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お得なきっぷの買い方ガイド 〜グリーン券

(2008年11月25日作成,2012年7月19日最終更新)

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糸魚川駅 2008年11月12日発行

急行列車における実乗区間と異なる
グリーン車利用 

 上り急行「きたぐに」に新潟から糸魚川まで乗車した際の「急行券・グリーン券」である.急行「きたぐに」は6号車にグリーン車・サロ581形が連結されており,自由席車が混み合う時期や寝台券が確保できない繁忙期に乗車率が高くなる他,寝台車を使うには乗車時間が短い区間に利用実態があるように見受けられる.

 当日は奮発して急行「きたぐに」のグリーン車に初乗車することにした.「きたぐに」号の乗車区間は新潟(22:55発)から糸魚川(1:22着)までである.グリーン料金について調べたところ,新潟から糸魚川まで(175.1km)のグリーン料金はJR東日本とJR西日本の区間に跨ることから,「2,670円」となるが,「JR東日本内のグリーン料金は200kmまでは2,000円」であり,同じ200kmまでの移動でも,JR東日本管内で完結する場合は670円安く乗ることができることが分かった.

 そこで思い付いたのが,「きたぐに」の走行区間のうち,JR東日本管内の「新潟〜直江津」間はグリーン車を利用し,直江津(0:53着)から自由席車に移動して,糸魚川で下車する,という妙案である.こうすれば,グリーン料金は670円お得になり,直江津到着前に熟睡していた場合でも車掌に起こしてもらうことができるため,寝過ごす恐れもほとんどなくなるということから,さっそく実行に移した.

 実乗区間とグリーン車利用区間が異なる場合,急行料金が「新潟〜糸魚川」間の通しで済むのか不安があったが,急行料金については通しで発券してもらえた.画像の上の「急行券・グリーン券」がそれで,3,050円のうち,急行料金が「新潟−>糸魚川(200kmまで)」の1,050円,グリーン料金が券面にある「G区間:新潟−>直江津(JR東日本のみ136.3km)」の2,000円となっている.グリーン車の座席については別途画像の下の「指ノミ券」が発券され,上の「急行券・グリーン券」と同時に使用する場合のみ有効の「指定券(グリーン)」が発券された.

 なお,マルス端末のないJR西日本筒石駅で料補による同様の切符を購入しているので,ぜひご覧いただきたい.

 このように,実際の乗車区間とグリーン指定区間が異なる券は購入可能であったが,ではこのような「特急券・グリーン券」は買えるのであろうか.実際に購入してみたいのだが,グリーン料金の出費が痛い.(2008年11月25日記述)




東京駅 2010年3月 NikonCoolpix S600

首都圏普通グリーン車の普通グリーン券事前購入

 詳細は省略しますが,東京圏(首都圏)で運転されている普通,快速列車用の普通グリーン券は,事前に駅等で購入した「事前料金」と,乗車した車内で購入する「車内料金」で250円の差額が設けられており,事前購入の方が安くなっています.予めグリーン車に乗るつもりであれば,事前に購入するに越したことはありません.

 首都圏の普通列車に連結されているグリーン車には「グリーン車Suicaシステム」が導入されており,予めSuica等のICカード乗車券(以下,Suica等と表記)にグリーン券情報を書き込んで利用することができます.普通グリーン車が停まる主な駅の旅客ホーム上にはこの「Suicaグリーン券」用の自動券売機が設置されています.但し,ホーム上の「Suicaグリーン券」自動券売機ではSuica等がないと購入できず,Suica等にグリーン券分の残額が残っているか,あるいは残額がない場合にはSuica等にチャージするために1,000円札(現行券のみと思われる)がないと購入できません.予め「グリーン券」を購入しなかった場合には前述のように250円高い「車内料金」を払うことになります.

 右の写真は東京駅9-10番線ホーム上に設置されている自動券売機です.東京駅のこの券売機の場合,「Suicaグリーン券」のみに特化せず,自由席特急券も発券できるタイプのものが設置されています.券売機上部右側にはSuicaをあしらった絵のほかに,オレンジカードでも購入できるかのように表示があります.また,現金投入口は札の挿入口の他,コイン投入口もあり,あたかも現金やオレンジカードでも「普通グリーン券」が買えるかのように見えます.

 しかし,実際にはグリーン券はSuica等の残額を使った「Suicaグリーン券」しか買えません.現金やオレンジカードで「紙のきっぷ」が買えるのは「自由席特急券」だけです.東京駅東海道本線のホーム上にある「Suicaグリーン券」自動券売機はこのようなややこしいタイプのものが設置されているため,注意が必要です.
 

東京駅 2010年4月4日発行

 Suica等を所持していない場合で首都圏普通グリーン車を「事前料金」で利用するには,駅窓口や券売機で事前に「普通グリーン券(Bグ)」を購入する必要があります.東京駅では前述のように,ホーム上で「紙のきっぷ」の普通グリーン券(券売機脇の掲示では「磁気グリーン券」と表記)は購入できません.そこで,構内の窓口や改札外の自動券売機でグリーン券を購入する必要があります.

 右の画像は東京駅の自動券売機で事前購入した熱海までの普通グリーン券です.グリーン券の下部に「□カ」の表示がありますが,これはオレンジカード利用で購入した表示です.全額分「オレンジカードによる購入」で約1%ですが節約してあります.

 蛇足ですが,当日はEM10型という2009年から導入が開始された新型券売機で購入しました.JR東日本の自動券売機というと,外装がコーポレートカラーの緑に塗られたものが多いのですが,EM10型は外装のほとんどが黒色になっています.2010年現在,JR東日本では「多機能券売機」としてweb上でも紹介しています.

 この券売機で印刷した領収書はこれまでのものと異なり,「ご利用日付」の月,日が一桁のみの場合,10の位には「-」が入るようになりました(これまでの券売機は「04月04日」のように表示していた).取引内容もグリーン券購入の場合はこれまでは「乗車券類」でしたが,「きっぷ購入」に変わっていました.

 繰り返しになりますが,東京駅に限らず,旅客ホーム上にある「Suicaグリーン券」の自動券売機では右の画像のような「紙のきっぷ」は発券できません.Suica等を不所持だったり,残額不足でチャージする1000円札もない場合は,窓口や乗車駅の改札外の自動券売機で購入しないと「事前料金」にならないため,注意が必要です.(2010年4月27日記述)




JR四国管内駅 2010年5月発行

JR東日本及びJR四国のPOS端末発券による首都圏普通グリーン券 

 この項は実節約というより,ネタ的要素がかなり強く,実用性にも乏しいのですが,発券システムの不備を知らないと大損するため,あえて掲載しました.

 作者が2010年5月までに確認した限り,JR東日本とJR四国の簡易委託駅等に導入されているPOS発券端末では,首都圏の「平日」「ホリデー」料金区分がなされた普通グリーン券(Bグリーン券)を発券するプログラムは登載されていないようです.このため,土休日でも従来(2004年10月以前)のBグリーン料金が適用されるグリーン券が発券されてしまうため,正確な料金のBグリーン券は少なくともPOS端末では出ません.しかし,「平日」の「50キロまで」と,「平日」の「51から100キロまで」のBグリーン券については,現在の「首都圏普通列車グリーン料金(事前料金)」と,「2004年10月以前の従来の普通グリーン料金」はまったく同一のため,金額については「正しい」Bグリーン券が発券されます.

 右の画像はJR四国管内の某簡易委託駅のPOS端末で発券された東海道本線湯河原〜東京間のBグリーン券です.利用日の2010年5月11日は火曜日(平日)のため,当該区間は「51キロ以上」の「平日」の「事前料金」が適用され,Bグリーン料金は950円です.券面にも「\950」と入っていますが,どこにも「平日」の囲み文字は見当たりません.

 このグリーン券の実使用ですが,作者は列車そのものには熱海から乗車しているのですが,グリーン車には乗らず,まず普通車に乗車して,湯河原に到着したところでやっとグリーン車へ移動,着席して,グリーンアテンダントによるグリーン券のチェックを受けています.と言うのも,この券の発行駅(画像でも駅名等は伏せて掲載しています)で熱海から東京までのBグリーン券を購入してしまうと,2004年10月以前の101キロ〜150キロまでの1620円の券が発券されてしまいます.これではグリーン料金を670円も損してしまいます.

 以上のことをまとめますと,(2010年5月現在,)JR東日本及びJR四国のPOS端末で首都圏普通グリーン券を発券してもらう際には,「平日」で100キロ以下の距離にしないと必ず損をします.グリーン券の利用日が土休日(=「ホリデー」)だったり,営業キロ101キロ以上の場合は大幅に損をしますので注意が必要です.

 なお,このようにPOS端末のBグリーン券プログラムには不備があるため,主に首都圏周辺のPOS端末が設置されている簡易委託駅では「Bグリーン券は発売の請求があっても発券するな」という通達のようなものが回っているようで,Bグリーン券を買いたくても売ってくれません.これまで(2010年3月まで)に作者は只見線越後須原駅(2010年3月から完全無人駅化),烏山線仁井田駅,水戸線福原駅で首都圏普通グリーン券の発売を断られています.「車内料金」よりも250円安い「事前料金」のBグリーン券を買っておきたい利用者サイドが,明らかに不利を被るシステムとなっています.

 ところで,この例のように熱海からとせず,湯河原から東京までのグリーン券にすることにより,営業キロを100キロ以下に抑えた「お得な買い方」は,特急「踊り子」号でも威力を発揮します.東京〜湯河原間も100キロ以下ですが,品川〜熱海間も100キロ以下です.そのため,特急「踊り子」号のグリーン券は,東京〜熱海(101〜200キロのAグリーン券で2000円)とせず,品川〜熱海(100キロ以下のAグリーン券で1000円)とすることにより,これまた大幅な節約が可能です.

 因みに上野〜高崎間も101.4キロであり,101キロをほんの僅かですが超えます.POS端末発券の普通グリーン券購入はもちろん,B特急券を購入する際も「損」している部分が大きい感覚を持つことで,「特急『あかぎ』等の上野〜高崎間利用は極力避ける」といった行動により,節約が可能になってきます(上野〜高崎間の新幹線特急券については101キロ以上の料金帯にならず,「お得な特急料金」が設定されています).(2010年6月9日記述,2012年7月19日加筆修正)




直江津駅発行 2010年3月発行

信越本線の快速「くびき野」号普通グリーン券 

 首都圏以外のBグリーン券の場合,営業キロ51〜100キロ以下と101キロ以上では670円の差額が発生してしまいます.それを考えますと,営業キロを100キロ以下に抑えたBグリーン券は「お得な区間」と言えるかと思います.

 信越本線の柏崎〜新潟間は営業距離がちょうど「100.0キロ」という,究極のお得な区間です.右上の画像は快速「くびき野5号」の普通グリーン券です.2010年3月現在,快速「くびき野号」は新潟車両センターの485系6連で運転されており,編成内には必ず半室グリーンのクロハ481形が1両連結されています.このクロハ481のみ,普通車(ハ座),グリーン車(ロ座)ともに指定席となっています.ちなみに,2010年3月現在,101キロ以上を走行する「定期列車」で「毎日運転」で「末端快速等を除く」場合,座席指定の普通列車グリーン席(Bグ)が連結されている列車はこの快速「くびき野」号が唯一と思われます.(100キロ以下まで範囲を広げると,快速「マリンライナー」が座席指定のグリーン車を連結しています.)

 右の券は作者の先輩が実使用したものですが,当日は信越本線直江津駅から新発田駅までの旅程であり,画像下の乗車券は直江津から長岡,新潟経由(在来線経由)の片道乗車券です.快速「くびき野5号」には直江津から乗車していますが,このweb siteの「お得なグリーン券の買い方」を参考に,グリーン席利用区間を柏崎駅からとし,直江津〜柏崎間は普通車自由席を利用するという凝った利用方法を採ったとのことです.

 ところで,快速「くびき野」号は「特急型車両」を使っており,しかも同じ区間(直江津〜新潟間)を走行する特急「北越」号と停車駅がほとんど変わらない(「くびき野」号は宮内駅停車),という超乗り得な列車であるにもかかわらず,敢えてグリーン券を購入するというのは「お得な買い方」に反しているとも考えられます(趣味的にグリーン車に乗りたいだけでは?という意見はここでは置きます).しかし,考え方をもう少し変えると,「くびき野」は「快速」のため,普通車自由席であれば別途料金がかからないことから,時期によってはかなり混み合いますし,2002年12月改正まではもともと特急「みのり」として走っていたものが快速化したことから,特急料金に見合う程度の出費で「グリーン」に乗れるのであればお得だ,とも考えられます.ちなみに,柏崎〜新潟間の自由席特急料金(A特急料金)は1150円ですから,画像のBグ(950円)の方が200円安いです.

 なお,直江津から新潟までの普通グリーン券は営業キロ101〜150キロ区間ですので,1620円に跳ね上がります.それでも当該区間の自由席特急料金(1780円)よりは安くなっています.座席の「指定」,それも特急型車両の「ロ座」がこの価格と考えれば,お得な買い方と言えるかと思われます.(2010年7月13日記述)




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