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お得なきっぷの買い方ガイド 〜あずさ回数券・中央線料金回数券

(2008年12月19日作成,2010年8月31日最終更新)

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(上)・中野駅発行 2008年8月9日(9月15日使用)
(下)・同年9月15日 海浜幕張駅発行

「都区内」まで(から)有効な「あずさ回数券」

 特別企画回数券(いわゆる「トクトクきっぷ」)の「あずさ回数券」は,2008年現在,特急「あずさ」および「かいじ」「はまかいじ」(「はまかいじ」は八王子以西のみ有効)の普通車指定席に乗車が可能なきっぷとなっている.発売枚数は6枚セット,画像の「竜王・甲府<->新宿(都区内)」のほか,小淵沢や松本,白馬等が発着駅となった区間のものが発売されている.

 指定席についてはこの「あずさ回数券」をJR東日本管内の「みどりの窓口」に提示することにより,別掲の乗車日や列車,座席指定の入ったこれとは別のマルス券が発券され,まったく別の様式のきっぷを渡される.

 「あずさ回数券」の価格だが,1枚あたりの価格は普通に同一区間の乗車券と特急券を買うよりも3割から3割5分程度安い.このように割引率が比較的高いのは,中央東線には高速バスという競合路線があるからだろう.

 ところで,表題を「都区内まで(から)有効」としたのは,画像の区間のうち,中央線側の最遠駅である竜王から新宿までは営業キロ128.3kmとなるため,普通乗車券であれば東京山手線内までの運賃が適用され,新宿方のゾーン駅は「都区内」ではなく,「東京山手線内」までが有効範囲のきっぷとなる.しかし,「あずさ回数券」は他の松本や白馬までの区間のものと揃えるためか,新宿方のゾーンが「都区内」に統一されている.このため,画像下のように海浜幕張から乗車して中央東線方面に「あずさ回数券」で向かうような場合,海浜幕張から都区内の最初の駅である「葛西臨海公園」までの380円区間の乗車券と,「あずさ回数券」を組み合わせることで乗車することが可能となる.これがもし,「東京山手線内」のゾーン設定だった場合,海浜幕張から東京までの540円が別途必要になってくる.

 なお,余談だが画像の「竜王・甲府<->新宿(都区内)」の区間は,2001年12月までは「あずさ回数券」の他に「かいじきっぷ」という別の特企券が発売されていた.「かいじきっぷ」はあずさ回数券とは異なり,4日間有効の往復タイプ特企券となっていたが,価格は4,180円となっており,片道あたり2,090円と破格の値段だった.この価格は甲府〜新宿(東京山手線内)の片道普通運賃である2,210円以下であり,まともに乗車券を買って普通列車で行くよりも,「かいじきっぷ」を買って特急(但し自由席のみ,かつ「かいじ」のみで「あずさ」は不可,という制約はあった)に乗った方が安いと言うとんでもない切符だった.(2008年12月19日記述)




秋葉原駅にて座席指定 2008年6月15日

「あずさ回数券」の座席指定

 かつての「あずさ回数券」には「自由席用」と「指定席用」があり,自由席用はかなり安価で購入できた.さらに,2008年現在の「あずさ回数券」は6枚綴りだが,「自由席用」があった2001年12月までの「あずさ回数券」は4枚綴りだった.

 いずれにしても,2008年現在の「あずさ回数券」は座席指定が受けられるタイプのものしか販売されていない.前掲の画像は座席指定を受けずに自由席車に乗車した際のものだが,右の画像は座席の指定を受けたものである.座席指定を受けると原券は回収され,別途このような切符を受けるのだが,券面からは特企券を示す「○企」の表示がなくなっている.なお,原券には「『みどりの窓口』で座席の指定を受けて下さい」とあるが,JR東日本管内以外の「みどりの窓口」では座席指定はできないようである.

 「あずさ回数券」の「お得な使い方」として,自由席が混み合って自由席の座席確保が困難と思われる時期や列車を除いて,座席指定は「極力」受けないほうが得策と思われる.それは,みどりの窓口や指定席券売機に並んだり指定券を受ける手間と時間が増えることと,万一指定の列車に乗り遅れた場合には券面に「当日の自由席に限り有効です」とあるように,指定を受けた当日を過ぎるとただの「紙切れ」と化すことである.指定を受けてもその列車に乗れない,あるいはその日は予定を変更して乗らない,ということは往々にしてあるもので,座席指定を受けていなければこの特企券の有効期間である,発売から3ヶ月間(但し,有効期間の除外期間,この券であれば4/27〜5/6までの10日間を除いた3ヶ月となるため,実質的に3ヶ月10日ということになる)は有効であるため,使わなくなった場合でも有効期間が余っていれば再度使用することができるからである.(2008年12月19日記述)




左上・右 2010年8月 竜王駅発行,左下 2010年8月 甲府駅発行

中央線料金回数券

 2009年10月1日からJR東日本八王子支社では新たに「中央線料金回数券」という特企券を発売しました.区間(券種)は以下の通りです(2010年8月現在).

錦糸町・東京〜新宿<->立川・八王子
錦糸町・東京〜新宿<->大月
錦糸町・東京〜新宿<->甲府・竜王
立川・八王子<->甲府・竜王

 右の画像左上は「中央線料金回数券」の「錦糸町・東京〜新宿<->甲府・竜王」です.有効期間は発売から1ヶ月で,特急の自由席特急券に相当する「料金券」ですから,別途乗車券類が必要です.

 前述のように,「あずさ回数券」では自由席用の設定がなくなり,「かいじきっぷ」もなくなりました.しかし,東京(・錦糸町)〜甲府(・竜王)間で特に近距離利用における自由席用特企券の需要がある,と判断されたようで,2009年から期間限定のいわゆる「社会実験」的要素を含ませた「特急料金回数券」を一部区間で発売し,一定需要があったことから発売期間限定を外し,2009年10月より通年発売開始となりました.「あずさ回数券」は年末年始,GW,盆期間は使用期間から外れますが,「中央線料金回数券」は通年利用可です(2010年8月現在).

 この特企券は料金券のみのため,別途乗車券類が必要です.甲府駅近くの某金券ショップでは甲府〜新宿間を繋ぐ「分割購入」の回数券が売られていました.甲府〜新宿の普通乗車券(運賃)は2,210円ですが,画像のように塩山と八王子で分割して購入すると,合計1,890円となり,320円もお得になります.区間を分割することでトータルの運賃が安くなることは当サイトの別ページ「乗車券の分割購入」でも紹介しています.

 なお,画像にある「中央線料金回数券」と「回数券」の4枚セットで2,700円で販売されていました.甲府・竜王〜東京都区内の「あずさ回数券」の金券ショップバラ売り価格(1枚)の相場が2,800円程度のため,100円安いことになります.

 注意点として,「あずさ回数券」は「東京都区内」まで(から)有効なのに対して,画像の回数券バラ売りでは新宿まで(から)しか有効ではないことです.例えば甲府から新宿ゆきの特急に乗り,さらに東京駅までJR線で行った場合,別途190円が必要となりますので,その場合は画像の「セット」と「あずさ回数券」の差額に注意する必要があります.このように,「あずさ回数券」が「東京都区内」の範囲を網羅しているメリットは前々項で述べました.

 「中央線料金回数券」ですが,「みどりの窓口」での販売は行っていないようで,指定席券売機での発売のみになっています.そのため,券面に「竜王駅MV」とあります.MV端末はいわゆる「指定席券売機」のことです.画像左側はいずれも「MV端末」で購入したきっぷで,印字の黒色が鮮やかな熱転写式印字となっていますが,右側は「竜王駅A1発行」で,竜王駅みどりの窓口の感熱紙印字になっているため,印字が赤っぽくなっています.(2010年8月31日記述)




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