは名古屋からの乗車券に含めることにしました.「名古屋→丹波口」の乗車券でも良いのですが,途中下車して乗車券を手元に残したかったことから,運賃帯最遠となる嵯峨嵐山着の乗車券を求めました.
蛇足ですが,「嵯峨嵐山」は文字数,画数ともに多く,乗車券印字の見栄えもなかなかと思います.
なお,名古屋〜丹波口間は岐阜分割や,当日は新幹線を利用したため,米原分割の回数券バラ売りを求めるなどいろいろ節約術はありますが,当日は2人の幼児同伴でとにかく面倒な移動を極力減らしたかったことから,このような「変則的な」京都分割で妥協しました.
幼児同伴で,京都から新大阪までの移動も,在来線の新快速等の利用では着席もままならないことから豪華に一駅区間だけ,新幹線を利用しましたが(画像最下段),京都から在来線の各駅停車利用であればそこそこ空いており,時間を気にしなければ各駅停車で新大阪まで利用する節約案も考えられます.(2017年9月26日記述)
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2016年9月 豊橋駅発行(上)・ 静岡運輸区発行(下)
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出発駅からの往復乗車券を利用した分割乗車券購入
分割乗車券は旅行前に予め複数枚の分割乗車券を用意したり,分割駅で一旦下車し,それ以遠の乗車券を改めて買い直すなど,いくつかの方法がありますが,「出発駅で分割駅までの往復乗車券を購入」した際の旅行例を紹介します.
この時の旅程は豊橋〜島田の往復でした.豊橋→島田を「乗車券分割プログラム」の「無限分割」でプログラムを実行すると,新所原,舞阪で3枚に分割すると40円安くなる,という結果が出ました.
手間をかけて3枚に分割しても40円しか変わりません.そこで,改めて分割数2(枚)で「乗車券分割プログラム」を計算させると,鷲津分割で30円安くなることが分かりました.
2分割で片道あたり30円,あまり大きい額とは思えませんので,分割せずに普通に購入することも考えましたが,当サイトのネタ的にも一応変則的な「鷲津分割」にしてみました.
実際の旅行では,豊橋駅で鷲津までの往復乗車券を購入して列車に乗車しました.往復乗車券の場合も,片道の普通乗車券同様,近距離(100キロ以下)または(同一の)大都市近郊区間内発着の場合で乗り越した際には,発駅からの精算になります.
右画像上部の豊橋〜鷲津の往復乗車券の「ゆき」券で島田まで乗り越した場合,精算額は「豊橋〜島田間運賃」−「豊橋〜鷲津間運賃」を収受することになります.
画像下部は車内で車掌に上部の「ゆき」券を呈示し,島田まで乗り越す旨を伝えて購入した区間変更券です.
精算額は前述の豊橋〜島田(1,490円)−豊橋〜鷲津(320円)=1,170円になります.これは豊橋〜島田まで通しで1枚の乗車券を購入した場合とまったく同額です.
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2016年9月 島田駅発行(上)・ 豊橋駅発行(下)
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一方,「かえり」は運賃が異なります.島田から豊橋までの帰りでは,島田駅で鷲津駅までの普通乗車券(片道)1,140円を買い,鷲津〜豊橋間は旅行前に豊橋駅で予め買っていた往復乗車券の「かえり」券を使います.こうすると,いわゆる「分割購入」と同じ効力となり,行き(豊橋→島田)よりも30円安くなります.
このようにすると,必ずしも旅行前に出札窓口で分割乗車券を購入しておく手間が省け,「かえり」だけでも分割乗車券としての効力を得ることができます.
なお,旅行開始駅からいわゆる分割駅まで,100キロを超える場合は(大都市近郊区間内で旅行が完結していなければ),分割による節約が可能です.
問題は,この旅行の場合であれば行きの目的地が島田駅であるにもかかわらず,目的地までの乗車券を買わずに乗り越すことを前提に旅行開始している点と,分割乗車券に付きまとう無賃送還などの扱いで不利であろう点が挙げられます.(2017年10月6日記述)
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