土山駅〜別府港駅 別府鉄道土山線

　別府（べふ）鉄道は播磨灘に面した兵庫県播磨町や加古川市にある化学品メーカー「多木化学」（かつての多木製肥所）が自社製品を貨物輸送するために敷設した鉄道で，旧国鉄山陽本線土山駅で接続した土山線（土山〜別府港間・4.1キロ）と，旧国鉄高砂線野口駅で接続した野口線（野口〜別府港間・3.7キロ及び専用線（1926年に別府港〜港口間0.7キロは廃止））の非電化鉄道路線を所有していたが，これらの鉄道線は1984年2月のいわゆる国鉄貨物大削減改正時に廃止となった．

　写真はJR山陽本線土山駅南口川で，別府鉄道の貨物側線などがあった名残で広い敷地が残っていた．（2015年11月4日記述）

　土山線の廃線跡線形を利用した歩道．（2015年11月4日記述）

　廃線跡利用の歩道にあった石碑．「この緑道は私鉄別府鉄道が六十一年の歴史をとじ一九八四年一月に廃止されたので跡地を播磨町が譲りうけ建設したものである（後略）」．（2015年11月4日記述）

　いかにも鉄道の線形と言わんばかりの曲線．歩道の植木類の手入れが猛烈に良い．（2015年11月4日記述）

　播磨町郷土資料館に屋外展示してあるDC302とハフ5．普段は車内にも入れるらしいのだが，訪問当日は整備中で入れなかった．（2015年11月4日記述）

　客車側面に書かれた形式番号と，別府鉄道の2本の神代鍬を交叉させた社章．この社章は多木化学関連の企業で現在でも多数採用されており，今回の探索中もあちこちで見かけている．（2015年11月4日記述）

　中野駅〜別府港駅間の廃線跡（道路）脇に置かれた有蓋貨車．倉庫として利用されているらしい．（2015年11月4日記述）

　この貨車の側面も良く見ると例の神代鍬を交叉させた社章が浮かび上がっているのだ．（2015年11月4日記述）

　国道250号と土山線跡との交叉部は国道の上り線側が高架になっている．鉄道との踏切を避けるために高架にしたためらしい．（2015年11月4日記述）

　山陽新幹線と土山線の交差部．やはりここも新幹線は「橋りょう」構造になっている．写真奥が別府港方で，奥に山陽電鉄本線の高架も写っている．（2015年11月4日記述）

　山陽電鉄との交叉部は別府鉄道時代の断面のままのため，廃線跡を利用した道路はここで幅員が狭くなる．（2015年11月4日記述）

　写真奥が土山方．山陽電鉄下は少なくとも自動車同士のすれ違いは不可能と思われる．それにしても1984年まで，ここを混合列車がのんびり走っていたのだと思うと感慨深い．（2015年11月4日記述）