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アビエス・リサーチ制作雑記

「元」三遠南信道,草木トンネル(静岡県)

(2015年10月28日作成,2015年10月28日最終更新)

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 当制作雑記で点線国道(152号地蔵峠,152号青崩峠)を紹介したが,その流れで国道152号の静岡県浜松市側にある草木(くさぎ)トンネルを踏査したので紹介する.

静岡県 草木トンネル周辺 (国土地理院web site地図より・2015年10月26日閲覧)

 地図を見ると草木トンネルより西側(南側)は国道474号と152号の二重籍区間,草木トンネルより東側(北側)は国道474号線読み取れるが,草木トンネルが国道474号の「三遠南信道」から指定が外れたことから,2015年4月より草木トンネルは国道152号に移籍されたらしい.これら国道番号については作者も詳細は分かりかねることから,当ページでは国道番号の詳細な説明は省き,特に踏査して「見て,撮ってきた写真」を紹介するに留める.(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル西側) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 静岡県浜松市(旧水窪町)の池島集落にある道路標識.青崩峠への道は進むべき方向としては左になるが,道路自体は草木トンネルへの道路(この標識の「飯田 三遠南信道」とある道路)の下をくぐるため,斜め右方向(写真の道路が左カーブしている途中,右へ入る箇所がある)へ進むことになる.(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル西側) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 青崩峠への道を進むと草木トンネルへの取り付き道路の橋りょうが見えるが,相当な勾配でトンネルまで登っている.(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル西側) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 2015年現在,青崩峠のほぼ直下に三遠南信道の青崩峠トンネル掘削のための調査坑を掘削していた.青崩峠トンネル自体の延長は5,014mの計画らしい.地盤が極めてもろく,青崩峠直下はトンネル貫通は無理と言われていたが,ルートをやや西寄りにずらせば地盤が若干良いことが分かったことから,草木トンネルとヒョー越直下のトンネル新設による三遠南信道ルートを放棄し,青崩峠トンネルを新規に掘削し直すことで静岡県と長野県を結ぶ高規格道路を建設し直すことになった.なお,新たに建設される三遠南信道のトンネル名は「青崩峠トンネル」なのか「池島トンネル」なのか不明だが,当ページでは本トンネルを「青崩峠トンネル」,調査坑を「池島トンネル」と呼称する.(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル西側) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 草木トンネルへの取り付き道路上より南側(水窪市街側)を見た写真.青崩峠トンネルは調査坑の段階かと思われるが,本トンネルへのアプローチ道の工事が着々と進んでいた.現在の道路の西側に分岐させ,川を橋りょうで越えた直後に青崩峠トンネルへと入る線形になるらしい.(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル西側) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 青崩峠の南側坑口と思われる工事箇所状況.橋台はほぼ完成しており,その上部のスギ林に坑口が出現するらしい.なお,調査坑の入口は写真右の山腹に本坑と直角に入口(坑口)が出来上がっていた.(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル西側) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 青崩峠の調査坑・池島トンネル調査坑の坑口.奥のプレハブ建築はセメントサイロ.(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル西側) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 草木トンネルの西側(南側)坑口.歩道も平行して敷設されており,徒歩,自転車(軽車両)の通行も可能.総延長は1,311m.(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル内) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 中央分離帯のポールはなく,歩道と車道の境界に柵が立つ.非常電話の数(間隔)も減らされ,一部電話は撤去された.写真の非常駐車帯にあった電話は撤去されたことから,(写真からは分かりづらいが)非常電話のマークに×印が付けられている.(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル内) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 前述の非常駐車帯の壁面にあった非常電話は撤去されており,ぽっかりと四角い穴が開いている.非常口の奥はトンネルに平行して走る非常用通路に繋がっているらしい.(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル内) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 写真奥が水窪市街側になる.この非常駐車帯の非常電話は機能しているようだが,写真の非常電話標識の行燈は点いておらず,この標識と非常電話(写真奥の矢印)までかなり遠く,例えばトンネル火災で煙が充満して視界もほとんどないのような非常時に,まずこの非常電話の標識が見えるのか,という問題や,標識が見つかったところでこれほど離れている非常電話まで辿りつけるのか?といった安全面の問題が多い.(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル内) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 前掲写真の非常電話は電話ボックスのような個室内に電話が設置されていた.作者のような1970年代生まれの人間にはこの電話の使い方は分かるが,1990年頃以降に生まれた人は果たしてこの電話の使い方が分かるのだろうか?(この世代の人で,職場のダイヤル式電話機の使い方が分からなかった人を実際に見ている.)余計なこととは思うが,敢えて使い方を書くと,例えば「警察」にかける場合は「警察」の下の穴に指等を入れ,透明な円形ダイヤルを時計回りに下部の金属の引っかかり部分までいっぱいに回し,そこで指等を引き抜くとスプリングの力で透明な円形ダイヤルが戻る.この動作によりダイヤルされ,「警察」への通話が可能になる.なお,トンネル内なので携帯電話等は通じない可能性が大いにあり,緊急時にはこの非常電話なしには外部との通信は遮断されるものと思われる.(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル内) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 前掲の他の非常電話だが,これも問題が多い.写真奥が水窪市街方で,ヒョー越側出口までかなり近い箇所にあった電話だが,こちらは標識等の行燈も点灯しており,停電さえなければ火災時等の視認性も高いものと思われる.しかし,問題があるのだ(後掲).(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル内) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 前掲の壁面非常電話.なんと故障中で使えないのだ.草木トンネルが三遠南信道の高規格道から外されたためか,安全対策がやたらおろそかになっている気がする.(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル内) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 草木トンネル東側(北側)の出口.総延長1.311mのトンネルを徒歩で通過したが,その間,5台程度の車しか通らず,交通量は猛烈に少ない.しかし,1キロを超す長大トンネルには違いない.非常電話の箇所数を減らしたことは規格上問題ないと思われるが,せめて稼働中の非常電話については安全対策が望まれる.(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル東側) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 当ページ冒頭の地図の箇所で記述したように,草木トンネル部分の国道番号は建設時と2015年4月現在では変わっている.このため,一部の道路標識で国道番号部分が潰されているものもあった.なお,この写真の潰された下には「152」と書かれているようで,これは現在の番号である.一方,トンネル内の非常電話の「現在地」に書かれていた国道番号は「一般国道474号」のままであった.とにかく紛らわしい.(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル東側) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 深い山の中に忽然と高規格道が出現した感じである.草木トンネルを出たところで,三遠南信道本線からヒョー越への道路を分岐させる計画だったようで,そのための橋りょう上のスペースが広がっているのだ.(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル東側) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 草木トンネルを背に,ヒョー越方面を撮った写真.右の広いアスファルト部が三遠南信道の本線になるはずだったスペース,左の道路がヒョー越への本来は「分岐道」のはずだった道路.(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル東側) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 この分岐は草木ランプと呼ばれるはずだったらしい.草木ランプ橋という標識があるのだが,この付近は橋りょうだらけで,どれが「草木ランプ橋」なのか良く分からない.写真奥が水窪市街(草木トンネル).(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル東側) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 高規格道だけあって,本線になるはずだった橋りょう部分を遠望すると,まるで航空母艦のようである.写真奥が水窪市街(草木トンネル)(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル東側) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 ここの国道番号も潰されていた.山を削り,コンクリートで固め,橋脚を立てて高規格道を建設したものの,そのルートから外れて「規格落ち」した道路の成れの果てといった感じである.(2015年10月28日記述)

静岡県池島〜ヒョー越間(草木トンネル東側) 2015年4月12日 Nikon D200 Ai Nikkor 24mm F2S

 高規格道は終わり,ヒョー越林道となって長野県への県境へと登って行く.(2015年10月28日記述)

なお,2016年1月に草木トンネルに再度訪問し,第2回目探査として5月21日付制作雑記として掲載したので併せて閲覧いただきたい.



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