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定期乗車券

(2009年6月1日作成,2011年12月2日最終更新)

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2008年4月 田沢湖線 羽後長野駅発行

JR完全常備定期券(通学・高校生用)

 JR線では非常に稀少になった完全常備式の通学定期(高校生用)です.区間は羽後長野<->角館,期間は3箇月,種類は通学定期(高校生用)で,定期運賃は9750円(6キロまで)です.

 区間(両駅),期間,種類(通勤・通学等)が完全常備となっているため,おのずとその定期運賃も印刷済となっています.このような完全常備定期券は通学に利用する駅(主に高等学校の最寄駅)が明瞭な地方線区に多いようです.発券サイドからすれば,どの定期券種が何枚売れたかを集計するだけで売り上げ計算が済むメリットがあります.(2009年6月1日記述)




2008年撮影 JR東日本管内駅

JR補充式定期券

 右の写真はJR東日本管内の簡易委託駅で,受託者さんのご好意により見せていただいた未記入の通学定期(上)と通勤定期(下)です.片端駅は発行駅常備となっていますが,もう一方の片端駅,経由,定期運賃等はすべて補充式です.

 定期券の期間によって右側の報告片と左側の旅客に渡す定期券との断線があります.このような券の他に,区間が常備となっており,期間のみ断線で区別する「期間準常備式」という様式もあります.

 前掲の区間常備,あるいは期間準常備式に比べて明らかに手書きする部分が多く,発券に時間がかかり,記入のミスも多くなる欠点はありますが,さまざまな着駅,種類(通学定期の小学生・中学生・高校生用等)による発券が可能です.(2009年6月1日記述)




1992年11月 花輪線大更駅発行(上)・
1995年7月 同発行(下)

大更〜盛岡・定期券

 右の画像は花輪線大更駅と東北本線盛岡駅間の通学定期券です.上は高校生用,下は大学生用です.いずれもPOS端末で発券された券です.大更〜盛岡間の運賃計算キロ(換算キロ+営業キロ)は31.2キロのため,1ヶ月用の高校生用定期券運賃は7,420円(平成4年・1992年当時,2010年現在は同運賃計算キロ数だと7,560円),大学生用は8,250円(平成7年・1995年当時,2010年現在は同運賃計算キロ数だと8,410円)になります.

 ちなみに,同運賃計算キロ数の1ヶ月通勤定期の場合,平成4年(1992年)当時で16,440円(2010年現在,16,760円)です.ここまで「同運賃計算キロ数」で定期代を算出したのは,2002年12月から好摩〜盛岡間が第3セクターのIGRいわて銀河鉄道線(以下,IGR線と表記)になったため,定期券運賃が大幅に変わったためです.大更〜盛岡間がどれくらい変わったのかと言うと,

高校生用通学定期(1ヶ月)7,560円->15,900円
大学生用通学定期(1ヶ月)8,410円->16,380円
通勤定期(1ヶ月)16,760円->31,940円

 上記の矢印(->)の左側が2002年12月の東北本線のIGR化直前のJR花輪線〜東北本線経由の定期運賃,右側が2010年7月現在のJR花輪線〜IGR線経由の連絡定期運賃です.いずれもほぼ倍額となり,特に高校生用定期の約2.1倍には驚愕します.

 2002年に東北新幹線の盛岡〜八戸間が開業しましたが,盛岡以北の鉄道利用者にとって,東北本線がJR東日本の経営から切り離されたことで運賃の面では大変に負担が増えました.

 ところで,当サイトの「お得なきっぷの買い方ガイド>乗継割引」の項でご紹介しましたが,大更駅からIGR線滝沢駅までは「乗継割引」運賃が適用されます.通学定期の場合,定期券の区間を複数に分けた分割購入はできませんが,通勤定期であれば,大更〜盛岡間の定期券を「大更〜滝沢」と「滝沢〜盛岡」に分割して購入,使用することが可能です.分割して購入した場合,定期代は大更〜滝沢間が15,540円,滝沢〜盛岡間が14,840円(2010年7月現在の1ヶ月通勤定期)ですので,合計30,380円となり,通しで購入するより1,560円もオトクになります.(2010年8月5日記述)




1997年1月 東北本線 沼宮内駅発行

沼宮内(いわて沼宮内)〜盛岡・定期券

 右の画像はIGR線化前の東北本線沼宮内〜盛岡間の通学定期乗車券(高校生用,3ヶ月)の画像です.沼宮内〜盛岡間の営業キロは32.0キロのため,JR線時代は前掲の大更〜盛岡間とまったく同じ定期運賃でした.

 ちなみに2010年現在の営業キロ32.0キロの高校生用通学定期(1ヶ月,幹線)は7560円です.同区間が「もしも」IGR化せず,JR東日本東北本線のままであれば,2010年現在の「いわて沼宮内」〜盛岡間の高校生通学定期は2002年12月以降も据え置かれた値段でしたが,IGR線となり,同区間の同定期運賃は12,550円(2010年7月現在)になりました.JR線だった場合と比較して約1.66倍の値上げです.それでも,大更〜盛岡間の「2倍以上」の値上げに比較すればマシかもしれません.

 前掲の項で,大更〜滝沢間は乗継割引運賃適用区間で,その区間の「通勤定期(1ヶ月)」は15,540円と書きました.ところが,いわて沼宮内〜滝沢間はIGR線で完結するため,乗継割引運賃は適用されません.そのため,この区間の通勤定期運賃(1ヶ月)は20,600円もします.JR線だった時代がいかに恩恵が大きかったか,ということと,IGR線〜JR線の乗継割引制度がいかに大きいかが分かるかと思います.

 ところで,いわて沼宮内〜盛岡間は新幹線の定期券である「FREX」の発売区間です.1ヶ月用は通勤定期の「FREX」が47,000円,通学定期の「FREXパル」が38,650円です.同区間のIGR線定期は通勤定期1ヶ月が36,950円,通学定期1ヶ月(大学生用)が35,770円ですから,特に大学生通学の場合,新幹線通学とIGR線通学の差額がほとんどないことが分かります.同区間は新幹線でたったの13分です.新幹線通学も魅力ですが,いかんせん,いわて沼宮内に停車する新幹線の本数は極めて少ない状況です.さらに,例えば東京〜那須塩原間のFREXでは「平行在来線」に乗車できますが,この区間はそれが出来ないという危険を伴います.(2010年8月5日記述)




1997年1月 東北本線 沼宮内駅発行

村上〜関屋・定期券

 羽越本線村上から越後線関屋までの通勤定期(6ヶ月)です.村上〜新潟(営業キロ60.7キロ)も村上〜関屋(運賃計算キロ65.8キロ)も普通運賃であれば同じ1,110円ですが,定期乗車券はほぼ1キロ刻みで定期運賃が上昇しますから,村上〜新潟150,930円(通勤6ヶ月),村上〜関屋160,270円(同)となり,なんとなく損な感を受けます.

 さらに定期運賃表を見ると,この損感が「なんとなく」ではないことに気付きます.通勤6ヶ月160,270円帯は運賃計算キロ70キロまで含まれており,越後線の場合,村上〜小針までであっても同額です.右画像の区間はかなり損な定期券と言えそうです.

 そこで考えられる他の通勤用きっぷが,「えちごワンデーパス」です.村上〜関屋間もフリー乗車エリアに含まれており,1日分の価格は1,500円です.別途,特急券等を購入すれば特急にも乗車可能です.さらに,定期券では乗車不可の快速「きらきらうえつ」等にも乗車可能というメリットもあります.

 仮に平日(月〜金,祝日は除く)出勤とした場合,1ヶ月約20日×6ヶ月=120日,出張や休暇等で多少減があるとして,6ヶ月で100日は電車通勤すると考えます.

 えちごワンデーパス通勤であれば,1,500円×100日=150,000円で,画像の160,270円定期より10,000円以上お得です.

 さらに「お得」という考えはいくつかあります.定期券は紛失するとエライ目に遭いますが,「えちごワンデーパス」であれば(まとめ買いしてそれをまとめて紛失しない限り)紛失による損害ははるかに小さいです.

 また,オレンジカードによる購入では約1%の節約が可能です.村上駅では「えちごワンデーパス」の自動券売機購入が可能です.村上駅自動券売機はオレンジカード対応のものも設置されています.1%と聞くと僅かな気がしますが,半年分の150,000円の1%は1,500円にもなります.年間3,000円です.これを小さいと考えるか,大きいと考えるかは人それぞれですが,毎日の単調な通勤にメリハリを付ける意味でも,お得感を味わいながらの通勤は悪くないと作者は考えます.

 但し,通勤定期券の場合,会社側が通勤費用を負担することがほとんどで,定期券そのものを会社側が定期的にチェックしたり,あるいは購入時の領収書の提出が求められる等の制約が課されることがあるため,「えちごワンデーパス」利用にすぐに切り替えられない事情も抱えていたりします.(2011年12月2日記述)




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