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お得なきっぷの買い方ガイド 〜オレンジカードによる購入

(2008年12月19日作成,2014年7月30日最終更新)

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(上)・松本駅 2008年12月7日 (下)・同年11月3日 松本駅発行

オレンジカードでのJR線以外の乗車券購入
〜松本電気鉄道上高地線〜

 当ページでは,「オレンジカードでのきっぷ類購入は,現金で購入することよりもお得である」という前提に立って紹介を進めていきます.

 オレンジカードは国鉄が1985年3月に発売を開始したプリペイドカードで,発売当時は額面が1,000円,3,000円でしたが,1986年1月から5,300円(発売額5,000円),10,700円(同10,000円)の販売を開始し,計4種類の額面がありました.

 また,1,000円,3,000円のカードについては50枚を一度に購入すると1枚「おまけ」を貰えましたが(大型時刻表の「ピンクのページ」にも記載されていました),このサービスは2003年11月に廃止となりました.また,5,300円と10,700円のカードについてはそれより以前の1997年3月に発売停止となりました.

 なお,2013年3月31日をもって,JR全旅客鉄道会社ではオレンジカードの発売が終了しました.

 このように,かつてはまとめ買いで2%,5,000円で6%,10,000円で7%ものプレミアムが付いていましたが,2008年12月現在,オレンジカードは実購入においては額面と発売額がまったく同一で,お得なことは特に無くなってしまいました.しかし,「金券ショップ」では1%前後の値引率で販売されていることがあり,このような購入をすれば,「1%前後」の恩恵は受けられるため,多少強引ですが,当サイトの「お得なきっぷの買い方ガイド」に載せることとしました.

 JRのオレンジカード取扱い券売機でJRのきっぷを購入する「お得な」買い方はとにかくとして,JR線ではない,民営鉄道(私鉄)線の乗車券がオレンジカードで購入できる例を挙げます.写真は松本駅の自動券売機ですが,JR線券売機が並ぶ一番左側に,松本電鉄上高地線専用の券売機が2台並んでいました.松本電鉄は松本駅における駅業務をすべてJRに委託しているようで,松本電鉄上高地線のきっぷについては券売機及び窓口での発売も含め,すべてJRが管理しているようです.

 そのため,券売機もJR東日本が導入しているタッチパネル式のものが使われており,券売機左上には「JR(ロゴ)・JR東日本」.の文字が見えます.つまり,券売機上部の,青地の「松本電鉄 上高地線」の表示がなければ,JR線の券売機となんら変わらないものとなっています.

 券売機右上にオレンジ色の囲みが見えますが,これは「オレンジカード」で購入できることを示すサインで,オレンジカードは券売機左下の4つある口のうち,左上のスリットに通すことで使用できます.

 下部の画像はこの券売機で購入した松本電鉄線560円区間(波田まで)の乗車券です.前述のように「1%の割引」と考えると5.6円お得になった・・・,と考えることができます.

 地紋はJR-E地紋で松本駅等の他のJR線券売機で購入するものとまったく同一で,左上に「□東」の囲み文字も見え,JR東日本が発売したことが示されています.また,オレンジカードで購入した際に印字される右下の「■カ(白抜き文字)」が入るのもJR線の乗車券と同一ですが,異なるのは駅名の「松本」がJR線対応の乗車券では囲み文字の縦書きとなりますが,このきっぷでは横書きとなっています.なお,このきっぷも自動改札対応となっており,券の裏面は黒一色です.画像は改札機に通した後のものなので,「11」の部分に改札通過を示す丸穴が空いています.(2008年12月19日記述,2014年7月30日加筆修正)




2009年5月 名古屋駅発行

オレンジカードでの社線連絡乗車券の購入・JR東海〜伊勢鉄道

 JRでは近隣の連絡社線へ跨る乗車券類を発売している券売機も多数設置されています.右の画像はJR東海・名古屋駅に設置されている自動券売機でJR関西本線〜伊勢鉄道伊勢線経由となる鈴鹿ゆき乗車券をオレンジカードで購入した例です.

 前掲の松本電鉄上高地線の乗車券は社線内完結で金額式の券でしたが,こちらは連絡乗車券で,「名古屋>鈴鹿」と表示された一般式となっています.運賃960円のJR東海分と社線の伊勢鉄道分が券面からは不明ですが,伊勢鉄道分(河原田〜鈴鹿間)は220円です.(2010年1月20日記述,2012年10月15日最終加筆修正)




(上)・2010年3月 東北本線名取駅発行
)・2010年9月 東海道本線熱海駅発行
(下)・2011年12月 中央本線水道橋駅発行

オレンジカードでの社線単独または連絡乗車券の購入3例

 右画像の一番上は東北本線名取駅の自動券売機でオレンジカードにより購入した仙台空港鉄道(仙台空港アクセス鉄道)400円区間(仙台空港駅まで)の乗車券です.前々掲の松本駅発行の松本電鉄線(上高地線)の乗車券とレイアウトは同一となっています.

 中央の券は東海道本線熱海駅から三島を経由して伊豆箱根鉄道駿豆線の320円区間(伊豆長岡まで)の連絡乗車券.熱海駅はJR東日本が管理していますが,熱海〜三島間はJR東海管轄,三島〜伊豆長岡間は伊豆箱根鉄道管轄で,発行箇所であるJR東日本の管轄区間がまったく入らない連絡乗車券です.JRから社線への連絡乗車券ですが,前掲の名古屋から鈴鹿ゆきのものとは券面レイアウトがまったく異なり,こちらは社線の運賃が一目で分かるようになっています.

 最下部の乗車券は中央本線水道橋駅から新宿経由京王線120円区間の連絡乗車券です.京王線の区間もオレンジカードで購入できるというメリット以外に,前述の駿豆線連絡乗車券の場合も同様ですが,乗換駅の乗換専用改札を通れるメリットもあります.(2011年12月16日記述)




(左)・2007年1月・京都駅発行 (右)・2008年8月・松本駅発行

1000円,3000円どちらのオレンジカードが「お得」か

 2010年1月現在,一般のオレンジカードは1,000円と3,000円の2種(額面,販売額とも同一)が購入可能となっています.ちなみに,オリジナルデザインの「オリジナルオレンジカード」には500円券もラインナップされているようですが,この額面券にはめったにお目にかかれません.

 1,000円券も3,000円券もプレミアム(おまけ)はまったく付かないため,どちらを買っても変わらないという見方もあります.しかし,実際には3,000円券の方が明らかに使い勝手が良いと思われます.

 というのも,オレンジカード対応の券売機が一度に扱えるオレンジカード枚数は最大2枚までに制限されています.そのため,1,000円券だと2枚=最大2,000円分までしかオレンジカードで購入できませんが,3,000円券の場合,2枚=最大6,000円まで購入が可能になるからです.

 実例は画像の自由席特急券で,左の券は2,310円,右は2,100円で2,000円をオーバーします.このような場合,例えば未使用の1,000円券2枚だと不足額(左の場合310円,右の場合100円)は現金を継ぎ足して購入しなければなりませんが,3,000円券であればこのような比較的高額な券の場合でも融通度が高くなります.また,財布内の「占有スペース」も1,000円券3枚より3,000円券1枚の方が「若干」少なくて済みますし,券売機に投入する煩雑度も「若干」3,000円券の方が少なくなります.
 

2009年購入 オレンジカード1000円券(上)・3000円券(下)

 では常に3,000円券を購入すればいいのか,と言うと,そうとも言えません.まず,駅や金券ショップで購入するタイミングによって3,000円券の在庫がない場合がかなりあります(例えば2007年11月の糸魚川駅).

 また,前述のようなことを見越してか,金券ショップでは1,000円券の販売価格が990円でも,3,000円券では販売価格が2,980円だったりします.このような場合だと1,000円券を3枚買った方が3,000円券1枚より10円お得です.そのようなこともあり,金券ショップでオレンジカードを購入する際は,値引き額に充分に留意する必要があります.逆に言えば,1,000円券も3,000円券も同じ値引率であれば3,000円券を購入する方が「お得」です.

 ここまでいろいろ書いて来て「今さら」という感じですが,オレンジカードによる「節約術」はあまり功を奏しません.それでも鉄道趣味的な観点から言えば,オレンジカードそのものをコレクションする楽しみもありますし,ICカード乗車券が使えない線区では小銭を出したりしまったりする面倒がいくぶんかは解消されることから,使ってみたい,手元に残してみたいカードです.

 右の画像はJR九州発行の1,000円券(上)と3,000円券(下)です.これらの券はJR東海管内の都市にある金券ショップで購入したものです.余談ですが,なぜか金券ショップで買うと,購入地区のJR旅客会社と異なる会社で発行されたカードが在庫として置いてあることが頻繁にあります.JRの駅等で買わず,金券ショップでオレンジカードを買うと,「どこの会社のどんなカードが来るのか」という妙な楽しみも加わってきます.

 なお,2011年頃から日本各地の金券ショップでオレンジカードが販売される店舗が極めて少なくなった印象があります.オレンジカードの在庫がまったくない店舗がほとんどで,入手はやや困難になってきています.(2009年1月20日記述,2012年10月15日加筆修正)




1986年 国鉄発行

「国鉄オレンジカード」での購入

 2007年だったと思いますが,東京駅近くの某金券ショップで1,000円のオレンジカード(この時の販売価格は995円だったと思います)を数枚購入したところ,国鉄が発行したカードが数枚含まれていました.金券ショップでは販売時の煩雑さを避けるため,原則として購入時にカードのデザインは選べず,販売員が束の上(あるいは下)から順番に取って客に渡しています.そのようなこともあり,どんなデザインのカードが購入できるのか未知の部分もありますが,この時は発行から20年以上も経った国鉄時代のカードも受け取ることになりました.ちなみに,国鉄時代のオレンジカードであっても,JR旅客全社でなんら問題なく使用できます.

 券を良く見ると,「国鉄」の文字がなつかしい他に,券の挿入方向を分かりやすくする縁の欠けが見当たらないなど,趣味的にもなかなか興味深い券となっています.

 では,国鉄時代の券だから,コレクターにプレミアムを付けて売れるのか?というと,このデザインの場合,そのようなこともないようで,それだけに金券ショップは額面より安い値段で売っていた,とも言えます.

オレンジカード1000円券・国鉄発行(上)・JR西日本発行(下)

 右の画像はオレンジカードの裏面で,上は国鉄発行のもの(前掲の「シュプール白馬」とは別の券),下はJR西日本発行のものです.券面右下に番号が入っていますが,最初の2桁は発行会社を表すようです.上の国鉄発行の券は「00」,JR西日本発行の券は「20」となっています.ちなみに,JR東日本も「00」で国鉄と同じです.

 この最初の2桁番号を整理すると,00:JR東日本及び国鉄,10:JR東海,20:JR西日本,30:JR北海道,40:JR九州,50:JR四国となります.

 また,この番号に続く4桁は発行年及び月を表すようで,上の券であれば「8611」とあることから「1986年11月発行」,下の券であれば「0909」であるから「2009年9月発行」となります(2085年以降に発行されるオレンジカードはどのような表記になるのでしょうか・・・).

 このように,オレンジカードには「発行会社(企業体)」「発行年月」が分かるような仕組みになっています.ところで,JR各社が発行したオレンジカードを,発行元とは異なる他社の券売機で使った場合,収入(儲け)はどうなっているのでしょうか.作者がweb上で調べた限りでは,使用されたオレンジカードの発行元と売上額の記録が券売機に残り,その実績を元に旅客各社へ再配分が行われているようです.但し,発行から何年か(詳細な年は不明)が経過したオレンジカードについては使用実績による「再配分」はせず,カード発行会社に儲けがすべて行く,という情報もあり,詳細なことはまったく不明です.

 なお,国鉄時代に発行されたオレンジカードですが,その「使用実績」を集計して,JR各社が「国」に代金を請求する,ということはしていないようです.ではどうしているのかというと,国鉄オレンジカードは各社にとっては「使われ損」をしている,というのが実情のようです.

 となると,鉄道趣味的な観点からすれば,国鉄オレンジカードを使うのであれば,個人個人の「キライな」JR旅客鉄道会社の券売機で使っておきたいとも考えられます.鉄道ファンであれば,「好きなJR旅客鉄道会社はJR○○,キライな会社はJR○○」というものがないでしょうか.少なくとも作者には好意的な旅客鉄道会社もあれば,営業方針や企画乗車券類サービスに不満がある会社もあります.

 あるいは極端な話ですが,どこかのJR旅客鉄道の「株式」を所持しているのであれば,その旅客鉄道会社が損を被るようなことは避けたいことから,「株を持っていない旅客鉄道会社」の券売機で国鉄オレンジカードを使う,ということも考えられます.ひょっとすると,自分が株を所持している旅客鉄道会社で国鉄オレンジカードを使うことにより多くの「損益」が発生し,配当金が減少するかもしれないです・・・.(2009年1月20日記述,2012年10月15日加筆修正)




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